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かわら版No.61 “スポーツのまち、米沢”は、可能か?

いつもお読みいただきありがとうございます。

米沢市民の皆さんは、米沢市公共施設等総合管理計画を、ご存じでしょうか。おそらく知らない市民の方も大勢いらっしゃると思います。この計画は、平成29年3月に策定され、令和4年3月に見直しが行われ、現在に至っています。内容は、公共施設等の老朽化に伴う“公共施設の長寿命化”と人口減少に伴う持続可能な“公共施設の統廃合・財政負担の軽減・平準化”です。

要するに、今ある公共施設を、新しくするのではなく、使えるものを直して、役割を終えたものは削減していきます。ということです。

米沢市公共施設等総合管理計画の21頁では、

公共施設等の管理に関する基本原則
1.公共施設等の保有総量の適正化
◇ 建物系施設は、平成 28 年度(2016 年度)から令和 17 年度(2035 年 
 度)までの 20 年間に延床面積の保有総量を20%削減することを目標と 
 し、取り組みます。
◇ 原則として、建物系施設の新規建設(既存の建物の更新を除く)は行わ 
  ない
こととします。
◇ 既存の建物系施設の建替えや大規模改修等を行う場合には、機能を維持
   しつつ、統合や施設規模縮小などにより、保有総量の縮減を図ります。 ◇ 既存の建物系施設の建替えや大規模改修等を行う場合には、一つの土地  
   や建物に複数の施設を集める複合化
に取り組みます。
◇ 整備後の年数が経過し、本市が行政としてサービスを提供する役割を終
 えたと考えられる施設や、 現在は民間でも同種・類似サービスの提供が
 行われている施設は、用途転換や廃止
に取り組みます。

米沢市公共施設等総合管理計画の21頁

上記が、基本原則ですが、要するに、新しく建てないことを前提に、全体で公共施設の延床面積の保有総量を20%削減するというものです。

【参照】
米沢市公共施設等総合管理計画(令和4年3月見直し)

https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/category/shisei/3/4/10/1/4766.html

この中には、米沢市の公共スポーツ施設も含まれます。

この米沢市公共施設等総合管理計画には、それぞれ分野ごとの個別施設計画があり、令和3年6月に策定されています。令和12年(2030年)までの具体的な対策内容や実施時期、対策費用の概算について記載し、公共施設等の効率的な管理を進めるためのおおよその計画となっています。

公共スポーツ施設に関する個別施設計画は、④スポーツ施設編です。対象施設一覧は④スポーツ施設編の2頁、個別施設の状態一覧は④スポーツ施設編の12頁、個別施設の対策方針は④スポーツ施設編の18頁にそれぞれありますが、各スポーツ施設において、令和6年8月現在において、大きな決定がなされ今後の具体的計画が示されるまでには至っておりません。

【参照】
④スポーツ施設編

https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/material/files/group/3/4_sports.pdf

先日開かれた、8月16日の米沢市議会・総務文教常任委員会の閉会後、当委員会と米沢市教育委員会スポーツ課による公共スポーツ施設の今後の在り方についての意見交換会・勉強会がありました。その中では、ざっくばらんな議論がなされましたが、各スポーツ施設の状況、各議員の考え方、米沢市の財政状況等の諸事情により、議論が収束することはありませんでした。

さて、現在米沢市は、今年度から来年度にかけて、まちづくり新総合計画(令和8年度から10年間における米沢市のまちづくりの最上位計画)を策定しています。この中でも、スポーツ振興と通じた公共スポーツ施設の在り方を位置付けるべきです。

“スポーツのまち、米沢”は、可能か?

スポーツ振興において、環境整備は不可欠です。そしてお金・財源も必要です。何より、こういった限られた施設、財源、そしてステークホルダー(スポーツ団体などの利害関係者)が多数いる場合には、決断するリーダーシップが必要です。

米沢市の市営体育館には冷房設備はありません。野球場は、市営皆川球場は修繕整備の先送り、市営西部球場は軟式野球のみ利用可、八幡原緑地野球場は整備不良個所が散見される状況。テニスコートも十分な施設面積はそもそもなく、八幡原緑地テニスコートはコートが経年劣化のため一部使用不可であり夜間照明は点灯せず。市営プールもシャワーは冷水のみ。などなど、米沢市の公共スポーツ施設は、ぱっとしません。

“スポーツのまち、米沢”は、可能か?
現在においては、なかなか難しい状況です。

米沢市長のリーダーシップのもと、公共スポーツ施設の今後の在り方を中長期的な戦略的ビジョンを持って強く前に進めてほしいと思います。

この度も最後までお読みいただきありがとうございました。

かわら版No.61

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