【競馬予想Vol.337】第58回関屋記念


今回のテーマ

直線一気を過信するな

過去10年、このレースで上がり3ハロン最速をマークした馬は【1・3・2・4】、単回値75・複回値136で、2020年サトノアーサーしか勝っていない。最後の直線が659Mと長くて差し・追い込みが決まり易い印象を受けるが、4コーナーで10番手以降に付けていた馬は2勝2着3回の5連対に留まる。

新潟外回りでは速い上がりを繰り出せそうな馬が買われやすいが、実際にはあまり来ていない(上がり最速の脚を繰り出しても届かないことが多い)。妙味は速い上がりの脚が無くても前に行ける馬。

母父ニアークティック系の馬に注目

過去10年、母父ニアークティック系の馬は【7・7・4・33】、単回値94・複回値99、母父ニアークティック系以外の馬は【3・3・6・98】、単回値20・複回値33。

母父ニアークティック系の馬は毎年連対していて、昨年も該当馬2頭がいずれも好走した(シュリ・12番人気2着、ダノンザキッド・2番人気3着)。今年の該当馬はアヴェラーレ(母父Harlan's Holiday)、フォルコメン(母父Storm Cat)、フラーズダルム(母父ホワイトマズル)、ミッキーブリランテ(母父Dansili)、ロータスランド(母父Scat Daddy)の5頭。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週も良い天気が続いて馬場は乾燥、連日散水を実施。含水率は4コーナー10.8%、ゴール前12.0%、日曜朝時点のクッション値は9.9。

  • 今週から開催替わりだが、前開催は4日間(2週)しかなく使用コースも同じAコースで実質3週目。土曜9Rの湯沢特別(3歳以上1勝C/芝2,000M)が1分57秒6で決着しているようにかなりの高速馬場。内が使えるので前にいないと物理的に届かない。

  • ペース想定:やや速い~速い(テン3ハロン34秒後半、1,000M通過58秒前後)

  • セルバーグの逃げにノルカソルカがどの程度絡んでくるかがポイント。このレースはスタートしてから2ハロン目が速い傾向があり、ここで競り合うと後々しんどくなる。展開的にはこの2頭を見ながら直線出し抜けそうな好位追走組。馬場が速いので真後ろからでは間に合わない。


全頭分析

【△】ディヴィーナ

(+)中京記念は前残りに抗う外差しの2着。このクラスでは力上位。
(-)昨年は出遅れて終了。毎回真後ろからの競馬で今回届くかどうか。

【-】アヴェラーレ

(+)京王杯SCは直線半ばまで前が壁で脚余す。休み明けは概ね好走。
(-)差して届かずの競馬多い。展開面よりも自力が足りていない感。

【-】フォルコメン

(+)ここ2戦は重たい馬場と洋芝。軽い芝の新潟で前に行って一発。
(-)ダービー卿CT2着は展開、リゲルS3着は内前馬場。力が足りない。

【-】コンシリエーレ

(+)芝スタートで前付けできる速さあり。番手追走から居残り注意。
(-)軽い芝の時計勝負でいきなり勝ち負け期待は酷。様子見が妥当。

【○】セルバーグ

(+)中京記念は好時計で逃げ切り。ハナを奪ったレースで大崩れ無し。
(-)今回は別定戦で背負わされる立場。ノルカソルカの出方も不安。

【-】フラーズダルム

(+)軽い馬場で上がり3F33秒台がデフォルト。位置取り次第で通用。
(-)新潟2歳S3着あるも低レベル。オープン入り後も勝ち負けが遠い。

【-】フィアスプライド

(+)エプソムCは前に出してチグハグな競馬。控える競馬で巻き返し。
(-)昨年同時期の新潟マイルで惨敗。ここで真後ろからでは届かない。

【-】ララクリスティーヌ

(+)持ち時計速め。前過ぎず後ろ過ぎずの位置から差せる脚重宝する。
(-)キャピタルS勝ちも負かした相手は弱い。マイルはこなす程度か。

【-】ミッキーブリランテ

(+)昨年3着ダノンザキッドの半兄。自身も3年前に4着あり悪くない。
(-)ダービー卿CTは2角捲りで2着も再び不振。ここも付いて回るだけ。

【-】カワキタレブリー

(+)湘南Sは大外をぶん回して差し切る。前走は大幅馬体減で度外視。
(-)重賞では嵌っても3着まで。今回後ろから行くメリットは少ない。

【-】メイショウシンタケ

(+)中京記念は直線内突くも後ろ過ぎて不発。米子Sの差し見直す手。
(-)結局ラインベックと勝ち負けレベル。重賞となると物足りない。

【-】ノルカソルカ

(+)可能な限りハナ奪って粘り込むスタイル。単騎で放置なら怖い。
(-)オープン入り後は相手緩くても3着まで。ペースメイクして終了。

【▲】サクラトゥジュール

(+)メイSは内で脚を溜めてチョイ差し。決め手はここでも通用する。
(-)前に出していくと沈む乗り難しい馬。今回構えて届くかどうか。

【◎】ロータスランド

(+)一昨年の勝ち馬。格落ち戦となる今回は前付けで十分勝ち負け。
(-)後ろから一気に来られるとしんどい。後方に構えると中途半端。

【△】アナザーリリック

(+)昨夏の佐渡Sは直線大外から豪快に突き抜け。新潟で本領発揮。
(-)毎回外を回す競馬ばかり。他にも切れ味自慢いるここは埋没懸念。

【-】ラインベック

(+)米子Sは高速馬場の内から渋太く伸びる。良馬場マイルで躍動。
(-)新潟芝では3戦全敗。極端に速い上がりの競馬になるとしんどい。

【-】ビューティフルデイ

(+)パラダイスSは開催最終週で内から差し切る。長い直線が合う。
(-)今回ベストより1ハロン長い。加速鈍くこの中に入ると埋没する。


結論

ロータスランドは一昨年のこのレースで先行勝ち。負かした相手はカラテ、ソングラインで文句無し。京都牝馬Sは内前インチキ馬場で18頭立ての大外枠を引き、4コーナー最後方から直線内を突いて3着。あそこから来れるのはGIIIなら力が抜けている証拠。格落ち戦で前に行く馬が明確なここは番手抜け出しで安泰。

セルバーグはノルカソルカがハナを譲らないなら行かせて2番手追走でも良い。快速で押し切ったのは前走ぐらいで、2勝クラスの勝ち上がりは2番手追走から上がり最速をマークしてのもの。マイペース先行で上がり3ハロン34秒台を繰り出せれば簡単には差されない。58kgは3勝クラスとはいえ武庫川Sを完勝しているし気にする必要は無さそう。

サクラトゥジュールは馬柱に時折二桁着順が混じるように乗り難しい馬だが、オクトーバーSは差し決着で先行、東京新聞杯は内が止まらないインチキ馬場の後方外差しなら飛んで当然。前走は内から上手く乗られたが、本来は外からの被せ差しを得意とする馬。前過ぎず後ろ過ぎずの位置が取れれば面白いと思う。

ディヴィーナは好走時は決まって外差しの馬で、阪神牝馬Sを見る限りでは内からの捌きは不安。ここは出遅れででも一旦下げてから外に振るはず。昨年は出遅れ&スローで金縛りに遭ったが、今年はセルバーグとノルカソルカが駆け引きしてくれそうで展開が向く。セルバーグとの斤量差も狭まるここは決めないとダメだが馬場が速いので届くかどうか微妙。

アナザーリリックが勝った一昨年の佐渡Sはこの年の新潟芝1,800M最速タイ。そこで負かしたモズナガレボシが次走で小倉記念制覇。ここ2走は中山で56kgを背負ってそれぞれコンマ2秒差、コンマ5秒差とまずまず。昨年シュリを前で粘らせた津村騎手なら、ここで真後ろからでは届かないのは分かっているはず。

◎ロータスランド
○セルバーグ
▲サクラトゥジュール
△ディヴィーナ、アナザーリリック
馬複5頭ボックス(10点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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