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無楽山行記ーNo Funについて

僕の部屋の一角に平積みされている大量の本。
その一番上には、『無楽山行記』と書かれた小冊子がある。
暇な時に何度も読み返したので所々に折り目がついている。

表紙の右上には、”2023 3 March 第1号”と書いてあって、思い返せば2023.06.10に京都でNo Funと対バンした時に頂いたもの。
”無楽”=No Fun で、『無楽山行記』は彼らが自主で作ったZine、内容はメンバー10人それぞれに10個の質問をしてみた、というものでメンバーのルーツや人柄が垣間見えて読んでて温かい気持ちになる。

で、なぜ僕がこの『無楽山行記』を部屋の中で最も手に取りやすい位置においてあるかというと、この小雑誌の空気感がとても好きだから。なんでこんなに親しみを感じるのかよくわからないけどとにかく、文字を読まなくてもデザインを見てるだけでホッとする。なんというかジュンク堂にはもう存在していないんじゃないか、という質感。

裏表紙にはNo FunのVo. 秋さんが書いた短い文章が載っている。
詳しくは是非手に取ってみてほしいが、「文字の保護者」を自称する彼は、この冊子が「主の転住」の際に起こる「断捨離ヶ原という天下分け目の戦い」を勝ち抜くことを願っている。

言葉に対する強いこだわりは彼らの曲名にも表れている。
『厳冬期』『呪われた演奏家たち』『集音遊民』硬い印象を受けるタイトルも多いが歌詞は柔らかくてストレートに心を打つ。

そして、何にもまして彼らが凄まじいのはライブ。
最初に彼らのライブを見たのは、メンバーの何人かが運営に携わっているブランドexperienc(e)がメトロで主催していたオールナイトのパーティー。前半はバンド中心、0時を過ぎてからはDJとラッパーが会場をロックしていた。

No Funはステージを使わずにフロアライブを敢行、ライブが始まった瞬間に轟音が響いた。メンバーは10人、バイオリン・フルート・パーカッションなど他のバンドでは中々お目にかかれない楽器も盛りだくさん、そして演奏中のメンバーは一心不乱に全員弾き、吹き、叩き、歌い、踊り狂っている、と同時にとても集中している、他のメンバーの主張を聞き逃さない様に。動きは無茶苦茶に見えて音は気持ちよく揃っている。

衝撃を食らいすぎて棒立ちになっていたら、Vo.秋さんが何故かフロアタムを両手で持って、上から自分の頭にたたきつけながら走ってきた、むっちゃ楽しそうだった。気づいたら自分の喉の奥から「おぉぉぉぉぉぉお!/?%&#$!!」という何とも言えない変な声が出ていた、無茶苦茶楽しかった。そこから、2回ほど対バンすることがあったが毎回、彼らは一心不乱に狂っていた、とても深く集中しながら。

なので、僕らのリリースイベントにNo Funの出演が決まった時はとてもうれしかったが、同時に謎の緊張感も感じた。彼らのライブはそれほどスリリングで、危ない。

是非、05.24  南堀江SOCORE FACTORYにて行われる
SOMAOTA&DUCK HOUSE New EP『Lost Humanity』のリリースパーティーでNo Funの凄まじい熱量を体感しに来てください。


2024/05/24 フライヤー

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