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つぶやきソリュエイ(1月7日)「ERPに求められるもの」

本日のつぶやき
今ERPに求められているのは「組織ボトムラインへのケア」

ERP(※本コラムではERPは「統合経営管理システム」という位置づけ)という言葉が世の中に出るようになって30年が経過しました。ここ数年ERPに求められるものが変質してきています。

ERPの前に、業務システム全体の説明から入りますが、業務システムの成り立ちは、まず手作業、紙保存であった業務記録を電子化する、個別業務のシステム化からスタートします(今でいうデジタリゼーションや、デジタライゼーションの一部)。これらは人、業務グループ、部署単位で行っており、主な目的は情報の記録と手作業の軽減でした。その個別業務システムをさらに活用するため、部署間で連携(例:購買→在庫管理、販売管理→会計)するようになり、ボトムアップ型の統合システムとなっていきます。この統合システムの情報から経営者は次の意思決定をするようになるのですが、ボトムアップ型の統合システムでは経営者が欲しい(もしくは見るべき)情報が不足していることがあり、「経営」管理システムとしては不十分というケースもしばしば見受けられました。

そこで登場したのがERPです。ERPは経営者が求める情報を正確かつタイムリーに把握することを第一の目的とし、バラバラに構築されていた業務システムやデータを統合するだけでなく、経営者が判断するための情報(主に分類・集計用)を入力の末端から連携させるトップダウン型の統合システムです。結果、経営情報の末端(ボトムライン)にいる担当者の負担が増えるようになりますが、それでも人件費の高い経営者・管理者が短時間で正しい意思決定をし、会社に利益をもたらせば、ボトムラインの担当者も恩恵が得られ、結果その会社全体にメリットが生まれるという考え方で、業務標準化や経営意思決定の早期化に役立ちました。

近年、日本の生産性の低さや人手不足に注目が集まり、「働き方改革」「業務改善」という言葉が広がってくるようになりました。この改革すべき「働き方」や改善すべき「業務」は組織のボトムラインの作業を指しており、これまでのERPの考え方ではこの問題に対応できなくなってきました。
すでに対応が始まっているソリューション、ベンダーも出てきていますが、これからのERPは従前の「高い業務フローカバー率」や「経営意思決定に関わる情報の一元管理」だけでなく、組織ボトムラインのための
 ①UI・UX
   画面の見やすさ、入力のしやすさや補助、情報検索の利便性向上
 ②外部連携
   EDI対応や一括データ登録機能の向上
 ③自動化、二次活用
   自動化ツールの活用、社内SEや市民開発者の増加への対応
という点をケアしていく必要があるでしょう。

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