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人生ベストワン映画

みなさんの一番好きな映画は何ですか。わたしが一番すきな映画は 呉美保監督『そこのみにて光輝く』です。

公開当時は知らなかったのですが、モントリオールの監督賞をとったあたり 私がちょうど綾野剛さんにはまりはじめた時期に、受賞のおかげで再上映しておりタイミング良く劇場で見ることができたのが出会い。(その後、機会に恵まれ何度か劇場で見ることができました)

舞台は夏の函館。主人公達夫とパチンコ屋でライターを貸し借りした縁で知り合った拓児。その拓児の姉、千夏と達夫のラブストーリー。…なのか?笑 ざっくりあらすじを話すとこんな感じですが、わたしは達夫という男の変容を追った映画かなあとも思っています。救いようのない映画なのですが、どうしようもなく美しいシーンだらけで何度も繰り返して見てしまうのですよね…。

綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉などなど…役者陣が素晴らしく、不器用に生きる登場人物たち皆がいとおしくなる。また、函館という地方の港町特有の閉塞感が胆になっていて、貧困の抜けられなさとか、抜け出すことへの諦めとか…。どん底で生きてる彼らの幸せについて、ぐるぐると考えてしまいます。ラストの輝く浜での二人を見るといつも胸が苦しいけれど、達夫の表情を見て少しだけど希望を持ってもいいかなと思ってしまうのよなあ…。



2度ほどロケ地巡りに函館にも行きました。また久しぶりに夏の函館、達夫たちが歩いた街に行きたいな。

同じく原作佐藤泰志作品を映画化した、函館三部作(+1)の『海炭市叙景』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』も大好きです。それぞれ監督が違うので質感は全く違いますが、どれもおすすめです。



↑達夫と拓児が自転車で降りていく坂道。この坂道は探しました…。丁度紫陽花が咲いていてきれいでした。