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すべてはセットとセッティングだ

「すべてはセットとセッティングだ」

年頭にいろいろ読んだウェブ記事の中で最も印象に残った記事がこれでした

「セット」とはあなたの精神状態、期待や不安、興奮あるいはリラックスしたそのマインドセットのことだ。「セッティング」とはあなたの身体が置かれた状況、取り巻く周囲の人々や環境、そのコンテクストのことだ。あなたが何であれ変性意識を追い求めるなら、行きつく先がマトリックスだろうとウサギ穴だろうと、そこに至る道を決めるのは、セットとセッティングだ。そのことを、ぼくたちは痛いほどよく経験してきた。Have a Good Trip!

自立分散型社会へのセットとセッティング:新年に寄せて編集長から読者の皆さんへhttps://wired.jp/2022/01/01/editors-letter-jan-2022/

もちろん、記事中にもあるようにこれは映画「Matrix」の中のモーフィアスのセリフ。これは最新作「The Matrix Resurrections」の中で、過去のシーンの記憶(引用)として出てきます。

「すべてはセットとセッティング」
これは個人にとっても、そして組織にとっても今年の重要なキーワードになる気がしている

自身のマインドセット、そして周囲のコンテキスト、この両方が揃っていないとしっくりこない。でもようやくいずれも条件が揃ってきたのが2022年

ウェルビーイング、メタバースといったキーワードから、メディアやコンテンツを取り巻く状況、さらには自分のワークスタイル、ライフスタイルまで、共通するコンセプト

参考になる「The Matrix Resurrections」評を列記します

1999年のマトリックスと2021年のマトリックスを比較すること。そして、そのズレを正しく認識すること。情報化社会の本格的な到来によって、社会の価値観が、それこそ鏡のように反転する中、その幻惑的で幻覚的な鏡の中で、いかにして自主的に、自律的に生きるのか。マトリックスのからくりを全て知ったネオとトリニティが最後にとった選択は、だから必ずしもマトリックスの中に限られたことではない。

これは確かに7周目の〈進化〉したマトリックスである:『マトリックス レザレクションズ』池田純一レヴュー
https://wired.jp/2021/12/29/the-matrix-resurrections-junichi-ikeda/

過去の3部作から本作への跳躍は、上座部仏教から大乗仏教に展開していった仏教の歴史とも何となく重なります。誰でもブッダになり得るし、また、ブッダになったはずの人がまたマトリックスの中に戻ってきてしまうこともある。ネオがかつてのことを忘れて、気づいたらまたマトリックスの中にすっかり取り込まれてしまっている。でもまた、目覚めることもある。この辺りは、ループというモチーフも関係してきますね。

僧侶・松本紹圭が『マトリックス レザレクションズ』に見る仏教との共通項
https://qetic.jp/interview/matrix-shoukei-matsumoto-211229/421092/

アクション映画としては、Lana Wachowski(ラナ・ウォシャウスキー)監督の作品はめちゃくちゃで、崩壊寸前だ。(筆者は口直しに「コマンドー」を観た)。しかし、そのあやしい出来映えはともかく、この映画が描く混乱こそがメッセージなのだ。この映画には、私たち自身と現代のジレンマが不穏なほど正確に描かれている。監督は、私たちが、世界をではなく、自らが課した限界を疑えば、もっと多くのことができると思っている。その信念が、監督が提案する「赤いピル」なのだ。

【レビュー】映画「マトリックス レザレクションズ」はテクノロジーをうまく解釈、描いているが駄作
https://jp.techcrunch.com/2021/12/29/2021-12-27-the-matrix-resurrections-is-a-bad-movie-but-it-has-a-good-take-on-tech/

「The Matrix Resurrections」に込められたメッセージを抱いて2022年に向き合いたいところです


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