バルタン星人のためのビジネスモデルを考えたらどうなるか

ある日、地球にバルタン星人がやってきました。

バルタン星人「我々が宇宙旅行している間に我々の母星が爆発してしまった。我々には帰る場所が無い。地球に住んでもいいか?」
ハヤタ隊員「火星に住んだらどうだ」
バルタン星人「火星には我々の嫌いなスペシウムがある。あそこには住めない」

そこでハヤタ隊員は以下のような事業モデルを考えました。

Step1. 事業モデル

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右には「困ってる人」
中央には「困っている人にプレゼントするもの」
左には「プレゼントするための具体的な方法」を書きます。
顧客は「スペシウムが苦手なバルタン星人」
提供価値は「スペシウムに怯えず快適に過ごせる空間」
方法は「火星に快適な居住空間を作る」

うまくいけばWin-Winな関係を築き、ビジネスになるかもしれないと思ったハヤタ隊員はもう少し細分化して考えました。

Step2. 4つの箱

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ハヤタは科特隊という科学の叡智を結集した組織に属していたので、
資源として最先端の科学力、日本政府から2億円ほど資金を調達できることを思い出しました。利益方程式がうまく弾き出せれば、より具体性を持って仮説が立てられそうです。

Step3. ビジネスモデル・キャンバス

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ちょうど最近、科特隊では技術的なブレイクスルーが起きており、
たった5万円の建築費用で、1人分のバルタン星人の居住スペースを確保できるようになっていました。しかし材料が特殊なため、
経費の2億円があれば4000人分までの居住区が火星に建築できそうです。
1ヶ月1万円の家賃をバルタン星人から徴収できれば、5ヶ月程度で回収できそうです。

ハヤタ隊員「君たちは何人いるんだ」
バルタン星人「20億3千万人ほどです」

Step4 現状調査を繰り返すことにより、事業モデルに修正を加える


巨大なマーケットに成長なりそうな確信を持ちつつも、
現時点での地球人の科学力では何回試算を繰り返しても、顧客に満足行く価値提供が出来ない事がわかりました。居住区建設のための材料が足りないことが分かり、人数が増えれば増えるほど収益に見合わないことがわかってきたのです。

ふと、ハヤタは自分が科特隊隊員だったことを思い出し、
自分の「本当の顧客は誰なのか」を1から考え直すことで
事業モデルを以下のように書き換え、ピボットすることにしました。

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ハヤタ隊員はこのモデルを見直すことで、
街の人の満足度向上こそが科特隊の存在意義であり、バルタン星人は企業理念からペルソナになり得ない事に気づいてしまいました。

バルタン星人は科特隊ではなくカリスマ経営者に交渉していたら平和的な結末に着地できたかもしれません。

顧客の設定や企業理念によってとるべき活動は真逆になる、ということが分かります。

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