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詩にしたとたんに空に飛んで行ったらいい、悲しみというものは

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詩集 ❘ 感情の端の一瞬のきらめき。 【テーマ:悲恋、孤独、抑圧】
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#自由詩

見えない致命傷では死ねないから

覚えてる、 悲しかったこと 全部 忘れられない、全部 去年の傷 一昨年の傷 もっとずっと前の…

銀森 そのみ
8か月前
3

冷たい波をもつ海が

温かい言葉をかけてくれた人がいた。 その時ほしかった、とても優しい言葉 誰かがかけてくれ…

銀森 そのみ
8か月前
3

うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ

寂しくて 寂しくて うさぎだったらもうとっくに 死んでいるだろうというくらいに 寂し…

銀森 そのみ
8か月前
2

流れる詩

さっき胸の中で流れた詩の 最後を忘れてしまった ざらざらと音をたてて 粉々に消えてくれ…

銀森 そのみ
8か月前
5

神様の天秤

ずっと自分で決めたいと思っていた 自分のこと 全て。 服、 髪型、 食べるもの、 話す言葉…

銀森 そのみ
8か月前
4

噛みつきたいよその顎(あご)に

むしゃぶりつきたい あなたのその、白い顎(あご) 昔あなたが嫌いだった 凡庸な顔にいらだっ…

銀森 そのみ
8か月前
6

前髪

前髪の乱れを ゆっくりと なぞるように直された。 あの瞬間にイイネをつけて 何度も何度もリピートして 再生させたい。 大切になでつけられた わたしの髪が まるでいま宝物のようだよ 匂いも体温も残ってないのに あなたの指に本当はふれたかったから いまひとりでなぞるよ あなたに大切にされた、わたしの前髪

戻らないきらめき

一瞬のきらめきを あの夏の思い出を 抱えて海の底に沈みたかった きらめきを、あなたが汚した…

5

消えてしまった私の言葉は

twitterの誤作動に 軽い気持ちでアプリを消して、入れ直したら 下書きが全て消えてしまった …

悲しい調べの海は、癒やし

悲しい歌を、そっと弾き語る 胸にしみこむ甘い粒 どこまでもどこまでも、沈んでいく 悲しい…

4

恋しい

寂しいよ あなたが寂しがってくれないからさ

2

昔住んでいた街に

空が青くて紫くて美しくて、寂しいよ きっと、私はまた寂しくなるために戻ってきた わたしの…

4

知らなかったこと

ふとしたきっかけで 耳が思い出す 瞳が思い出す あんなことを話した あんな表情をしていた…

6

動かない心と若草物語と秒針

スルメをかみしめるように 同じ映画を何度も何度も 繰り返し見ることが好きだ だけれども過食するように大量の映画をむさぼり見ている なにに飢えているのだろう 物語か 感動か 心動かすものに巡りあうまで 繰り返すのか 心はもう動かない 大晦日に掃除をしよう、ゴミをだそう、シャワーを浴びよう そう思って 実際にできたのは明けて二日のことで 掃除もできた、ゴミもだせた、シャワーも浴びられた 肉じゃがも作ったし、ご飯も炊いた そのスイッチが入るまでに 時計の秒針は何回刻まれたか 私