【競馬予想Vol.263】第60回愛知杯

今回のテーマ

※2014年まで12月に施行。2015年は施行無し。2016年より年明け中京開幕週に移行。2019年は2週目に施行。2020年は小倉で施行。2021年・2022年は3週目に施行。

後ろから行く馬が強い

過去10年で中京で行われた8回のうち6回は4コーナーで7番手以降に付けていた馬が勝っている。2着馬も5頭が4コーナーで8番手以降に付けており、差しが幅を利かせている。

厳冬期の芝は先行馬のスタミナを削り取るようで、先行馬のワンツーは近年見られない。昨年は1,000M通過62秒3のスローにも関わらず、4コーナーで9番手にいたルビーカサブランカが内突きで快勝。一昨年はハイペースで差し馬が上位独占。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 年明け後は降雨無し。散水は火曜と水曜に実施。含水率は4コーナー13.7%、ゴール前12.6%、金曜朝時点のクッション値は10.1。金曜夜から土曜昼にかけて降雨の見込みだが、雨量としては大したことがなさそう。

  • 先週日曜から突如外差し馬場に変化。内もペース次第で使えなくはないが、外が伸びる。昨年も日経新春杯の日からいきなり外差し馬場に変化したが、今年は1週早い。

  • ペース想定:緩い(1,000M通過61~62秒台)

  • 明確な逃げ馬不在。アイコンテーラーが行くにしても枠が遠い。マリアエレーナ、アートハウスと実績ある先行馬が内枠に収まり、これらが脚を溜めての追走。いずれも前々で速い上がりを使うタイプで、これらを後ろから出し抜くのは並大抵のことではない。内枠先行2騎をマークした上で、外差し馬場の恩恵に与れる差し馬を狙いたい。


全頭分析

【-】サトノセシル

(+)福島記念は積極策で勝ちに行くも実らず。ここは差し構えて妙味。
(-)前でも後ろでも及ばずの器用貧乏。どちらかと言えば小回り向き。

【△】マリアエレーナ

(+)前付けで安定して勝ち負け。天皇賞秋は道中不利受けながら7着。
(-)昨年2着した時よりもハンデ3.5kg増。最後の一押しに欠きそう。

【▲】アートハウス

(+)休み明けで忘れな草賞、ローズS勝利。前付けして速い脚使える。
(-)常に前付けで他の目標にされる。早めに捕捉されるようだと不安。

【-】ビジン

(+)ダートで3勝、芝でも2着あり。馬場渋れば軽量任せに突っ込む。
(-)ダートでも3勝クラスで足踏み。流石にここは付いて回るだけ。

【-】エリカヴィータ

(+)ターコイズSはゴール前急追も距離不足の印象。距離伸びて反撃。
(-)典型的な内前TBのフローラSを勝っただけの馬。地力が足りない。

【-】ホウオウイクセル

(+)前走は4コーナーで早めに押し上げて2着。捲り効くなら通用。
(-)流れが速くなると差し不発傾向。時計を問われるとしんどい。

【-】ラヴユーライヴ

(+)ケフェウスSで差して3着。好相性の坂井騎手とのコンビ侮れず。
(-)馬格無く揉まれ弱い。このメンバーで外を回すと間に合わない。

【◎】アンドヴァラナウト

(+)前走は馬場悪くノーカウント。GII勝ち負け級で相手に不足無し。
(-)昨年不可解な11着に散った舞台。力要る厳冬期の芝がどうか。

【-】サンテローズ

(+)同コースで4戦3勝、福永騎手とは2戦2勝。巨漢馬で馬力感じる。
(-)前走ソフトフルートに交わされる。相手揃う重賞で劣勢否めず。

【-】ルビーカサブランカ

(+)昨年は内から綺麗に抜けて完勝。今年もコース取り次第で通用。
(-)行き脚の無さは相変わらず。後ろに置かれるようだと届かない。

【○】ルージュエヴァイユ

(+)2戦続けて前残り展開を綺麗に差し切る。馬体重増し本格化気配。
(-)スタートは上手くない。決め手ある馬は他にもおり埋没懸念。

【-】フィオリキアリ

(+)ここ3戦は内前TBで出番無し。愚直に外差し試みて一発狙い。
(-)左回りは東京新馬戦以降10戦全敗。オープン実績も足りない。

【-】アイコンテーラー

(+)前走牡馬相手に粘り込む。逃げて5着の昨年より上積み感じる。
(-)オープン入り後は8戦して3着が最高。粘れるが押し切れない。

【-】リアアメリア

(+)同コースでローズS勝ちあり。ゆったり進める2,000Mで巻き返し。
(-)好位付けからタレた前走内容不満。差しても中途半端で苦しい。

【△】アブレイズ

(+)一昨年は大外強襲で4着。近走は位置取り改善で通用余地あり。
(-)2,000Mは新馬戦を勝っただけで若干長い。ここも詰め欠きそう。


結論

アンドヴァラナウトは同コースのローズS勝ちがあり、秋華賞3着、阪神牝馬S2着、府中牝馬S3着がありながら何故か人気が無い。府中牝馬Sでソダシと同じ上がりの脚が使える馬が弱いはずがない。エリザベス女王杯は4コーナーで最後方の内では何も出来なくて当然で、ムーア騎手は馬場の良い外に誘導した後全く追っていなかった。格落ち戦、スロー外差しで復活へ。

ルージュエヴァイユはオークスで差してアートハウスに先着、その後は自己条件を連勝。いずれも前が残る馬場で実際に前の馬が押し切る展開だったが、難なく差し切っている。このところ使う度に馬体重が増しており、見た目もパワーアップ。今回外差し馬場で突っ込んでこれる馬がいるとすれば格下でもこの馬が筆頭格。

アートハウスは勝ったレースが全て1,000M通過60秒以内、飛んだレースは2戦が1,000M通過60秒を割るハイペース、もう一戦は2,400Mのオークス。今回はどう考えてもハイペースは考えにくく、内ピタ先行で手堅いように思える。気になるのは前受けの競馬しかしたことがなく、他馬の絶好の的になる点。今回はローズSより明らかに相手が強い。

マリアエレーナは昨年内枠から前付けして2着。以後マーメイドS2着、小倉記念1着と確実に上積みあり、天皇賞秋は2コーナー合流点付近でノースブリッジに思いっきりぶつけられてラチに激突しかける不利を喰らって7着。牝馬同士なら余裕で勝ち負けだが、昨年から3.5kg上積みされるハンデは小柄な馬だけにラストの踏ん張りに影響がありそう。

アブレイズは一昨年のこのレースで追い込んで4着。その後はメイS勝利、中山牝馬S2着を上積み。シレッとGIにも挑戦しており、ヴィクトリアマイルは上がり最速マーク、天皇賞秋も4角外前から早めに動いて勝ちに行く競馬をしながらマリアエレーナにコンマ1秒しか負けていない。近走は前付けで善戦しているが、溜めて一発のほうが妙味がある。

◎アンドヴァラナウト
○ルージュエヴァイユ
▲アートハウス
△マリアエレーナ、アブレイズ
馬複5頭ボックス(10点)

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