キャストインタビュー 立石義江さん

きっかけ

Q:初めてお芝居に興味を持たれたのはいつですか?

立石:どこまで遡るかねぇ(笑)一番遡ったら、子どもの頃、すごく本が好きだったのね。もう夏休み40日あったら40冊読むくらい本好きだった。いわゆる児童文学とかの物語が好きだったの。物語の中に入るのが好きだった。


Q:ほぉ。

立石:どの登場人物に自分が思い入れできるかとか、そういうことを考えてたので、ジャンルとしては物語が好きだったなぁ。

Q:なるほど、物語の登場人物になりたかった。

立石:あとね、国語の授業とかで、音読するのがすごく好きだったの。普通先生に当てられるとすごい嫌でしょ?でも、はいはい!って手あげて音読してたんで。うん、それがすごい好きだった

Q:そういう、本を読んだり、みんなの前で声に出してみることが、お芝居をやる最初の最初のきっかけだったわけですね。

立石:そうそう。

ベルばらノート

Q:初めてお芝居を観たのはいつですか

立石:ちゃんとしたのを見たのは、小学校6年生の時にベルばらブームが来て。私、北九州に住んでたんだけど、福岡市まで行けば宝塚のベルばらが見られるから、ものすごくおねだりしたけど、うちの親は連れてってくれなくて。でね、近所のお友達がお母さんに連れてってもらうって聞いて、頼み込んで一緒に連れ行ってもらったの。でも私は親と一緒じゃないから、パンフレット買ってもらえなかったのよ。でね、友達が買ってもらったパンフレットに、台詞の一部が載ってて、それどうしても欲しかったから、その友達に借りて、ノートに全部書き写したの。

Q:すごい情熱ですね(笑)

立石:しかも、こないだ実家帰ったらそれが出てきてびっくりした (笑)「マリーアントワネットはフランスの女王ですか?」って書いてあって(笑)当時一緒にはまってた友達と、そのノート見て、声に出して読んでたの。

Q:もうその時点で役者デビューしてますね(笑)

立石:そうだね。もうすでに本読みみたいなことしてたわね 。「じゃあ次は私オスカルね」って言って役チェンジしたりとか。

Q:ベルばらを観てどうでした?

立石:うーん、宝塚だったから、お芝居が面白いというよりも、その華やかさに見とれてたけど、なぜか宝塚に入りたいとか、ミュージカル的なものをやりたいとは思わなかった。お芝居を直接見て、やりたいきっかけになったなとは思うけどね。

空白の2年

Q:具体的に舞台に立ったのはいつですか

立石:中学の時からずっと演劇部(笑)中、高、大ずっと演劇部だった。で、社会人になって、一応バブリーな時代だったので、まともに就職して2年ぐらいお芝居止めてたかなぁ。まあ芝居で食べていけるわけじゃないし、就職先はいくらでもあったから、キャリアウーマンになってやろうと思って、就職して2年くらいやってたけど。でもやっぱりお芝居がしたくなっちゃって。で、福岡で何かお芝居できるトコないかなあと思って探してたの。

Q:お芝居やりたくなったんですね?

立石:やっぱりお芝居やってないと自分が持たないなーって。働いてるばっかりじゃ身がもたねーよって感じで。で、どこでお芝居やっていいかも全然わかんなくて。その時に、ある劇団がオーディションやるって言ってね。それに参加してみたんだけど、その時まだ仕事してたから「あー劇団には入れないなぁ。」ってなったの。で、そのオーディションでは受からなかったんだけど。そしてその後ね、その時の審査員の一人が、自分の劇団で作る作品に出てほしかったらしくて、私に連絡をしてくれたの。

Q:電話で?

立石:そう、全く喋ったこともない人が突然連絡してきて(笑)で、じゃあやりましょうか?って言ってそして福岡で初めて立った舞台がイムズホールだったの。

Q:いきなり大舞台ですね。

立石:いきなり大きい舞台だったねぇ。まあ、その時にいいチャンスをもらったかなーっていうのがあって、それで、福岡で続けることができたのかなって思う 。

バランス

Q:先ほど仰ってた、子供の頃から物語の中に入りたい、物語の中の人になってみたいっていうのは、今お芝居やられてる理由と、繋がってるんですか?

立石:繋がってるし、多分それが自分のバランスになってるんだろうなーと思って。

Q:バランス?

立石:違う世界に入ることとか、表現することとか。まあ今落語とかもやってるんだけど。何かわかんないけど、何かをお客さんに届けらることと、ごく普通の日常生活が、両方あることが、まあ多分自分の中のバランスになってる。

Q:なるほど。

立石:あんまり情熱とかっていう感じではなくて、なんだろう、そこまで含めて自分の日常かもしれないなって思う。出来る限りライフワークとして何らかの形で続けていきたいなっていうのがあるかな。

守護神

Q:今、立石さんの稽古を近くで見てて、すごくイメージが強固だなっていう印象があって。立ち上がってくる 物がすごく具体的で、見てる側の想像力が掻き立てられるなと思うんですけど、お芝居をやる上で、心がけていることは何かありますか?

立石:あまり稽古はお好きな方じゃないんだけど(笑)イメージの強さで言えば、とにかくお客さんの前に沢山立ってきたことっていうのがあるのかな。お客さんにどう見せるか、どう伝えるかっていうのを考えてみたり・・・

Q:なるほど。

立石:私は実は優等生な、無難なお芝居する方だから(笑)まぁそれは誰と比べて?ってのはあるけど。

Q:あー、さかせさんが破壊神で、立石さんが守護神的な

立石:いやいやそれはあなたが言い始めたことでしょ?

不安

Q:(笑)そめごころの稽古はいかがですか?

立石:正直言っていい?これ書かないでね?物凄く不安です(笑)

Q:え?不安?

立石:だって、まだ台本にあんまり書きこんでないもん。だって、何が行きで何がボツなのかってのがわかんないから。

Q:まだ探ってますもんね。

立石:稽古の初めの方は色々エチュードとかやって楽しくて仕方なかったけど、台本覚えなくちゃいけないってことに気づいて(笑)「いやそんな直前に演出ついても、あんたたちは若いからインプットできるだろうけど、私きついよ?」っていう(笑)

Q:はたから見ると、全然不安そうには見えないですけど(笑)

最後に「オイル」について。

立石:前もそめごころさんは「オイル」やってて、やっぱり思い入れがあるだろうなぁって思いつつ、キャスティングとかもすごく考えてるだろうし。ただ、若いあなた達が何かをやるっていうのなら、私も一緒にやるし、今は思いきって乗っかってみようと思ってます。ただ、メチャクチャ不安です。

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