見出し画像

#2 映画『スウィート17モンスター』の主人公が、昔の自分だった。

ちょっと前から気になっていたケリー・フレモン・クレイグ監督の青春映画『スウィート17モンスター』。ここ何年かでアメリカの青春学園ドラマに飽きてきてしまった21歳だが、昨夜はぼーっと映画を観たい気分だったのでNetflixで観てみることに。

ーーーーーーーーー 一部ネタバレを含みます ーーーーーーーーーーーー

主人公である高校2年生のネイディーンは、小さい頃から自分を悲劇のヒロインだと思い過ごしていた。幼稚園では周りの子供たちにいじめられ、家では何事においても完璧な兄・ダリアンだけが母に好かれており、自己嫌悪に陥る日々だった。唯一の親友であったクリスタがいつも心の支えだったが、ある日彼女が敵視している兄・ダリアンと付き合っていることが発覚。彼女とは絶交状態となり、味方であった父も4年前に他界。独りぼっちになった虚無感からどんどん言動が空回りしていき、ネイディーンに気のある隣の席のアーウィンや母との関係も上手くいかず…

思春期特有のむしゃくしゃした感情が溢れ出した青春ストーリーである。

「昔の自分みたい…」

私は昔から「誰も私の事を理解してくれない」と思い込み(めっちゃイタい…)、自分の悩みや不安を他人に打ち明けることができなかった。その分、一人で全てを解決しようと必死になり、一人で空回りした行動を取っていた。まさに、ネイディーン。世界は自分を無視しているのではないかと妄想し、そんな事を考えてしまう自分自身も好きなれないのである。

しかし行動のフィールドが広がり、様々な経験と人との出会いによって、以前より自分を客観的に観察できるようになった。その結果、この映画をみて「昔の自分みたい…」という感想を抱いたのだと思う。あの頃より大人になったからこそ、ネイディーンをみて「若気の至りだなぁ」なんて思えるのである。

青春ストーリーを観るのは、若いうちだけ。なんて思っている人も多いかもしれない。しかし、意外と観てみると主観的にも客観的にも〈あの頃の自分〉を回想でき、「私にとっての青春」は何だったのか思い返すことができるかもしれない

あの頃の自分がネイディーンに出会っていたら?

きっと、自分の鏡を観ている様なものだ。こんな人間に共感してしまうなんて、なんて貧しい心の持ち主なんだろう自分、なんて思うのだろうか。

それでも、あの頃の自分は彼女から何も学ばないだろう。

とにかく捻くれていた私の事だから、特に最後のハッピーエンドなんて、クソッタレ人生にさよならポンポンである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?