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インタビュー~GM辻井翔吾~

〇GM: 辻井翔吾 / Shogo Tsujii

1991年7月1日生まれ、星稜高校中学・高校卒。本田圭佑が星稜高校3年の時に中学1年だった辻井が同じサッカー部で出会いカンボジアで再会した。本田とは日々情報交換をしており、カンボジアに詳しい辻井に対し本田は様々な質問をしているという。辻井は本田が実質的な監督として初采配となった、2018年9月10日のサッカーカンボジア代表(マレーシア戦)にも帯同した。

〇回答者:SOLTILO Angkor FC GM 辻井翔吾
※質問者:インターン生 川原満雄

ーカンボジアでクラブ運営をするにあたっての面白い点はなんですか?

辻井『大きく二つあって、一つ目は、国つくりに関われることだね。カンボジアはまだ小さいから、サッカーと言えど活動がダイレクトにカンボジアに知れ渡る。だから、サッカーを通してダイレクトにカンボジアの発展に貢献することができる。具体的には、試合前、後のスタジアムのゴミ拾いプロジェクトとパブストリートでのゴミ拾いをやった。そしたら、それがニュースになって、カンボジアビールがプノンペンにゴミ箱を設置してくれた。それで、みんながごみをポイ捨てせずにゴミ箱に捨てるようになった。ごみを自分で捨てるっていう習慣つくりに貢献することができたってのは嬉しかったね。
 二つ目は、0から1を作ること。カンボジアのクラブはプロクラブの歴史が浅いから、ハード面、ソフト面ともに整ってない。まっさらなところから自分たちの力で作っていく。ファン、選手もいない、環境も整っていないところから仲間と作り上げ、それを喜んでくれる人を目の前で見ることができるのがとても面白いよね。それと、カンボジアではサッカーは娯楽という意識が強くて、仕事とは認識されてなかった。だから、口と行動の両方を使って、プロフェッショナルの意識を持たせるようにしたね。サッカーでカネを稼げんだよって教える。そのときのカンボジア人の反応はすごい嬉しそうだったね。
 とにかく0から1をつくることは大変で厳しいということ。でも、だからこそ価値があるし、楽しい。ま、くそ変態の集まりってことやね(笑)。』


ー「サッカーで世界中に夢と希望を与え、感動させ続ける」という経営理念をお持ちですが、具体的にはどのように夢や希望を与え、感動させ続けるのでしょうか?

辻井『難しい質問だね。理念にも掲げていることだし、常にどうやったら夢や希望を与えられるかを考えている。
 強く感じていることは、期待を上回るような結果を出し続けること。例えば、今シーズンうちが優勝するって誰も期待してないと思う。カンボジア代表選手がいるわけじゃないし、素晴らしい施設を持ってるわけでもないからね。でも、だからこそ優勝したいし、全く代表に縁のない選手たちを代表に送り込みたい。
 才能がない選手や夢を諦めかけている人たちに本気でやればできるよって伝えられたら最高やね。
 この前、日本に帰国したとき、地元の友達に「20代でGMになれるって夢あるなー」って言われたことがあって、こういった小さなことでも夢を与えたいと思ってる。』


ー辻井翔吾さんにとって、GMとはどのような仕事でしょうか?

辻井『チームのポジションはどうでもいい。目標達成のためにみんなで補い合いながら、自分の強みを最も出せるポジションで活躍すればいいと思っとるね。ただそれだけ。肩書はあんまり必要ないよ。』


ー最後に2019シーズン、「チームのここを見てほしい!」というポイントを教えてください。

辻井『ダサいけど、団結力やね。プロは個人の結果を求めがち。結果出さんと生きていけれんからね。でも、隣の選手がいいパスを出してくれないと自分が点を取れない。お互いが活かし、活かされているのがクラブ、会社だと思ってる。それを達成することが結果として個人に還元される。「自分よりまず相手をどう輝かせるか」ってことを考えられるチームを作っていきたい。だから、ファンやスポンサーのことを第一に考えとるよ。それがまわりまわって自分たちを高めてくれると信じてるからね。、今年のSOLTILO Angkor FCはこれまでのチームの中で一番距離が近い。ファン、スポンサー、選手、スタッフ。それは自信があるね。お互いがお金の関係を超えてる。それがピッチで現れるって確信してるし、そこを見てもらいたいね。』

ーありがとうございました。








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