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ある村に住んでいた「ドゥルゴ」という名のドラゴンの物語

2011年に元国家元首や政府元首、世界の著名人をメンバーに含んで組織された非政府組織(NGO)である「薬物政策世界委員会」は、今までの違法薬物に対して厳罰でのぞむ懲罰的アプローチ、薬物使用者の犯罪化の問題性を告発し、科学的証拠、公衆衛生、人権への配慮、および安全に基づいて誰も置き去りにしない薬物政策を提唱してきた。

この「薬物政策世界委員会」が作成した「麻薬戦争」の歴史を描いた短いアニメ動画がある。YouTubeには、AI翻訳によって自動で日本語字幕をつけることができる機能があるので、ぜひ見ていただきたい。

 「ドゥルゴ」(Drugo)という名のドラゴンの物語である。

ドゥルゴは村に友達がいるのだが、村人の何人かはドゥルゴと遊ぶことで仕事を失い、家族のことを忘れ、暴力的になる者も出てきた。それが国王から問題視されるようになった。

国王は、村人たちをドゥルゴから遠ざけることが最善であり、ドゥルゴを王国から追放することを決心した。村人たちはドゥルゴと遊ぶことを禁じられ、この禁令を破った者は投獄された。

ドゥルゴは人びとの目から隠れ、多くの村人の生活は監視されるようになった。しかし、国王がドゥルゴと戦えば戦うほど、ドゥルゴの魅力はその肉体的な強さとともに増していった。そして国王は、ドゥルゴと戦うためにより大規模な警察と武装勢力を組織した。

しかし国王の努力に反して、この状況は事態をより悪化させるのであった。村人たちが隠れてドゥルゴを訪問することで、それを手引きする好ましくないグループが利益を得るようになり、より多くの犯罪を引き起こした。そして、暴力が増すにつれて、ドゥルゴはいっそう強くなっていった。

そしてある日、人びとはドゥルゴと戦わないことが最良の方法であることに気づいた。国王はドゥルゴと戦うことは、戦わなかった場合よりもはるかに悪い状況を作ったことに気づいた。

それから村は徐々に浄化され、再建され、死と破壊は激減した。ドゥルゴの力も弱まり、再び国王が扱いやすい姿に変わっていった。

現在この物語に、多くの人々が耳を傾け始めているのである。(了)

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