【リベラルアーツ読書会】2/23「2030年の世界地図」落合陽一著

こんにちは、そもんずです。
今回は、落合陽一さん著の「2030年の世界地図」を取り上げたいと思います。

メンバーのはっぱさんに以下、要約いただきました。

■質問
①著書の中で、特に興味・関心を持ったもの(テクノロジー、データ、思想など)はなんですか?
また、それを知ったことで気づいたこと、学んだこと、活用したいことなどを教えて下さい。

②著書の中に、日本はヨーロピアン・デジタルのような立ち位置で、自国の歴史・文化に付加価値を付ける「デジタル発酵」が鍵になるのではとありました。あなたが考える、日本の文化で価値になりそうなもの・アイディアを挙げて下さい。その理由も合せて教えて下さい。

③あなたは取り組んでいる仕事や身の回りの活動は、SDGsのどの目標に属していますか?
また2030年までに達成したい目標、現在の活動から直近で取り組みたいことなどを教えてください。


■要約
〈はじめに〉
技術革新のペースが速い時代、10年先の働き方を想像することは難しい。
現在を生きる人間の要求を満たしつつ、将来の世代が必要とする資産を損なわない社会を達成するために、SDGs(持続可能な開発目標)は重要な鍵となる。
具体的な目標に立脚して身の回りの物事を考える材料として、活用してもらいたい。

〈第1章 2030年の未来と4つのデジタル・イデオロギー〉
テクノロジーは様々な境界を超える性質を持つ。来るべき社会を支配する構造や権力の源泉を予測する鍵となる。
人口動態は予測に大きなズレが生じない特徴を持ち、豊かな人口は市場経済を動かし、国家・企業を成長させる。

5つの破壊的テクノロジーで変わる2050年までの世界
①AIなど機械学習関連技術領域、②5G、③自動走行(自動運転)、④量子コンピューティング、⑤ブロックチェーン

「食料」に関するイノベーション
AIとブロックチェーンによる食品流通の管理でフードロスがなくなる。
農業の自動化と培養肉の商用化。

「健康」に関するイノベーション
再生医療やゲノム編集技術による遺伝子病の克服が可能に。
診断でのAI活用。

「資源」に関するイノベーション
脱炭素、太陽光発電などの再生エネルギーの増加。
水素発電は大規模化と海外輸出が見込める技術として期待。

「都市」に関するイノベーション
大都市への人口の一点集中が2025年にピーク、スマートグリット化が完了。
空飛ぶクルマ、自動運転、パーソナルビーグルなどの多様なモビリティが導入。

「労働」に関するイノベーション
現在の職業が段階的にAIに代替される。
翻訳AIの進化により言語の障壁が下がった世界となる。

2030年にインドが中国を抜き、2050年にはナイジェリアをはじめとしたアフリカ諸国が目立ってくる。
GDPは中国、アメリカ、インドの3強に。
中国は国家プロジェクト「一帯一路」でユーラシア大陸を東西に横断する経済ベルトの構築を進める。

2020年を牽引する4つのデジタル・イデオロギー
アメリカン・デジタル
インターネット発祥の地、シリコンバレー。人の自由な可能性の探求、ヒッピー思想を持つGAFAM。

チャイニーズ・デジタル
中国国家規模のファイヤーウォール「金盾」の庇護により急成長を遂げたBATH。

ヨーロピアン・デジタル
ヨーロッパの歴史・文化を背景したブランドのエンパワーメントを活かす。

サードウェーブ・デジタル
インド、アフリカ諸国が該当する近代を経由しない開発のあり方。
貧困国の市場に適合した新種のイノベーション。

〈第2章 「貧困」「格差」は解決できるか? サードウェーブ・デジタルと、個人の可能性〉
「未来の可能性がない」=貧困と捉える。
アフリカは欧州に振り回された歴史があり、インターネットの普及で新しい思想が生まれるか。
独創的なイノベーション(Mぺサなど)を遂げるアフリカならではの経済発展に期待できる。
途上国の「貧困」は減りつつある。

先進国の「相対的貧困」は新たな問題に。
格差による貧困、日本人の6人に1人が貧困層に該当する。
格差が長期間にわたり階級が生まれると、持続可能を阻む要因として問題となる。

格差問題の解決のための重要な鍵=「教育」
日本独自に発酵した「インターネット教育」におけるいくつかのメディアは、格差縮小のカギになるかもしれない。

〈第3章 地球と人間の関係が変わる時代の「環境」問題 GAFAMは「環境」と「資本主義」の対立を超えるか〉
人間が地球へ与える影響が最も高まっており、今のままの生活を続けるなら、地球は1.7個必要となる試算。
環境は全人類の課題になっている。

2019年現在、中国は二酸化炭素の排出量が世界一。
国家の全面的なバックアップのもと、太陽光でアジアにエネルギー経済圏を目論む。

アメリカは規制でなくイノベーションで環境問題を解決する。

アメリカン・デジタル(GAFAM)は環境問題にとても関心が高い。
所有の超克を実現できるデジタルテクノロジーがひとつの鍵となる。
「限界費用ゼロ」で「環境」と「経済成長」が両立する世界に。

〈第4章 SDGsとヨーロッパの時代 これからの日本の居場所を考える〉
ヨーロピアン・デジタルの資本主義は文化により強力に規定し、新しい価値を引き出す。
法と倫理で社会を統べる欧州ならではのツールがSDGs、PRI、ESG。

欧州的な倫理と米中に似た技術的立場の間に日本の居場所は見つかる
日本がヨーロピアン・デジタル的な価値の醸成をするためには、コアとなる価値観を探していく必要がある。
異なるルールで考えるために、持続可能性と組み合わせ技術と地域独自の「デジタル発酵」によるアイディアが鍵になる。

〈終わりに〉
思想的な両端を行き来する発想、二項対立ではなく二つが並び立つように考えることが有効。
身の回りの活動からSDGsとの関連性を見つけ出し、経済を回すことでサスティナブル性を獲得し、「発酵」の力によって豊かな想像性を引き出すことが、日本独自のSDGsのあり方を発見することに繋がる。

7つの対立軸
1. デカルトかつベイトソン 原子論的かつ全体論に
2. ソーシャルグッドかつディスラプター 硬直的理想の撹乱者であれ
3. 集団かつ個人 公でありつつ私を忘れない
4. デジタルかつアナログ デジタルは完全な世界じゃない
5. 短期かつ長期 1年後と100年後を同時に考える
6. 理念と空気 支配の構造を脱中心化する
7. 傍観者で主体者 私たちはすべてを出来はしない、しかし何ができるか考えてみよう

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