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つぶやきソリュエイ(8月2日)「営業と有償の境界線」

本日のつぶやき
営業活動と有償作業の切り分けポイントを作って事前に説明しよう

私は以前からソリューション営業はショートタームのコンサルティングだと主張しています。営業担当者は経験を積むとそこそこのコンサルティング能力が培われ、その提案力で顧客の信用を得て受注するといったことも少なくありません。そうなると営業活動の途中で、今やっていることが営業活動(無償提供)なのか本来有償であるべきコンサルティングなのか線引きが難しくなってくる場合が出てきます。
導入費用の見積を依頼されたが、社内の要件がまったく固まっていない。社内に取りまとめできる人材もいない。外部コンサルに依頼するほどの予算もない。こういう案件が最も切り分けが難しく、ヒアリングしているうちにずるずるとコンサルティングをやってしまっているといった状況に陥りがちです。

明らかに要件が固まっていない場合、有償見積という考え方があります。
わかる情報だけで見積りすると隠れている課題が導入工程のどこかで露呈し、大幅な導入費用増加、期間延長のリスクを負わなければならなくなります。そこで
「このままだとどのベンダーと契約しても後から費用が増す可能性が高く、トラブルになりますよ。」
「ちゃんと要件を整理しないと各ベンダーの営業のとらえ方に大きく依存することになり前提条件の異なる見積が出てきます。正しい比較ができずに誤ったベンダー選択をしてしまう可能性が高いですよ。」
「私の方で時間を設けて各部署にヒアリングしてまとめます。そのうち貴社固有のものと一般的なものに分類、やるべき優先度の提案もします。ただしこれは営業活動とは異なるので有償での対応となります。」
と説得して有償で見積します。

費用は実際導入時のコンサルタントが実施する時間単価の50%~100%の範囲で難易度に合わせて変えていきます。また、受注した場合はその何割かを費用から値引く約束をすると顧客側も受け入れやすくなります。
有償の場合は、簡易的と言えどもコンサルティングを行うわけですから
・自社の専門用語を利用せず、一般用語を利用する。曖昧なものは定義説明もつける。
・自社が知りたい内容だけでなく、システム化範囲全体を網羅する。
・成果物を作り、要件一覧など内容によっては他社への公開もOKとする。
とします。

私の考える、無償か有償かの境界線は
自社の見積、提案のためにするのか?お客様のためにするのか?です。
具体的には
①自社の見積、提案のために行う調査・確認作業
②自社ソリューションアピールのための説明
③自社ソリューションを導入する際にトラブルになりそうなところをあらかじめ潰しておくための整理、説明
④契約に関連するものを除いて、ドキュメントの内容は法的な責任を負わない
⑤提案した資料は競合他社へ開示しない
⑥基本的に営業担当だけで作業できる
であれば無償とします。

パッケージシステムの場合は多少相手側の要件が固まっていなくてもここだけ押さえればリスクを考慮した見積が作成できるという質問リストを作ることができますが、受託開発の場合は案件のつど要件が大きく異なるため、なかなかそのようなリストは作ることができません。この場合は「〇〇時間まで」「打合せ〇回まで」「見積作成が目的、相談は別」といった条件を作っておきます。それを超えても無償対応を要求してくる顧客はリスクしかありません。きっぱりと断りましょう。

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