【競馬予想Vol.17】第56回京都牝馬S

京都と名前が付いていても阪神で開催されますシリーズ第2弾。第1弾の京都記念は「前残り天国」を見事に体現。後ろが来ないのもあるが、とりあえず前が止まらない。

だったら前に行く馬を買えばいい、ってそんなに競馬は単純ではない。京都記念の直前に行われたこぶし賞(3歳1勝クラス/芝1,600M)は道中後方にいた馬がワンツースリー、ハナを奪ったビップランバン(2番人気)は5着敗退。このレースは概ね前に行きそうな馬が人気して、後ろから行きそうな馬が人気薄だった。意識が前だからこそ後ろを買うというのもお宝馬券を手にするために必要な考え方だ。

今回は万両賞を逃げてレコード圧勝、続くフィリーズレビューも逃げて見せ場十分だったカリオストロがそれ以来となる1番枠を引き当てた。一方で阪神で逃げて2勝、直前の阪神Cでハナを奪ってコンマ5秒差のイベリスも内枠を引いてスタンバイ。幾ら前有利とはいえ、共倒れも念頭に置くべき。一段後ろで構えられる馬か、追い込み一手にもチャンスがある。

◎アイラブテーラーの前走はスタート直前に隣枠のロードアクアが立ち上がったのに感化されてしりもちスタートで大出遅れ。高松宮記念は2か月振りでGI挑戦にも関わらず最終追い切り無しという奇策で本番走る気無し。阪神に限ればほぼパーフェクト、前々走のタンザナイトSでは普通にスタートを切れているし、ここ2週はCWで強めに追われて時計を出している。

20210109中京11R採決パトロール

淀短距離Sの採決パトロール(スタート直前)映像。7番アイラブテーラーの隣、8番ロードアクアが立ち上がっている。

○シャインガーネットは今週の美浦坂路4F49秒8-1F12秒2(水曜全体の1位タイ)を馬なりでマーク、ファルコンS直前に出した自己ベストを1秒更新。ターコイズSは久々で気負い気味の追走だったので、距離短縮で更にペースアップのここは能力全開に期待できる。

▲アマルフィコーストのこれまでの最終追い切り(栗東坂路)の内容をみると、ラスト2ハロンのどちらかで11秒台、特にラスト1ハロンで11秒台をマークした時に好走する傾向にある。'19年3着京都牝馬S、'19年3着ポートアイランドS、'20年4着京都牝馬Sはこのパターン。今回の最終追い切りのラスト2ハロンは12秒4-11秒8だった。

2021年京都牝馬S_アマルフィコースト'19年京都牝馬S直前追い切り

'19年京都牝馬S直前追い切り・・・13番人気3着

2021年京都牝馬S_アマルフィコースト'19年ポートアイランドS直前追い切り

'19年ポートアイランドS直前追い切り・・・3番人気3着

2021年京都牝馬S_アマルフィコースト'20年京都牝馬S直前追い切り

'20年京都牝馬S直前追い切り・・・12番人気4着(3着とはハナ差)

2021年京都牝馬S_アマルフィコースト'21年京都牝馬S直前追い切り

'21年京都牝馬S直前追い切り・・・?

△リリーバレロを管理する堀宣行師は主に外人騎手と石橋脩騎手、栗東所属騎手では藤岡兄弟を重用しているのだが、昨年秋ぐらいからスポットで松山騎手を起用している。ウェルカムSと中山金杯をヒシイグアスで連勝したのは記憶に新しいところ。自己条件を勝って重賞挑戦という構図は一緒。

△カリオストロはこのコースで圧勝が2回あり、レコードをマークした万両賞は今回と同じ最内枠だった。17頭立ての16番枠から付いて回らされただけの前走は度外視。イベリスとの競合が気になるが、番手追走で橘Sを勝っているし、意外と融通が効くのでは。

△リバティハイツは4走前からブリンカー着用、3走前からスプリント戦に転じてリステッド勝利、京阪杯は4コーナーで捌くのに戸惑ってコンマ5秒差、シルクロードSは直線で外に出すのに時間を要してコンマ3秒差。栗東坂路での最終追い切りは単走強め、4F51秒1-1F12秒4と中2週にしてはかなり速い時計を出している。社台RHの所有馬で引退が近く、捨てレースはない。

イベリスは内前バイアスのここで買わなければどこで買うのというレベルなのだが、「カリオストロの白」の存在が厄介。またイベリス自身もこの距離は【0・0・1・6】と微妙に合わないし、番手追走で勝ったのは未勝利戦だけ。ハナを奪えないようなら魅力は半減する。

◎アイラブテーラー
○シャインガーネット
▲アマルフィコースト
△リリーバレロ、カリオストロ、リバティハイツ
馬複◎or○流し(9点)、3連複◎or○1頭軸流し(16点)

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