【競馬予想Vol.197】第71回ラジオNIKKEI賞

今回のテーマ

逃げ経験馬を買え

過去10年、前走で道中先頭に立っていた馬は【2・4・3・15】、単回値101・複回値175とベタ買いでプラス。2020年は自己条件逃げ切り勝ち直後のバビットとパンサラッサがワンツー、昨年は皐月賞12着のワールドリバイバルが2着、青葉賞13着のノースブリッジが3着に入った。

前開催から間隔が開いて馬場状態が良い(後述)ため、結果として人気薄の逃げ馬が残りやすい。近年はこのパターンで毎年のように穴が開いている。逃げ切り経験馬、または強敵相手に逃げを打ったことがある馬は狙いに含めておきたい。

距離延長馬は苦戦

過去10年、前走から距離延長となる馬は【1・2・5・34】、単回値13・複回値140で、皐月賞8着の後に自己条件のマイル戦を勝った2014年2着クラリティシチーを最後に連対していない。5番人気以内に推されても【1・1・1・11】、単回値40・複回値48で、このレースが荒れる原因の一つになっている。

コーナー4つの小回りコースで行われる一戦で、適度に息が入ることで距離の誤魔化しが利きそうな感じがするものの、実態としてはマイル以下の経験だけでは弱い。これは牝馬が苦戦している(過去10年で延べ21頭が出走してオークス8着を経由した2016年2着ダイワドレッサーが連対したのみ)傾向ともほぼ一致する。

2枠より内がめっちゃ来る

過去10年、2枠より内に入った馬(白帽・黒帽)は【5・4・4・21】、単回値114・複回値136とベタ買いでプラス。2017年を除く9年で連対しており、2017年も1枠1番ロードリベラルが9番人気で3着に入った。

馬場状態が良いので、最短距離を通りやすい内枠はプラス。内ピタ先行で粘り込むも良し、内で脚を溜めて直線突いても良し。内枠に入った馬は積極的に押さえておきたい。


トラックバイアス分析・展開予想

5月1日以来の福島開催。Aコースはその前週、4月24日以来で絶好の状態。この中間は月曜に26.5ミリのまとまった量の雨が降ったがその後は好天続き。火曜から金曜まで毎日散水があり、クッション値は土曜朝時点で8.7。前日の芝はどこを通っても伸びていたが、開成山特別(3歳以上1勝クラス・芝2,600M)は内を突いたロンギングエーオが勝ち、外を回った断然人気のグランシエロが2着。後ろより前、外より内という開幕週の基本踏襲でOK。内からホウオウノーサイド、外からショウナンマグマが飛び出しての先行争いにボーンディスウェイ、ゴーゴーユタカが付いていって前掛かりの展開。1,000M通過58~59秒のやや早めの流れを想定。展開的には差しが有効。


全頭分析

【○】サトノヘリオス

(+)折り合うと直線いい脚使う。レコード勝ち2回と地力の裏付けあり。
(-)周りを囲まれるとテンション上がる。最内枠から立ち回り難しい。

【△】ホウオウノーサイド

(+)前走は4角一旦引いて直線差し込む味な競馬。折り合いは問題無し。
(-)マイルの新馬戦は完敗。一気に行ってしまうようだと脚が持たない。

【△】フェーングロッテン

(+)ブリンカー着用後の2戦は前付けで安定。先制し易い内枠は好感。
(-)前走はノープレッシャーの楽な競馬。重賞で即通用まではどうか。

【-】オウケンボルト

(+)スプリングSは大外から出遅れ。小回りコースで積極性活かせる。
(-)前走は積極策が仇とはいえ負け過ぎ。行く馬多いここも劣勢。

【-】クロスマジェスティ

(+)桜花賞は道中包まれて何も出来ず。4角早め先頭なら見せ場十分。
(-)前走直線で進路開いてからも後ろに下がる。単純に力不足か。

【-】ボーンディスウェイ

(+)弥生賞でドウデュースに半馬身差。皐月賞は直線伸びない内通る。
(-)前走内からの馬にも交わされる。勝ちに行く脚は持っていない。

【▲】ショウナンマグマ

(+)プリンシパルSは掛かって惨敗。前々走のように行かせて巻き返し。
(-)きさらぎ賞は掛かって2コーナーで外に行く。気性荒く乗り難しい。

【-】タガノフィナーレ

(+)前走は他に行く馬不在の状況で逃げ切り勝ち。常に前には行ける。
(-)今回は逃げ馬候補が複数いる。付いて回らされる形だと苦しい。

【-】ベジャール

(+)勝ち上がりは東京で出負けしながら差し切り。デカくて渋太い。
(-)前走は内前有利に乗っただけ。この枠からだと後ろに置かれそう。

【-】ミッキーブンブン

(+)山藤賞は外伸び馬場の内で度外視。今回デビュー戦圧勝の舞台。
(-)ゲートで落ち着きなくスタート不安定。後ろから届くかどうか。

【-】ソネットフレーズ

(+)重賞好走馬続出のデイリー杯2歳S組。好位付けなら巻き返せる。
(-)NHKマイルCは時計通り走って惨敗。距離延長も何とも言えない。

【◎】グランディア

(+)前走はフルゲートの内枠で位置悪くする。頭数減の外枠で見直し。
(-)東京の長い直線でも伸び切れず。ジリっぽく小回りのここは苦戦。

【-】ゴーゴーユタカ

(+)前付けで安定。直線の加速の付き方は如何にも小回りコース向き。
(-)騎手乗り替わり。距離延びる上に外を回らされそうなのも厄介。


結論

グランディアは前走2コーナーの入りで外から被されて位置を悪くして、直線で前を塞がれて追い出しが遅れて届かずというコンボで負け。今回はそこそこ流れそうで、1,000M通過58秒6の流れで差し切り勝ち(1勝クラス・中京芝2,000M)がある同馬には打ってつけ。ジリ脚なだけに小回りコースがどうかだけ。

サトノヘリオスは揉まれると来ない。全6戦のうち飛んだ3戦は15頭以上立て、3着以内に入った3戦は13頭以下立てというのは偶然ではない。今回は前がある程度攻めていってくれそうで、ペースが流れてガラ空きの中団追走なら少なくとも皐月賞のようなことにはならないはず。

ショウナンマグマはグランディアと同様、前走2コーナーで前に突っ掛かって位置を取れなかった上、掛かってレースにならなかった。きさらぎ賞でも破天荒な競馬をして惨敗するなどかなり乗り難しい一方、前々走のように前付けから圧勝するポテンシャルも持ち合わせている。理想は自分のペースで行けるハナだが、前で引っ張ってくれる馬がいれば番手追走で良い。

フェーングロッテンはグランディアが勝った1月の中京で道中全く付いて行けずの惨敗を喫した後、ブリンカーを付けて3着・1着。白百合Sは積極的に仕掛けて2分を切る時計で逃げ切り。京成杯3着・京都新聞杯2着のヴェローナシチーを負かしているので強ちフロックということではなさそう。

ホウオウノーサイドは短距離の逃げ経験馬で、母ツーデイズノーチス、半姉ワンスインナムーンということからしても距離延長のここは要らないと思ったが、一旦引いて脚を溜め、直線半ばで交わしに行った前走の勝ち方がなかなかオシャレだった。2枠&逃げ経験馬で人気が無いのもオシャレ。

◎グランディア
○サトノヘリオス
▲ショウナンマグマ
△フェーングロッテン、ホウオウノーサイド
馬複5頭ボックス(10点)

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