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つぶやきソリュエイ(4月18日)「御用聞き営業からの脱却」

本日のつぶやき
「御用聞き営業」からの脱却は3つの知識と3つの力がキーとなる

「御用聞き営業」という言葉があります。ITソリューション営業の世界では未熟さを表現した言葉で、客先で出た要望を社内に持ち帰り、「お客様は〇〇したいと言っています」と顧客の言葉をそのまま伝える伝言役に過ぎないセールスパーソンのことを指します。
新人の頃はどうしても御用聞き営業になりがちで、自分に自信がない間はそれでよいと思います。中途半端な知識をつけたばかりに顧客の言葉を曲解して社内に伝えてしまい、間違った解決方法を提示して大トラブルを起こすよりはましです。

ただ、ITソリューション営業の世界ではいつまでも御用聞き営業でいいというわけにはいきません。たいていのITソリューション営業の現場では顧客と直接やりとりする営業担当者と内部で提案方針や解決方法、工数を検討する提案担当に分かれています。この直接やりとりする営業担当者が御用聞き営業しかできないとすると、「お客様は〇〇したいと言っています」に対して提案担当が「それってこういうこと?」「こういう場合はどうなるの?」といろいろとツッコミが入り、それを顧客に確認する伝言ゲームが始まります。非常に時間がかかるため、聞き漏らし、聞き間違いが発生したり、顧客側が嫌になってしまって失注するといったことが起こるためです。また、顧客も「提案」を求めていることが多く、ただ要件を聞いてその通りに見積を積み上げて持ってくる営業はそのうち相手にされなくなります。

御用聞き営業からの脱却とは、こういった伝言役ではなく顧客の要望をもとに提案の全体像から細部までを主体的に作りこむことができるようになることを指します。その先には解決策の提示(ソリューション)営業があるわけですが、どうすれば御用聞き営業を脱却できるのでしょうか。私は次の3つの知識と3つの力が必要と考えています。

御用聞き営業脱却のために必要な3つの知識
①その業界の業務に関する知識
「〇〇したいんだよね」の〇〇がそもそも何なのかが理解できないと解決策の提示はできません。その業界の業務の一般的フローと各業務の意味と目的を理解しておく必要があります。
②自社ソリューションの知識
「〇〇したいんだよね」を叶えることができる自社ソリューションの機能があるのかないのか、あったとしてその仕様は顧客の要望を満たしているのかを知らないとやはり解決策の提示はできません。
③過去の提案実績に関する知識
過去、同業種、同要件に対してどのような提案をしたかということを知っておけば同じような要望に対してすぐに解決策を提案できます。

御用聞き営業脱却のために必要な3つの力
①要望の本質を見極める力
・「〇〇したい」の先にある目的(ゴール)は何かを考える
顧客の言った方法でなくても目的が明確になり、達成できる別の機能がすでにあればそちらを提案できます。
②システムの機能として実現する方法を設計する力
・パッケージシステムの場合は実際にどの機能で実現するのか考える
・開発が必要な場合どのような機能が必要か考える
実際にパッケージで実現した時に、もしくは開発した時にどのような機能になるかを想定してみましょう。それでうまく動くことがわかれば提案そのものに現実性を帯びさせることができ、顧客にも自社内部担当者にも伝わりやすくなります。
③提案全体を矛盾なく設計できる力
・その要望を実現した結果、他の要望に影響が出ないかを考える
①②は個別要件への対応ですが、③は案件全体に関する能力となります。提案の全体設計にあたりヒアリングした顧客の各担当者が口々に言う要件のすべては必ずしも整合性がとれているとは限りません。経理の担当者Aが言ったことを実現しようとすると営業の担当者Bの要望が実現できないといったことなど日常茶飯事なのです。これらを整理して矛盾点があれば顧客側の代表(プロジェクトマネージャ)に確認することができるようになればかなりの提案能力が身についたと言えるでしょう。

もちろんこれでセールスパーソンの能力として完璧というわけではないのですがとりあえず御用聞き営業を脱却するために必要なことを述べました。これらを実現するだけでもかなり難しく習得するまで何年もかかりますが、最初から意識しておくだけでもその後の成長に大きく違いが出ます。ITソリューション営業を目指す人にはぜひ意識してほしい内容です。







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