【競馬予想Vol.18】第71回ダイヤモンドS

東京で行われる最長距離戦。向こう正面の真ん中からコースを1周半する。比較対象レースが他に無いので、過去のこのレースから傾向を探ってみる。

2021ダイヤモンドS過去10年脚質別成績

どちらかというと後方待機勢が優勢。そしてこのレースで速い上がりを繰り出した馬が軒並み上位に来ている。「速い上がりを繰り出しそうな馬」を狙えば良いらしいが、前走の上がりからは相関性を見出すことができなかった(前走上がり3ハロン6位以下からもガンガン来ている)。

2021ダイヤモンドS過去10年父種牡馬系統別成績

特殊なコースは血に訊け。ということで過去10年の種牡馬系統別成績を見てみると、ネイティヴダンサー系(キングカメハメハ、アドマイヤドン、King's Bestなど)の好走率が高いことが分かる。ロイヤルチャージャー系(ハーツクライ、ステイゴールド、ドリームジャーニー、ディープインパクトなど)は母父ニアークティック系との組み合わせで好走が多い。

2021ダイヤモンドS過去10年母父種牡馬系統別成績

一方でブルードメアサイアー(母父)を見てみると、ネイティヴダンサー系が全く振るわない。人気での凡走例も多く、'16年は1番人気タンタアレグリア(母父Stuka)が4着、昨年も1番人気タガノディアマンテ(母父キングカメハメハ)が7着、4番人気レノヴァール(母父Roy)がハナ差の4着に敗れている。

【○】父ロイヤルチャージャー系×母父ニアークティック系
サトノガーネット(父ディープインパクト×母父Victory Note)
ブラックマジック(父ディープインパクト×母父Sholokhov)
メイショウテンゲン(父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ)

自己条件の南部特別(東京芝2,400M)を上がり最速で制した格下ブラックマジック、ラストランで初のマラソンレース参戦、しかも初ブリンカーで挑むサトノガーネット、ここ2走大惨敗も昨年際どい2着のメイショウテンゲンの激走に注意。

【×】父ニアークティック系
ワセダインブルー(父ハービンジャー)

ワセダインブルーの伯父ハイアーゲーム(父サンデーサイレンス)は'05年のダイヤモンドSで1番人気に推されて4着、'06年も2番人気に推されながら6着に敗れている。

【◎】父ネイティヴダンサー系
グロンディオーズ(父ルーラーシップ)

グロンディオーズは東京で上がり最速勝ちが3回ある。

【×】母父ネイティヴダンサー系
アイスバブル(母父キングカメハメハ)
ナムラドノヴァン(母父Kingmambo)
ボスジラ(母父Mr.Greeley)
ポンデザール(母父Rossini)

ステイヤーズSでも人気を集めてそこそこ走ったポンデザールボスジラ、一昨年と昨年の目黒記念でいずれも2着に好走しているアイスバブル、中京で行われた万葉Sを制したナムラドノヴァンは母父ネイティヴダンサー系なのでまとめて消し。ホントかよ。

展開予想。ジャコマルの逃げにタイセイトレイル、ブラックマジック、ポンデザール、ボスジラ辺りが続く。全体的に後ろから行く馬が多く、馬群は縦長。レース傾向は差し優勢だが、今回は前の残り目がありそう。

◎オーソリティは青葉賞をロングスパート(上がり3ハロン2位)、アルゼンチン共和国杯を大外枠から先行先抜け(上がり3ハロン4位タイ)で制していて、距離はともかく東京替わりはプラス。今回は前が緩そうで、前付けのメリットも活かせそう。

○ヒュミドールは勝った2戦がいずれも吉田豊騎手騎乗で上がり最速。ステイヤーズSは単調な内前合戦で後ろからでは出番無し。東京替わりでまた速い上がりを使えそう。父オルフェーヴル×母父ナスルーラ系はステイヤーズS勝ち馬で昨年のこのレース3着オセアグレイトと同じ。

▲グロンディオーズは全4勝を左回りコース、いずれも上がり最速でマーク。うち3戦は前付けで制しており、今回は距離はともかく条件的に向く舞台。デカ過ぎる(過去10年、馬体重520kg以上馬は【0・0・3・26】)のが気になるが、今回唯一の父ネイティヴダンサー系ということで期待したい。

△ブラックマジックは前付けの緩いレースでしか走ってきていないが、むしろここではそのようなレース振りが活かせる。父ロイヤルチャージャー系×母父ニアークティック系の4歳馬は過去10年で【0・3・1・3】と勝ちこそないが上位には何度も来ている。初のマラソンレースが嵌るかどうか。

△パフォーマプロミスは9歳だが休養が長く今回が22戦目。中9週以上の休み明けは【4・1・2・2】でリフレッシュ直後は買い。アルゼンチン共和国杯勝ちのある東京コースはむしろ得意、天皇賞春3着の脚力から距離も問題無し。最近影が薄くなりつつあるミルコの意地を見たいところである。

△サトノガーネットは今回が引退レース。「前向きさを出すために薄いブリンカーをつける。稽古では効果を感じるので、実戦でも期待したい」と矢作師。何でもっと早くに試さなかったんだ…。追い込み一手から脱却できるならマラソンレースのここでもそこそこやれるのでは。

メイショウテンゲンは昨年の2着馬で人気が無いので馬券的には買いで良いのだろうが、馬に走る気がないというのが問題。また、ダイヤモンドS自体がリピーターレースではない(過去10年で複数回出走した馬は18頭いて、前年より着順を上げて馬券に絡んだのは'18年1着フェイムゲームと'17年2着ラブラドライトの2頭のみ)ので積極的に買いたいとは思わない。

◎オーソリティ
○ヒュミドール
▲グロンディオーズ
△ブラックマジック、パフォーマプロミス、サトノガーネット
馬複◎or○流し(9点)、3連複◎or○1頭軸流し(16点)

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