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【競馬予想Vol.386】第68回有馬記念



トラックバイアス分析・展開予想

  • 中山は開催を通じてAコース使用。雨が降らず良好な状態を保っていて、土曜メインのグレイトフルS(3歳以上3勝C/芝2,500M)は昨年の有馬記念よりもコンマ4秒速い2分32秒0で決着。馬場状態は良好。

  • 特筆すべきは上がりの速さ。グレイトフルSのレース上がり3ハロンは35秒9だったが、勝ったニシノレヴナントの上がり3ハロンは33秒9。暮れの中山でこんな速い上がりが出るというのはちょっと記憶に無い。ちなみにニシノレヴナントは前走京都で上がり3ハロン33秒5の脚を使っていた。

  • 好枠を引いたタイトルホルダーの逃げ。アイアンバローズは行き脚が強くなく、タイトルホルダーの単騎が濃厚。ここで気になるのは大外枠を引いたスターズオンアースの出方。オークスやジャパンCで大外枠からでも前に行ける行き脚の良さを以てしても、中山芝2,500Mの大外枠は内を取りようがないので相当厳しい。スターズオンアースがどう動くかにより展開が大きく変わってきそう。

  • 出来れば前に行きたいのはタスティエーラやウインマリリンも同様。外の動きが活発になれば内が締められる。内枠の馬は中途半端な先行だと逆に不安。結果として前にプレッシャーが掛かって捲り合戦になるとみる。ロングスパート性能(3コーナー過ぎから動ける器用さ)と速い上がりの脚を持つ馬にスポットライトを当てたい。


全頭分析

【△】ソールオリエンス

(+)4角で外に膨らむ悪癖は徐々に改善。得意の中山で捲り決める。
(-)皐月賞は1番枠から下げて4角外を回す。内捌きの競馬は未知数。

【-】シャフリヤール

(+)BCターフは早めに押し上げる競馬で健闘。この内枠は嵌るかも。
(-)香港で出走を認められずのハプニング。調整過程に不安が残る。

【-】ホウオウエミーズ

(+)福島記念は4角を捲り上げて完勝。中山は出走機会5戦連続連対中。
(-)ダンディズムとハナ差の馬がGIで通用するのかと考えると厳しい。

【-】タイトルホルダー

(+)ここ2年凡退もいずれも外枠。今年は脚を溜めながら行けそう。
(-)好走は概ね内寄りのトラックバイアス。並ばれてしまうと苦しい。

【△】ドウデュース

(+)秋2戦は高速で前が止まらない馬場。道中脚が溜まれば巻き返し。
(-)ポジショニングは後方寄り。差し構えなら捌き含めて届くか微妙。

【-】ディープボンド

(+)一昨年は今回と同じ赤帽で先行して2着。今回初ブリンカー装着。
(-)マーカンド騎手のレースプランが不安。先行してくれるか怪しい。

【-】アイアンバローズ

(+)ステイヤーズSは二枚腰の逃げ切り。ジャスティンパレスの半兄。
(-)内にタイトルホルダーが鎮座する今回はハナを奪えそうにない。

【-】ライラック

(+)中山でスターズオンアースに先着あり。捲り差しで喰い込み注意。
(-)馬格無く牡馬に混じると非力さ否めず。展開向いても善戦までか。

【-】ヒートオンビート

(+)アルゼンチン共和国杯は59kg背負って僅差。距離は何ら問題無し。
(-)エンジンの掛かり遅く踏み遅れ多発。位置を取ると詰め甘くなる。

【○】ジャスティンパレス

(+)世界最強馬に2戦連続で詰め寄る。昨年7着からの上積みは明らか。
(-)今年勝った2戦は層薄い長距離戦。前走も超高速で後方待機嵌る。

【-】ハーパー

(+)馬場や距離、ペースに関わらず安定。馬体重増で力強さ増した感。
(-)前走にしても脇役の域を抜け出せず。GI馬集結のここは出番無し。

【-】ウインマリリン

(+)一昨年の日経賞とオールカマー勝ち。前に行けるなら大穴提供も。
(-)オールカマーも外枠から何も出来ず凡退。ここも付いて回るだけ。

【◎】タスティエーラ

(+)実績だけではなく器用さもトップクラス。自在に立ち回る脚魅力。
(-)前付けするにはしんどい枠。如何に外を回らされないかの勝負。

【-】プラダリア

(+)ポジショニングセンスあり。京都大賞典も前々で立ち回って完勝。
(-)GIIIレベルの詰め甘馬ボッケリーニにクビ差。GIでは通用しない。

【▲】スルーセブンシーズ

(+)凱旋門賞の重たい馬場でも差して善戦。軽い芝のここで突き抜け。
(-)後方捲り上げ脚質で枠は関係無いにしても内枠との比較で見劣る。

【△】スターズオンアース

(+)どんな相手・距離・戦法もソツなくこなす。自在性は大きな武器。
(-)痛恨の大外で距離ロスは避けられない。ルメール騎手の手腕次第。


結論

タスティエーラは弥生賞で本命にしたが皐月賞とダービーでは無印にした。クラシックは決め手が無いと勝てない。特にダービー。勝てる訳無い、と思っていたらあろうことか勝ってしまった。切れ味が無くても勝てるカラクリは「物凄く器用な馬」だから。菊花賞も4コーナーで内を捌いて出てきた。あれを見てコイツは只者ではないなと思った。トリッキーな中山にはうってつけの馬。56kgで出られるのも大きい。枠?捌くからどこでも関係無い。

ジャスティンパレスは宝塚記念と天皇賞秋でイクイノックスに迫ったのは分かるが、どちらも展開利アリアリ。特に前走。プログノーシスやダノンベルーガ辺りも来れちゃう2~4着にそこまでの価値があるのか?阪神大賞典は雑魚の寄せ集め、天皇賞春もタイトルホルダーを除いて雑魚。器用さも足りないしちょっと怪しい。端的に言えば過剰人気。

スルーセブンシーズは外枠の動きが活性化するなら浮上。枠が枠だけに4コーナーは大外をぶん回すことになるだろうが、今の中山は決め手が使える。58kgを背負ってクソ重たい欧州の馬場で差して4着に来れるなら、56kgに戻って速い上がりが出る馬場なら突き抜けられる。普通の流れになったら終わり。

ソールオリエンスも展開が向きそうで抑えが必要。ただこの最内枠は非常に乗り難しい。川田騎手がどう乗るかちょっと読めない。下げて外を回して捲り差しに向けるか、内で脚を溜めて相対的浮上を狙うか。どちらかと言えば後者のような気がする。捲り差しはそれなりのスキルが必要。この馬はプレッシャーを与えると外に跳ぶので器用とは言い難い。捌くほうがマシ。

ドウデュースは例年の「タフな中山」ならノータイムで切りだったが、速い上がりが使える馬場なら話は変わってくる。中山は弥生賞で4コーナー捌き遅れながらクビ差2着、皐月賞は大外ぶん回しの雑な競馬で3着。京都記念では4角オート進出で楽勝しているし、軽い馬場なら通用していい。包まれずに行けるかどうか。

スターズオンアースは東京芝2,400Mの大外を克服しかけたとはいえ、中山芝2,500Mの大外のしんどさは桁違い。過去のデータが云々というより、物理法則上苦しい。生き物である以上、物理法則には逆らえない。捲り差しに向けることが濃厚なスルーセブンシーズとは違って、行き脚が付く分色気を見せて勝ちに行ってラスト甘くなりそう。上位に来るなら後方で決め打った時。

◎タスティエーラ
○ジャスティンパレス
▲スルーセブンシーズ
△ソールオリエンス、ドウデュース、スターズオンアース
馬複◎流し(5点)、3連複F◎○▲-◎○▲-◎○▲△△△(10点)

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