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養成所編 後編1

先輩も選手になり、2小隊から1小隊になった事、

ある訓練生(今も現役の選手です)のお母様が、病気で亡くなられました。

訓練を休みお葬式に出席しに帰郷しました
19歳になったばかりの彼は今までそんなそぶりも見せずに訓練を受けてました。

当時は知りもしませんでしたが、お母様は病気で長く無かったそうです。

当時の年齢だと自分も母親が亡くなるなんて事は想像出来なかったです。
とても辛くそれでもボートレーサーになる為またこれからも訓練を続けると決めて、戻って来る彼を温かく迎えようと思っていました。

帰って来た彼を見て声を掛けようとしていたら、教官が(担当教官は3人いました。実技教官は別で、中編に出て来たのは主任教官で今回の教官とは違います)
84期85期の時に訓練を受けていたそうなので年齢は27.28歳位だと思います。
その教官が、彼にかけた言葉が

おい、〇〇なんで帰って来たの?

お前なんていらないんだけど?

お前みたいな下手くそいらないんだけど?

1人養成するのに1000万かかるんだよ。

お前みたいなやつは早くやめろよ。

初めて人に嫌悪感がついたような瞬間でした。
19歳で母親を亡くした訓練生にかける言葉か。
本当に殴ってやろうかと思いました。
とにかく1人ターゲットを作るとその訓練生が辞めるまでいびりは続きます。

彼はターゲットになっていたんですね。

しかし19歳で数日前に母親を亡くした彼にかける言葉ではありません。
本当にクソ野郎だと思いました。

それからその訓練生はイビリに耐えて選手になって一緒に住んだりするんですが、その話はまた後日に

先程のクソ教官、略してク教官
彼はどうしてその様な事をするのか?どうしてク教官は形成されて行ったのかすごい興味が湧きました。
それ以降ク教官を観察することを始めました。

ク教官は男性ですので当然、女性訓練生には優しい、養成所には事務の女性の方もいるのですがその女性達にも同じでした。
男性訓練生の場合はうまい訓練生には優しい、僕も割と言われていたので、下手な訓練生には厳しいでした。
後、面白い事に同じ教官(主任教官ともう1人ク教官と同期のメガネ教官略してメガネ)がいたのですが、あまり好かれて無い様でした。

ク教官は周りから浮いてるようでした。

中編であった先輩脱走事件を捕まえて来たのもそのク教官でした。
捕まえて来た先輩達があまりに優秀な訓練生であった為(後のSG覇者、G1覇者、オートレース選手になりSG覇者)

ある意味.ク教官の正義感は、業界的にはスター選手、売り上げが見込める選手をグビにせざるを得ない様にしてしまった故に、周りから煙たがられる存在になったのかも知れません。

ク教官も出身は福岡でない為、こちらで1人暮らしをしていました。

近くに友達も居なくて非常にテレビに影響されるようでした。
当時2002年10月から2003年9月末までの1年間養成所にいたのですが、特に格闘技、k1が人気でした。

k1を観た次の日は大体誰かが犠牲になってました。
素人がするから分からないのか、
ある1人の訓練生(今も現役選手)耳を平手打ちされて鼓膜が裂けました

そんな事など特に問題にもならないので、なんなら鼓膜破ってやったなどイキってました。
当時20代のク教官からしたら分からなくも無いですが。

僕がターゲットの時もありました。
前日の試合で盛んにローキックが目立っていたのか、ひたすらにローキックをされ続けました。
こちらは受け続ける事しか出来ないので本当に長く続くときつかったです。

ローキックやられ続けると本当に歩け無くなります。ローキックはあんなにも痛いのかと実感した日でした。

ク教官は性格はねちっこく、

自分達は与えらせたエンジン、ボート、常に同じ物を使うのですが、ボートは訓練で壊れたら自分で直さないと行けないのでボート修理すればするほど重くなり、バランスも変わるのでどんどん出なくなります。

たまたまリーグ戦の時にボートが壊れてしまい予備ボートと交換になりました。

そのおかげか、リーグ戦で優勝しました。

そしたらそのク教官が

決まりて予備艇

って言いました。
確かにそうだけど周りに聞こえる様に良く面白い事言うわって思いました。

そんな事も有りながら、ク教官の僕へのイビリもまだ続き、
訓練後期には、現在選手が来て2艇旋回や模擬レースをして頂ける機会があるのですが
その時、小ペラで参加させられました。

小ペラはレースするには全くスピードが出ません。
普段はエンジンのニードル調整用で使う、通称調整ペラです。

そんなのでレースになる訳ありません。
単純に罰を与える為にやっているだけです。

それをみかねた、
現役選手が、

さすがにアレでは訓練にならない新しいプロペラ
使わせて下さい。
って言ってくれました。

先輩選手に言われるとク教官は

ハイ

ってすぐに新しいプロペラが出てきて訓練が出来ました。
訓練が終わり現役選手が帰ると、
ク教官が、

お前のせいで注意受けたじゃないか

と言って来てまたローキックが始まりました。
ローキックもやり続けると上手くなって来てより効くようになるんですよね。

まあそうなるよなとは思っていたのですが、ク教官なので当然言って来るだろうとは思っていました。

結論、ク教官は寂しい

とにかく周りにも相手にされず立場の弱い訓練生をいびる事でしか自分の存在価値を見出せ無い可哀想な人である事だが、絶対になりたく無い大人だと勉強しました。

その頃には
訓練自体はもう慣れて来て、訓練生の中でもうまい、下手が出てきました。

等と話していると
2300文字ほどになったのでまた次回にしようと思います。
次こそは選手になる所まで以降と思います。
同期の選手の印象なども書いていけたらと思います。

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