誹謗中傷は絶対に無くならない

(本稿は誹謗中傷を肯定する、またはなくす努力を否定することを意図していません)

ヒトは紛れもなく史上最強の生物だ。理由はいくつかあると思うが、その一つに高い社会性があると思う。本来ヒトはライオンに勝てないが、他のヒトが協力して鉄を作り、銃を作り、使い方を教わることで勝てるようになる。この個体同士が協力しあうやり方で幸福を最大化し、ヒトは食物連鎖の頂点に立った。

しかしもちろんこれは一朝一夕に達成されたわけでは無い。少しずつ進化の過程でヒトの個体の多くが高い社会性を持つようになったのだ。ではどうやって全員の社会性は高められたのだろうか。

答えは、社会性の低いものを排除することだ。ヒトは一緒に狩りに行かない個体、米作りをサボる個体に対し反感を覚え、さらにそういった個体を排除することに快感を得るようになった。その結果、社会性の高い個体だけを残し成功を遂げた。

それは今でもしっかりと残っている。クロちゃんが大人気なのは社会性の低いキャラクターを演じて、叩かれることで人々を楽しませているからだ。スカッとジャパンという番組もいい例だ。

これが誹謗中傷が無くならない理由である。我々は本能レベルで誹謗中傷が楽しいのだ。この快楽に全員が浸ってしまっている以上、なくすのは不可能なのだ。

と、救いようのない終わり方をしても後味が悪いので、自分なりの解決策を提示する。ただあまりに非現実的で極端なので本気で考えていないことをご承知おきください。

まず「誹謗中傷するのはクズのすることだ!そいつらには裁きを!」と言うのをやめる。なぜなら社会性の低い個体を攻撃しているという点で根本的な部分が誹謗中傷した側と同じだからだ。それにそもそも本能レベルの欲求なので悪意が自覚されていない場合も多い。よって抑止力として根絶させられるほどではない。代わりに、誹謗中傷は誰でもしうることだということを認識する。とんでもないクズ野郎でなくとも、普通の人でも十分しうる。次に我々がなぜ誹謗中傷したくなるのかを一般に啓蒙する。そしてこれから派生するものを排除する風潮を広める。お笑いなどはほとんど成立しなくなるだろう。

これでたどり着く世界は酷くつまらない。だが人を攻撃する/されるのを見て楽しんでいるのも、考えてみればかなり異常じゃ無いだろうか。

(現状では誹謗中傷している人を止めるのは最も現実的で減らすのには有効だと考えています。その努力を否定する意図はありません)

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