「胸糞の悪いミステリー」のレビューその3

ボール箱(シャーロック・ホームズより)

1.主要人物(5人)

ジム・ブラウナー:犯人。船乗りで頭に血が上りやすい性格。
メアリー・ブラウナー(カッシング):ジムの妻で被害者の一人。カッシング三姉妹の三女。
アレックス・フェアベアン:メアリーの不倫相手で被害者の一人。
セアラ・カッシング:カッシング三姉妹の次女。ある意味黒幕。この事件のために重い脳障害にかかり倒れる。
スーザン・カッシング:カッシング三姉妹の長女。ある意味被害者。

2.あらすじ

 ジムが不倫した妻メアリーと間男アレックスを殺害し、二人の耳の切り取ってセアラに送りつけようとしたら、彼女は引っ越していて姉のスーザンに届いてしまった。スーザンは送られてきた耳が何を意味するのかさっぱり分からず、とりあえず警察に届け出た。警察から呼ばれたホームズは、切り取られた耳の一つがスーザンの耳とよく似ていることを手掛かりに、送り主である犯人を突き止めた。
 逮捕されたジムは精神的に病んでおり、自暴自棄になりながら自分が二人を殺害するに至った経緯を説明する。
ジムが供述した内容は…
・まず、妹と結婚している自分に対してセアラが言い寄ってきた。
・断ると、今度はメアリーに色々と吹き込んで、夫婦の仲を裂こうとした。またメアリーも自分に対して疑り深くなった。
・その後、セアラはアレックスという男をメアリーに紹介し、三人で仲良くなっていった。
・妻がアレックスと会っている現場を押さえ「次にまた二人で会ったら殺す」と脅した。
・それでも二人がまた会っていたところに偶然出くわしたので殺した。
・そもそもの原因であるセアラにどうしても復讐したくて耳を送り付けた。というものだった。また、殺害した二人の幻覚に悩まされており、「独房だけは勘弁してくれ、他はどんな罰でも受ける」と願い出ている。

3.胸糞ポイント

 セアラは妹の結婚相手に言い寄るだけでなく、妹の不倫相手まで斡旋している。正に鬼の所業である。そんな人物に振り回されて悲劇的な結果を迎えてしまった事件全体が非常に胸糞悪い。ちなみにジェレミー版のラストは、原作から微妙に変えている。

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