【競馬予想Vol.237】第60回アルゼンチン共和国杯

今回のテーマ

若駒優勢傾向あり

過去10年、3歳馬は【2・0・2・0】、単回値182・複回値227と出走した4頭全てが馬券対象内に好走。4歳馬【5・4・4・24】、単回値47・複回値83、5歳馬【1・5・4・40】、単回値9・複回値54、6歳馬【2・1・0・31】、単回値51・複回値23と年齢を追う毎に期待値が下がり、7歳以上馬は延べ33頭が出走して全滅。

年齢と成績に一定の相関関係が認められる以上、余程のことがない限り若い馬から買うのが定石。「高齢馬は来ない」のではなく、若い馬が走るので好走枠が残されていないという解釈になる。

1着候補は56kg以上の馬

過去10年、負担斤量56kg以上馬は【9・5・1・48】、単回値66・複回値49、負担斤量55kg以下馬(牝馬3頭、いずれも圏外を含む)は【1・5・9・80】、単回値5・複回値46。

勝ち馬10頭のうち7頭はこのレースまでに重賞を勝っており、重賞未勝利でここを勝った3頭にしても重賞で2~4着の実績があった。負担斤量55kg以下で勝った馬は2020年オーソリティ(牡3・54kg)のみで、斤量面で優遇される格下は紐扱いが無難。


トラックバイアス分析・展開予想

馬場が乾燥して時計が速く、かつ前が止まらない。土曜は芝6レースのうち5レースで逃げた馬が連対した。このうち3頭は1番人気だったが、かなりの人気薄(12番人気、11番人気)も連対しており、前付けの利が生じている。速い上がりを繰り出せる内枠先行馬に注目。初ブリンカーのアフリカンゴールドが行く構えを見せそうだが、最内のキングオブドラゴンが抵抗してこれがハナ。縦長のミドルペース想定で、内前で脚を溜めた馬で決まりそうな感じ。外過ぎ、後ろ過ぎるとしんどい。


全頭分析

【-】キングオブドラゴン

(+)ハナ奪ってマイペースだと渋太い。最内引いたここは逃げ一手。
(-)直線に向いた後が淡泊過ぎ。直線長い東京だと余計しんどい。

【-】プレシャスブルー

(+)昨年のオクトーバーSでパンサラッサの2着。無欲の一発怖い。
(-)行き脚皆無なのが問題。決め手はあるが後ろ過ぎて届かない。

【-】ユーキャンスマイル

(+)新潟記念は真後ろから飛んでくる。距離延長はむしろ歓迎。
(-)基本的に後ろで位置取れない。前に速い脚使われると苦しい。

【-】コトブキテティス

(+)直近の勝利はいずれも東京の長距離戦。前走も大外強襲で健闘。
(-)久々だったとはいえ新潟記念が負け過ぎ。軽ハンデでも厳しい。

【○】テーオーロイヤル

(+)オールカマーは極端な内前決着。叩いて距離延長のここ勝負。
(-)後続の目標にされる。直線でリードが少ないと交わされそう。

【△】キラーアビリティ

(+)皐月賞は痛恨の出遅れ、ダービーは後ろ過ぎ。前付けで巻き返し。
(-)春2戦は出脚緩め。ダービーから更に距離延びるのも不安あり。

【◎】ブレークアップ

(+)東京長距離戦で連続好走。自己条件でヴェラアズールと接戦あり。
(-)ここ2戦は流れ緩く前で残れて当然。競り合った時の対処不明。

【-】カントル

(+)佐渡Sで差し切り勝ち直後。直線だけの競馬なら通用余地あり。
(-)ベストは2,000Mで距離延長はこなす程度。勝ちに行けるか疑問。

【-】ディアマンミノル

(+)前残り決着の目黒記念で真後ろから迫って僅差。決め手強力。
(-)行き脚無さ過ぎでレースに参加できていない。現状前崩れ待ち。

【-】ダンディズム

(+)前々走でロバートソンキーに完勝。堅実に追い上げる脚評価。
(-)目黒記念はハンデ貰って完敗。多頭数のレースで凡退目立つ。

【-】ラストドラフト

(+)このところ走る毎に負け幅縮小。一昨年2着時の出来に戻れば。
(-)3年以上も勝ち星から遠ざかる。差し損ね多くアテにならない。

【-】マイネルファンロン

(+)宝塚記念で中団前付けで5着健闘。正攻法でもそこそこやれる。
(-)トラックバイアス依存の差し脚。今の東京は内前寄りで苦しい。

【△】レインカルナティオ

(+)前走直線窮屈な場面ありながら抜け切る。近走殆ど負けていない。
(-)軽ハンデとはいえ相手強化。距離延びて同じ脚使えるかどうか。

【-】アフリカンゴールド

(+)ブリンカー採用で逃げ濃厚。行き切った京都記念の再現警戒。
(-)国分恭介騎手から急遽乗り替わり。ここ逃げ切るには距離長い。

【-】レッドサイオン

(+)関越Sは18頭立ての最低人気で6着。軽ハンデ味方に一発狙い。
(-)ブリンカー着用後も特に変化見られず。根本的に力が足りない。

【▲】ヒートオンビート

(+)新潟記念は積極策が仇。このレース得意の戸崎騎手の手腕に期待。
(-)差して届かずの繰り返し。加速鈍くて仕掛けどころが難しい。

【-】ハーツイストワール

(+)東京芝は9戦8連対の得意舞台。距離についても何の心配もない。
(-)枠が外過ぎで後ろに置かれそうなのが心配。位置取りがカギ。

【-】ボスジラ

(+)ブリンカー着用後は成績安定。前で折り合い付けば通用する。
(-)昨年も丹頂S経由で挑むもシンガリ負け。コース適性が怪しい。


結論

ブレークアップは道中ゆったり運べる長距離戦向きの先行馬。ジューンSは差し優勢馬場で内を開けて先頭に立ち、ヴェラアズール(後に京都大賞典勝ち)に交わされてからもジリジリとしか離されなかった。六社Sは直線で前が詰まりかけながらラスト1ハロンできっちり差し切り。ここは内前バイアスのアシストで勝ち負け可能。

テーオーロイヤルは長距離戦でシンプルに強い先行馬。ダイヤモンドSは前付けの馬が馬群に沈んでいく中、ゴール前で流す余裕さえあった。オールカマーは今回以上に強烈な内優勢馬場で、外枠から遠慮した結果外を回らされて凡退。距離延長で内枠を引いたここは勝ち負けして当然。不安は他馬の目標にされるという点。並ばれて差し返す脚は持っていない。

ヒートオンビートの好走パターンは中団からの捲り差し。新潟記念は前付けで勝ちに行っての失速で度外視できる。追ってすぐ反応しないのでスパートのタイミングが難しい。戸崎騎手は本馬で結果を残せていないが、アルゼンチン共和国杯自体は得意にしている(過去10年で【1・3・1・2】)のでそこに期待したい。但し今の馬場でこの枠は最悪に近い。

キラーアビリティは前付けでGIを制しているだけに、この枠なら前付けしてどれだけやれるのかを試してもらいたいところ。可能性を見出すならなるべく若い馬というレース傾向からも推せる。但しダービーは4着までは強いが5着以降は大したことがないので、3歳馬優勢で買われるのならそこは疑問を呈したい。

レインカルナティオは7戦連続で上がり3ハロン3位以内、かつ着差コンマ1秒以内。この間に負けた4戦のうち3戦は湿った馬場で、良馬場で結果が出なかったのは直線で大外の更に外に振った弥彦S(6着)のみ。外枠で後ろから行く馬だけに今回のトラックバイアスからはズレるかもしれないが、軽ハンデを背負うのは初めてだし、人気も無いので気楽に狙いたい。

◎ブレークアップ
○テーオーロイヤル
▲ヒートオンビート
△キラーアビリティ、レインカルナティオ
馬複5頭ボックス(10点)

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