【競馬予想Vol.326】第72回ラジオNIKKEI賞

今回のテーマ

逃げ経験馬を買え

過去10年、前走で道中先頭に立っていた馬は【3・4・3・15】、単回値126・複回値176とベタ買いでプラス。2020年は自己条件逃げ切り勝ち直後のバビットとパンサラッサがワンツー、2021年は皐月賞で逃げて12着のワールドリバイバルが2着、青葉賞で逃げて13着のノースブリッジが3着、昨年は白百合Sを逃げ切った直後のフェーングロッテンが勝利、前々走で逃げて8馬身差勝ちのショウナンマグマが逃げて2着に粘った。

前開催から間隔が開いて馬場状態が良い(後述)ため、結果として人気薄の逃げ馬が残りやすい。近年はこのパターンで毎年のように穴が開いている。逃げ切り経験馬、または強敵相手に逃げを打ったことがある馬は狙いに含めておきたい。

距離延長馬は苦戦

過去10年、前走から距離延長となる馬は【0・2・4・37】、単回値0・複回値63で、皐月賞8着の後に自己条件のマイル戦を勝った2014年2着クラリティシチーを最後に連対していない。5番人気以内に推されても【0・1・1・11】、単回値0・複回値35で、このレースが荒れる原因の一つになっている。

コーナー4つの小回りコースで行われる一戦で、適度に息が入ることで距離の誤魔化しが利きそうな感じがするものの、実態としてはマイル以下の経験だけでは弱い。

2枠より内がめっちゃ来る

過去10年、2枠より内に入った馬(白帽・黒帽)は【5・3・5・19】、単回値121・複回値147とベタ買いでプラス。2017年と2022年を除く8年で連対しており、2017年も1枠1番ロードリベラルが9番人気で3着、2022年も1枠1番サトノヘリオスが2番人気で3着に入った。

馬場状態が良いので、最短距離を通りやすい内枠はプラス。内ピタ先行で粘り込むも良し、内で脚を溜めて直線突いても良し。内枠に入った馬は積極的に押さえておきたい。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は水曜の42.5ミリを皮切りに連日降雨。前週土曜から月曜にかけて連日散水、月曜に芝刈りを実施。含水率は4コーナー12.8%、ゴール前11.5%、日曜朝時点のクッション値は8.8。日中は晴れ予報ということで、このまま良馬場を想定。

  • 今開催は前半4日がAコース、後半4日はBコースを使用。初日の芝は新馬・未勝利クラスを除く2戦でやはり内を通った馬が優勢。馬場が良くてどこを通っても伸びるので、最短距離を通ったほうが有利という当然の理屈。外より内、後ろより前が基本。

  • ペース想定:やや速い(1,000M通過58~59秒)

  • 内枠を引いたグラニットが仕掛けてハナ。シルトホルンとセオも出来ればハナというタイプでグラニットに追随。エルトンバローズがこれらの直後に入り、レーベンスティール、エマヌエーレ、アイスグリーンら外枠の先行馬も内を被せ気味に前へ。前にプレッシャーが掛かる布陣で、前で粘るより後ろから差すほうが簡単。


全頭分析

【▲】コレペティトール

(+)共同通信杯はダノンザタイガーにフラつかれる。差せる脚はある。
(-)この馬自身も内にモタれ気味。内を捌く競馬が出来るかどうか。

【△】グラニット

(+)皐月賞でも果敢にハナ奪う。今回格落ち戦&開幕週&内枠ゲット。
(-)ハナ奪えるが粘れない。ミエミエの逃げでマーク受けると苦しい。

【-】スズカハービン

(+)山藤賞は4角後から仕掛けて捲り勝ち。渋った馬場では4戦4連対。
(-)白百合Sは付いて回るだけ。行き脚鈍く序盤置かれるのがネック。

【-】オメガリッチマン

(+)毎日杯はどん詰まり、京都新聞杯は早め進出。馬群捌ければ妙味。
(-)京成杯2着も勝ち馬には離される。善戦止まりで上振れ感じない。

【-】シーウィザード

(+)芙蓉Sはゴールデンハインド相手に逃げ切り。前に行ければ妙味。
(-)スプリングSは出遅れ、NZTも行き脚付かず。実戦で覇気に欠ける。

【○】エルトンバローズ

(+)1,000M60秒を切る流れで好走多数。小回りハイペースは合いそう。
(-)マイルに距離短縮して連勝直後。道中緩む流れだと詰め切れない。

【-】シルトホルン

(+)前走は後続を離して逃げ切る。飛ばすだけではなく溜めも作れる。
(-)スプリングSはグラニットの逃げの2番手で凡退。控えると今一つ。

【-】セオ

(+)前々走はレーベンスティール相手に押し切り。タレない脚評価。
(-)逃げ以外では未勝利。今回他に行きそうな馬多数で展開微妙。

【-】ウヴァロヴァイト

(+)前走は外差しで完勝。クイーンCは直線ぶつけられる不利響く。
(-)前走は終始ノーストレス。ペースアップで急かされる競馬は微妙。

【-】バルサムノート

(+)Fウォーク賞は前詰まり。白百合Sは内にモタれまくりながら勝利。
(-)右回りだと強烈にモタれる。真っ直ぐ走れば楽勝もありそうだが。

【△】アグラシアド

(+)前々走不良馬場で捲り勝ち。スイートピーSは直線狭く消化不良。
(-)牡馬相手はデビュー戦以来。前走もさほど強いメンバーではない。

【-】ダイシンヤマト

(+)加速が乗ってからは良い脚使う。今回は前が賑やかで展開向く。
(-)スタート・行き脚共に今一つ。前走も馬群捌き遅れて差し届かず。

【-】アイスグリーン

(+)白百合Sはゴール手前で寄られる不利受ける。勝ちに等しい負け。
(-)新潟2歳S、スプリングS共に力負け。頭数増で位置取れるか微妙。

【◎】レーベンスティール

(+)前走も前付けで難なく圧勝。この馬が1勝クラスにいたのは反則。
(-)厳しめのペース未経験。今回飛ばす馬おり同じ脚使えるかどうか。

【-】エマヌエーレ

(+)つばき賞はスタート決めてハナ。毎日杯も前付けで行き脚評価。
(-)毎日杯は雨上がり後の馬場で伸び欠く。軽く時計出る馬場希望。

【-】マイネルモーント

(+)前走内からジリジリ伸びて差し切り勝ち。捲りも可能で外枠歓迎。
(-)何故か主戦のM.デムーロが乗らず。中1週の強行軍も気になる。


結論

レーベンスティールはデビュー戦がソールオリエンス(皐月賞1着、ダービー2着)相手で無理ゲー、中山の1勝クラスは芝4レースで逃げ馬が全勝したインチキ馬場で2着が限界。中山で先行して後続をコンマ6秒も千切れる馬が小回りの福島で飛ぶというのはちょっと考えにくい。今回想定のハイペースをこなせるかどうかお手並み拝見。

エルトンバローズは2戦目の未勝利戦でサトノグランツ(京都新聞杯)、4戦目の未勝利戦でソーダズリング(フローラS2着)のそれぞれ2着。勝ち上がりが5戦目までずれ込んだのは相手関係のアヤ。5戦目マイルの勝ち時計1分33秒7は同日4歳以上3勝クラス(1分33秒6)とほぼ同じ。ハイペースに耐性のある先行馬。今週の追い切りはコースでラスト1ハロン10秒9が出た。

コレペティトールは共同通信杯でタスティエーラ(ダービー、弥生賞)にコンマ4秒差、シーズンリッチ(毎日杯)にコンマ1秒差。それもすぐ前にいたダノンザタイガーにウロチョロされて差すに差せずといったレース内容。今回は前が飛ばして内突きチャンス。バルサムノートほどではないがこの馬も内にモタれるところがあり、ラチを頼れるのは良いと思う。

グラニットはシルトホルンかセオ辺りに内枠に入られて先制されるのだけは避けたかっただけに、自ら先制できるこの枠は絶好。京成杯は溜め過ぎで自滅。この時はシャンパンカラー(NHKマイルC)も流れが緩過ぎて飛んでいる。飛ばしてサウジアラビアRC2着、スプリングS4着なら十分通用。光る(人気の)の逃げ馬でもこれは抑えざるを得ない。

アグラシアドはデビュー戦でベラジオオペラ(スプリングS)、ショウナンバシット(若駒S)と当たる無理ゲー。ミモザ賞は先行勢脱落のサバイバルレースを捲り勝ち、スイートピーSは直線内が狭くてほぼ追えず、ラスト加速の途中で終了。単に外を通ってきただけのウヴァロヴァイトより上。元々稽古駆けする馬だが、直前坂路は4ハロン51秒3-1ハロン12秒3と仕上がり上々。ペースアップのここで前が脱落するところを捲り差してきそう。

◎レーベンスティール
○エルトンバローズ
▲コレペティトール
△グラニット、アグラシアド
馬複5頭ボックス(10点)、3連複◎1頭軸流し(6点)


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