【競馬予想Vol.215】第58回新潟記念
今回のテーマ
サマーシリーズ最終戦を意識せよ
サマーシリーズ(スプリント、2000)は優勝するとレースの賞金以外に総額4,000万円の報奨金が出る。優勝するためには1勝以上かつ13ポイント(1着10ポイント、札幌記念のみ1着12ポイント)以上必要で、最低でも2戦する必要がある。自己条件からの叩き上げ、GIからの格落ちも通用しているが、まずはサマーシリーズの権利が懸かる馬による「勝負駆け」を意識したいところ。なお、ここ2年はサマー2000シリーズ出走馬がワンツーを決めている。ちなみに今回の出走馬で優勝の可能性があるのはエヒト(2着以内で優勝、3着以内かつスカーフェイス負け、4着以内かつヒートオンビート負けでも優勝)、ヒートオンビート(1着かつエヒト負けで優勝)、スカーフェイス(1着かつエヒト3着以下で優勝)の3頭。
トラックバイアス分析・展開予想
今週は水曜から金曜にかけて弱い雨を観測。土曜朝時点の含水率は4コーナー11.5%、ゴール前12.3%。クッション値は9.7と先週土曜(9.6)とほぼ同じ。先週の時点で既に内は放棄されており、中央から外がスイートスポット。ただ昨年ほど極端に外に振れていない印象。内以外は均等に伸びており、外差しを意識する必要は無さそう。今回は前に行く馬が少なく、ゴールドスミスの単騎逃げが見込まれるが、新潟2,000Mは最初のコーナーまでの距離がとにかく長く、マイルほど位置取りの利は無い。後半4ハロン46秒台以下のロングスパート勝負。一瞬のキレより息の長い脚がモノを言う。
全頭分析
【-】イクスプロージョン
(+)ブリンカー着用後は4戦3勝。関越Sは直線先に抜け出しての完勝。
(-)前走とは似ても似つかぬ馬場状態。今回は最内枠で乗り難しい。
【-】プレシャスブルー
(+)一昨年の新潟大賞典で3着激走。追い込み一本で突っ込み注意。
(-)行き脚皆無で序盤置かれる。前に止まってもらわないと苦しい。
【-】レッドジェネシス
(+)左回りの京都新聞杯完勝。力が要る馬場も神戸新聞杯で克服済み。
(-)前走も捲りに行って結局失速。全く走っておらず精神的な問題か。
【○】サンレイポケット
(+)函館記念は激重馬場で伸び切れず。新潟は3戦して全て3着以内。
(-)このところ4コーナーでズブさ見せる。加齢による衰えを感じる。
【◎】ヒートオンビート
(+)前走は天皇賞春から間隔開いて置かれ気味。叩き2戦目のここ勝負。
(-)現役屈指のズブ馬。新潟の長い直線は合いそうだがまた届かずか。
【-】カラテ
(+)昨年の関屋記念で2着好走。跳びが大きくワンターンコース歓迎。
(-)デカくて俊敏さを欠く。前半溜めて伸ばす競馬の経験浅く未知数。
【-】ゴールドスミス
(+)叩き2戦目の前走ハナ奪って完勝。ここも前手薄で居残りに注意。
(-)前走は内前が止まらない馬場が嵌る。開催最終週のここでは不安。
【△】ディアマンミノル
(+)目黒記念は前残りの展開を強引に詰めて僅差4着。長い直線合う。
(-)後ろから行き過ぎるのが問題。前に完璧に乗られると届かない。
【△】エヒト
(+)七夕賞は大外捲りで突き抜け。今回も追い切り絶好で連勝狙える。
(-)今回は直線長く得意の捲りの効果半減。直線一気の適性未知数。
【-】ココロノトウダイ
(+)初勝利は新潟外回り。前半溜めて伸ばす競馬で中山金杯2着あり。
(-)前走からまた10か月も間隔開く。まともに走るかどうかが心配。
【-】プリマヴィスタ
(+)三方ヶ原Sでエクスプロージョンを子供扱い。重たい馬場もこなす。
(-)目黒記念、七夕賞と全くいい所無し。上がりの競馬の適性も疑問。
【-】フォワードアゲン
(+)STV賞は4角外前から直線突き抜け。早め先頭で我慢効けば面白い。
(-)自己条件脱出に8戦要す。ハンデは軽いがそれだけで突破は期待薄。
【-】カナリキケン
(+)ダートに切り替えて2勝。重たい馬場と超軽量味方に居残り狙い。
(-)茶臼山高原特別は軽ハンデで逃げて沈没。展開利あっても無理。
【-】コトブキテティス
(+)牡馬相手の2,400M戦で3勝。息長い脚を使うだけに軽量嵌りそう。
(-)オープンクラスでの実績皆無。位置取り不安定でアテにならない。
【-】スカーフェイス
(+)ここ3戦重たい馬場で追い込んで善戦。外枠引いた今回チャンス。
(-)左回りは7戦全て圏外。仮に馬場向いても突き抜けまでは微妙。
【▲】カイザーバローズ
(+)新潟大賞典はスタート後手から差して2着。外差しで巻き返し。
(-)鳴尾記念の負け方不満。クラスが上がってから勝ち切れていない。
【-】ユーキャンスマイル
(+)3年前の勝ち馬。それ以来のGIII参戦でここは格落ち効果に期待。
(-)スタートしてから全く進んでいかない。ここも付いて回るだけか。
【-】フェーングロッテン
(+)ブリンカー着用後は反応機敏。前走控えて勝ち切ったのは評価。
(-)前走は同世代相手の辛勝。長い直線での差し比べの適性未知数。
結論
ヒートオンビートの重賞制覇チャンス到来。冒頭でも触れた通り、このレースは上がり4ハロンが45~46秒台、遅くても47秒1というロングスパート能力が強く問われる。今回は快速馬が見当たらず、例年通りの直線勝負になる公算が高い。その点、本馬は昨年の目黒記念(上がり4ハロン45秒3)とチャレンジC(同45秒7)、日経賞(同46秒7)と後半に速い脚を求められた重賞で再三好走。ズブいのが弱点だが、最後の直線が659Mあるここなら脚を余す心配は軽減される。加速が付いてからの伸びはナンバーワン。
サンレイポケットは一昨年の新潟記念(上がり4ハロン45秒0)、昨年の天皇賞秋(同45秒4)、京都記念(同45秒9)、鳴尾記念(同45秒7)でラスト突っ込みをみせており、ロングスパート性能は高いと判断できる。鳴尾記念、函館記念とズブさをみせて差し損ねているだけに、適性を活かせる今回は期待したい。
カイザーバローズは上がり4ハロン45秒7の鳴尾記念でサンレイポケットに差されて負けたが、馬体重8kg減が示す通り仕上がりに問題があった感じがする。但馬S(上がり4ハロン45秒9)、あずさ賞(同45秒9)、宮崎特別(同46秒1)とロングスパート適性は高めなので巻き返せるはず。ちなみに2着に好走した新潟大賞典はアルサトワが飛ばしたことで上がり4ハロンは47秒1を要した。
エヒトは七夕賞直前の追い切り気配を100とすると今回は90ぐらい。数字だけ見ると僅かに落ちているが、それでも他馬に比べると異常に速い。肝心のロングスパート性能は自己条件時代に上がり4ハロン45~46秒台で好走がある。ただ真価を発揮するのは小回りコースでの捲り。今回はヒートオンビートに先着するのは難しいか。
ディアマンミノルは展開・馬場共に内前絶対有利だった目黒記念で真後ろから詰めての4着。それもあと数十メートルあれば全てを飲み込む勢いだった。ただ過去のレース指標を探ったところ思ったほどロングスパート性能の高さを示したレースは無かった。強いて言えば一昨年のオリオンSが上がり4ハロン45秒9で、2着ヒートオンビートに1馬身差の3着がある。他距離組参戦の障壁が高めのここは紐扱いで精一杯。
◎ヒートオンビート
○サンレイポケット
▲カイザーバローズ
△エヒト、ディアマンミノル
馬複5頭ボックス(10点)、3連複◎1頭軸流し(6点)
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