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小さいときから考えてきたこと

#黒柳徹子  『小さいときから考えてきたこと』

カバー装画 #いわさきちひろ 
カバー装幀 #和田誠 

徹子さんが小学生低学年の頃にたまたまチェーホフの『兄への手紙』を読んだことが、読書に親しむきっかけになったこと。
「母さん」と呼んでいた沢村貞子へ、「兄ちゃん」と呼んでいた渥美清への想い出。
ペットのSONYのAIBOとの爆笑ドタバタ。
今回も楽しい話、しみじみする話、なるほどーと爽やかな話、様々あるのだが、つらい、つらい、つらい話も。

徹子さんはユニセフ親善大使なので、世界各地でのハードな現状を日本の僕らに教えてくれる。この本ではコソボ、アフガニスタン、リベリア、、。そう、おかげで自分はアフリカのリベリアという国を改めて知ることができた。

徹子さんがリベリアにて、10歳から13歳までの3年間、少年兵だった17歳少年と対面した時、、

小柄だけど、いま十七歳になったという、その少年を私は見た。(自分のしたことが、なぜ、いけなかったんだろう。正しいことだと思ってやったのに、あれは何だったんだろう)。私は、きっと、その子がそう思っているのだろうと思った。だけどいま、誰も彼に対して責任をとってはくれない。私は、涙をこらえるのに必死だった。その子とダブって、私には、日本の軍国少年や、特攻隊の若者や、我先にと死んでいった志願兵のことが浮かんだからだった。特攻隊の生き残りで、一生涯、屈折したまま死んだ俳優の顔も浮かんだ。戦死した戦友たちに済まない、という思いが、生きている間中、彼を悩ましていたことも知っていた。彼の心の傷の責任も、誰もとってはくれなかった。
「リベリア報告」より

そして更にこの本で、太平洋戦争の影響で、徹子さん自身のまだ消えない心の傷も知る..

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