見出し画像

つぶやきソリュエイ(9月15日)「長期醸成案件への対応」

本日のつぶやき
ソリューション営業に数年単位の長期案件はつきもの、情報収集ステージの会社に売りっ気を出すな

企業は自社の基幹システムをよほどのトラブルがない限り最低でも5年は利用します。これはソフトウェアの減価償却期間が5年のためです。成長過程にある中小企業などは数年の間に新たなビジネス展開に着手し、業態変化による現行システム機能不適合なども発生するため、5年を待たずしてリプレースを検討する場合はあるものの、一般的には5年はあくまで最低利用年数であり、20年以上前に構築した古い(でも頑丈な)システムをいまだに使い続けている企業も多数ありますし、最近は業務システムの寿命も延びる傾向があり、償却期間の5年を超えて利用するケースも増えてきています。

ITソリューション営業は一般的な商品販売に比べて受注金額が高い分、対案件受注率は低く、案件数も少ないため、一件でも多くの優良見込み案件を確保したいところです。システムに寿命が存在し、いずれ自社のソリューションが対象となるすべての企業が10年以内の見込み客になるわけですから、今システム導入検討をしていなくても、自社のターゲットとなりえて、システム導入に理解のある企業はできるだけ早く押さえておくべきです。

導入時期で見込み客をカテゴライズすると
①リプレース検討中企業
②リプレースのための課題が出始めている企業
③現在のシステムが安定稼働している企業
④システムをリプレース中、もしくはリプレースしたばかりの企業
という分類になります。

この時、①については純然たる営業案件ですからソリューション「営業」としてのやるべきことをフル稼働させます。
③、④についてはいつ稼働させたかがわかればそこから5年以内に検討時期がくるということだけ把握しておきます。
②はライバル会社のアプローチがなければ(もしくは少なければ)チャンスです。展示会やセミナーなどでシステムの検討段階を「情報収集中」としている場合が多く、この段階の企業とアプローチできるようになったら将来の見込み客として自社を売り込むチャンスとなります。

この時に直接的に自社ソリューションを売り込みに行くのは得策ではありません。以前のブログにも書きましたが、顧客は「自身の望まないもの(=検討前のソリューション)」を売り込まれたとき営業に対して大きな嫌悪感を抱きます。したがって顧客といい関係を保つためには「ITソリューション構築に関係はするものの、自社システムの売り込みとはあまり関係がなく、一般のユーザがあまり知らない情報」を提供します。例えば
・システム導入の成功事例や失敗事例
・ベンダー決定前、後の社内整理の工程や注意点
・検討、構築体制の作り方
・最近の技術の活用事例
などです。
この辺りは自社の構築担当や協業しているコンサルタントなどと情報共有することができれば概略をつかむことができ、書籍よりも現実的かつ最新なので顧客にも喜ばれます。ソリューション営業であればこれくらいの説明資料はいつでも紹介できるようにわかりやすくまとめて持っておきましょう。
②の状態の会社にアプローチするときについでにその会社の状況を知ることができれば、そもそも提案にあたりリスクはないのか?提案の際にどういったことが喜ばれるのかといった情報をつかむことができます。ここで信頼を得ることができれば採用される可能性も高くなります。

これらの情報提供をする際にはしつこいくらいに営業活動でないことを主張します。
「私は営業担当ですが、今日は営業活動ではありません」
「これらの情報を企業に紹介することによってどこのベンダーに決まったとしても両社のトラブルを減らすことができます」
「私どもITソリューション営業は現場の方の課題を聞くことがとても勉強になるため、むしろ私どものためにお話をお聞きしたいのです」
顧客も「そうはいってもゆくゆくは営業したいからこういうことやってくれるんでしょ?」ということは十分承知しています。それでも自社ソリューションの説明は求められない限りこちらからは切り出さないことを徹底することでより信頼が得られるわけです。「無料で貴重な情報を教えてやっている」などと考えるなんてもってのほかです。ここは営業担当にとってむしろ学びの場であることと人柄と知識を売り込むありがたいステージと思うべきです。

この活動はユーザにとってもメリットがあります。
必ずしもその会社のソリューションを選定しなくてもよい状態で
・有益な情報がリーズナブルに入手できる
・将来リプレースする際に有力な候補先の実力を測ることができる
ソリューション営業であればこのような双方にとってメリットのある活動を心がけていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?