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行きつけの店

2月15日(晴、強風)

私には京都と大阪、東京に行きつけの店がある。ひとりでふらっと訪ねてでも食べたい味や見たい顔がある。

京都のお店は、料理を作りお酒を選ぶだけでなく器選びまで担う大将と、気のいい山本さん(女性)が切り盛りするカウンターだけの小さな割烹。大阪は、夫婦が営むこれまたカウンターだけの小さなお鮨屋さん。東京は、優しいおとうさんとの会話も嬉しい八重山料理と(ボトルも入れてある)、以前にアルバイトをしていた老舗のジャズ喫茶&バーだ。

中でも、西表島出身のおとうさんが営む八重山料理のお店は、3歳のムスメにとっての行きつけの店でもある。家で食べるご飯が大好きな家族のため、ほぼ外食はないけれど、ムスメはこのお店には時々行きたがる。

私が独身時代から通っていて、結婚したら家族でお邪魔するようになったのだが、ムスメがおとうさんのお店を贔屓にするのは理由がある。

例えば海ぶどうやグルクン入りのおにぎりを気に入っているとか、そういう理由もあるだろうけれど、ムスメが産まれたときに大きな贈り物をいただき、もはや親戚のような気持ちなのだ。本当のおとうさんのことはパパと呼ぶので、彼女にとっての『おとうさん』は、今時点ではここのおとうさんだけだ。

西表島では、結婚したり子どもが産まれたり、家を建てたりするときにこうやって祝うんよということも教えてくれた、泡盛のマグナムボトルだ。ラベルには赤ちゃんだったムスメの写真が入っている。

とにかく大きな、箱に入っていてもおめでたさが溢れ出る八重泉が開栓されるのを待っている。

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