マツ耐筑波ラウンドで念願の総合優勝!
どうもエンヤです。
7月27日に開催された『マツダファン・エンデュランス(マツ耐)第3戦茨城ラウンド』のTuned系クラスにて、総合優勝を果たしました!
今回はそのレースのレポートです。
■そもそもマツ耐ってなに?
マツ耐、みなさんご存知でしょうか。
マツダ車限定で参戦でき、正式名称を『マツダファン・エンデュランス』というこのレース。2時間半を無給油で走り切るという狂った(褒め言葉)レースです。
2時間半ひたすら燃費と戦うというレースの特性上、速ければ勝つという単純なものではなく、燃費と安定感、セーフティカーなどいろいろな要素が絡み合います。
近年はそのお手軽さからエントリー台数も増え、今回の筑波ラウンドにはなんと52台もの車両がエントリーする人気レースとなっています。
NA/NBロードスター、NCロードスター、NDロードスター、デミオなど車種ごとにクラス分けされ、さらに改造範囲によってTunedとNormalに分けられます。
総合順位だけでなく、ロードスター以外の車種での総合、クラスごとの上位も表彰対象になることから、さまざまな車種にチャンスのあるレースとも言えますね。
■マツ耐第3戦は灼熱の筑波サーキットラウンド
7月27日(土)、28日(日)に筑波サーキットでマツ耐第3戦栃木ラウンドが開催されました。
まさに灼熱筑波。連日35度を超す猛暑のなかレースが行われました。
27日はTuned系、28日はNormal系が集うレース。それぞれ車種によりクラスが分かれます。
私は27日に開催されたTuned系のクラス、NDロードスターで参戦しました。
車両は九州・熊本にお店を構えるロードスターショップ、アウトデルタが作成した『ADR MOTULロードスター』。
ドライバーは、アウトデルタ社長の森岡秀樹さん、マツ耐参戦歴10年のベテラン向山繁喜選手、S耐NOPROデミオの激速ドライバー小西岬選手という強力な布陣。
そこにただのシミュレーター小僧の私が仲間入りさせていただき、4人で戦います。
■練習走行はしっかりと
レース前日、26日に筑波入りし、練習走行を行います。
筑波はグランツーリスモ、iRacingで走り込んでいるとはいえ、現実世界ではもちろん初めて。
コースに慣れるべく、金曜日のスポーツ走行で練習を開始しました。
いざコースイン。
眼前に広がる世界は、慣れ親しんだ筑波サーキットの景色です。
“これシミュレーターでやったことあるやつだ!!”
1枠20分という限られたを使い切るため、最初から全力プッシュします。
フランスのラリーや全日本ラリー、S耐で活躍中の川名賢さんが出したターゲットタイム、1分9秒前半を目指しました。
1枠目、2枠目と連続で走行し、1分9秒5というまずまずのタイムをマーク。最終3枠目は燃費走行のデータを取りつつ、最後に2周だけタイムアタックを敢行。
1分9秒4までタイムを縮めることに成功しました。
(ダンロップコーナーでマシンが暴れたので、それがなければ、、、、)
■予選2番手を確保
あいも変わらず酷暑の土曜日、ついに決勝日を迎えます。
予選は小西選手から向山選手に繋いでもらう作戦に。
ここはさすがS耐ドライバー、小西選手が3周でタイムをマークし、向山選手に交代。向山選手はクルマへの慣れと燃費走行のデータ取りに専念します。
結果、2番グリッドを確保。
ポールポジションはチームメイトのNCロードスターと相成りました。
■スタートドライバーを担当!
予選後の激論、殴り合い、話し合いの結果、エンヤがスタートドライバーとなります。
まじかよ、、、
緊張から眠気に襲われながらも、こういうときステアリングを握ると、意外と冷静になるのは人間の性なのでしょうか。それともレーサーとしての自覚が芽生えてきているのでしょうか、、、?
あれよあれよとことが進み、気づいたらフォーメーションラップが始まっていました。
■2番手スタートからの初体験
チームメイトのNCが1列目の内側、2番手のエンヤは外側からスタートを切ります。
「列が落ち着くまではフルプッシュで!」というマツ耐ベテランの向山選手の言葉を信じて、NDに全開の鞭をくれてやります。
そして1コーナー、アウト側からNCを交わし、ホールショットを奪います。
まじかよ、、、
実車レースで初めてエンヤがラップリーダーとなります。
気持ちは全盛期のベッテルか昨年のフェルスタッペンか、あるいはミハエルか。
しかし排気量に勝るNCを数台従えての走行ともなれば話は別。1秒前後で後続も続いてくる展開に自然と緊張感も増していきます。
それでも、“ここで後続のペースを抑えておけば、レース後半の展開が楽になるはず”という気持ちのもと、酷暑の筑波サーキットを走り抜けるエンヤ。
楽しさと、緊張と、プレッシャーと、おそらく人間が感じることのできる感情の全てを感じながら走行を重ねていきました。
ラップダウン車両も早々に登場。筑波入りする前にiRacingのIMSAシリーズに出ていたので、LMP2マシンでGT3を交わす感覚を思い出しながら走行していきます。
スティント中盤。後続のマシンが痺れを切らして前に出ます。そんな状況でも慌てず騒がず、想定通りの燃費とラップタイムを刻み続けるエンヤ。
しかしながら、ここは酷暑の筑波サーキット。暑さとメンタルが振り切れそうになるギリギリの走りになります。
普段クーラーの効いた部屋でSIMをプレイしているモヤシっ子には過酷すぎる環境。スティント後半はとにかくミスをしないように自我を保ちつつ走り切ることだけを考えていました。
そして27周終了時点でピットイン。向山選手へと交代します。
■超過酷! 真夏のレースの後遺症
俗に言う“熱中症”というやつです。
マシンを降りて、集中力が切れ、完全にやられたエンヤはチームスタッフの助けを借り、クーラーの効いたサービスカーへ。
手足の痺れを感じながら30分ほど項垂れていました。
介抱してくれたチームスタッフのみなさんありがとう!!
■エンジニアとしてのエンヤ
ベテラン向山選手が安定した走行を重ねるなか、熱中症からカムバックを果たしたエンヤ。次なるミッションはドライバーと無線交信をするトラックエンジニアです。
燃費とラップタイムをみながらピットインのタイミングをはかります。
レース後半、向山選手からS耐ドライバー小西選手へとバトンタッチ。最後のダブルスティントを託します。
この時点で実質の3番手、クラス優勝が狙える位置につけます。
セーフティカーが出ない落ち着いた展開となり、最後のピットインもアンダーグリーンで行います。
が、トップのライバルが残り1回ピットを残している時点でSC導入! SC中にピットを済ませることによりロスタイムを減らしたライバルチームが悠々トップでコースに復帰します。
まじかよ、、、
万事休す。
■まさかの大逆転劇へ
ピット勝負に負けた、2位で終わりかと思っていた矢先、小西選手がライバルよりも5秒速いタイムを刻みながら周回を重ねていきます。
これはいける。勝てるぞ。
レース残り10分。トップとのギャップとラップタイムの差をみて、勝負をかけます。
残り2周。トップNCの後ろにピタリとつけた小西選手。「ストレートで離される!」といいながらも、コーナリングでは食らいついていく。
そして運命の最終ラップ。
1コーナーでインからパスし、総合トップに浮上します。
そしてそのままフィニッシュ! 見事マツ耐Tunedクラス総合優勝を果たしました!
■今回のまとめ
エンヤとしては昨年の岡山2レース、今年4月のSUGOと続いて4回目のマツ耐挑戦となりました。
実車レースデビューの岡山ではNCを駆りクラス2位。
そして翌日はDemio Normalクラスで優勝。ロードスター以外総合3位で表彰台登壇。
SUGOではNDに乗り換えTuned NDクラス優勝と出来すぎなぐらいの成績を収めることができていました。
そして今回、なんと総合優勝。これ以上ない結果を手にしてしまったのです。
自分としてはSIMでのドライビングと実車でのドライビングに大きな差がなく走れたことが自信につながり、チームとしては車両の完成度と燃費のデータが合わさり、これはいけるかもしれないという手応えがありました。
チーム全体が完璧な仕事をし、向山選手と小西選手が最高の走りを披露してくれたおかげで総合優勝というこれ以上ない結果を出すことができたと思います。
ありがとうございました!
■次回予告的ななにか
バーチャルtoリアルを肌で体感し、総合優勝という結果が出た今回。
SIMと実車って何が違うんだろう?
SIMってどこがすごいんだろう?
いろいろなことを感じることができました。
次回の記事はこのマツ耐参戦で感じたことを連ねてみようと考えています。
ということでエンヤでした。
次回もよしなに。
Photo by 松永和浩
X:@NorthWoodCore
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