【競馬予想Vol.72】第57回函館記念

昔から荒れるレースの代名詞として名高い一戦。まともに決まったことがあったのか調べたところ、過去36年で1番人気馬は9勝(勝率25%)、3番人気以内馬同士のワンツーだったのは1987年(1人気・3人気)、1988年(1人気・3人気)、1991年(1人気・2人気)、2004年(2人気・1人気)、2006年(1人気・2人気)、2010年(2人気・1人気)の6回しかなかった。

2021函館記念過去10年上位3頭人気・単複配当一覧

過去10年もこんな感じ。競馬新聞で印が付いていない馬から買ったほうが早いレベルの荒れ方をする。特に昨年は全通り買わないと当たらんだろという位に激しく荒れた。ちなみに昨年の上位馬は3頭全て出てきているが、今年もみんな空気的な存在になっている。

何故こんなに荒れるのか。原因をいろいろ探ってみた。

(1)前哨戦(巴賞)が全く機能していない
函館記念の前々週に行われている巴賞(芝1,800M)を経由した馬は好走馬が凡退して凡退馬が好走する傾向がみられる(函館記念巴投げ説)。

2021函館記念過去36年巴賞勝ち馬成績

巴賞勝ち馬の函館記念成績は上表の通りで、2005年エリモハリアーを最後に14連敗中。2着馬も2006年エリモハリアーを最後に6連敗中、3着馬も2009年ツクバアズマオーを最後に5連敗中。

2021函館記念過去36年巴賞6着以下函館記念3着以内馬一覧

巴賞で掲示板外ながら函館記念で3着以内に来た馬は過去36年で18頭いる。延べ108頭で18頭なので占有率は丁度6分の1とそれほど高くないが、ここ2年はまさにこのパターンで荒れている。

(2)軽ハンデ馬が度々激走している
ハンデ51~53kg(牝馬49~51kg)のレンジの好走馬が多く、過去36年で24頭が3着以内に来ている。その殆どは人気薄で、近年はこのパターンで荒れている。54kg(牝馬52kg)を加えると38頭が3着以内に来ている。

2021函館記念過去36年ハンデ51~53kg函館記念3着以内馬一覧

過去36年、ハンデ51~53kg(牝馬49~51kg)で3着以内に来た24頭のうち前走で北海道開催(札幌・函館)を使っていた馬は16頭、自己条件を勝った直後だった馬が6頭、3歳馬が3頭(それぞれ重複あり)。

「巴賞の結果を逆に見る」「軽ハンデ馬に注目する」の2点から穴馬を見出してみたい。前者からはジェットモーションドゥオーモ、後者からはドゥオーモ(次点でハンデ54kgのジェットモーションディアマンミノルワセダインブルー)がピックアップされる。

明確な逃げ馬不在。ワールドウインズ、トーセンスーリヤ、マイネルウィルトス、マイネルファンロンが先行集団を形成。ハンデを考慮するとカフェファラオも前に行きそう。全体的に後ろから行く馬が多く、展開的には前が有利。後ろから行くなら捲り上げる脚は必須。4コーナーが固まりそうなので内突きのスキルがあると尚良し。

人気どころは厳格に減点法。人気薄は徹底的に褒め殺し。

【-】カフェファラオ
初芝、ハンデ58.5kg、2,000Mへの距離延長などクリアしなければならない課題が山積み。芝コースでの追い切りが良かったらしいが所詮は練習での話。

【-】ハナズレジェンド
都大路Sはスローの前残り決着で追い上げ利かず。基本的に後ろからの馬で、函館芝2,000Mでは過去2戦していい所無し。乗り方に工夫が必要。

【○】ワールドウインズ
1勝クラス以降の勝ち上がりは全て小回りコース。巴賞は4コーナーから前が凝縮、直線で追うスペースが無く脚を余して負け。内枠先行で巻き返し。

【-】アイスバブル
今年の目黒記念はドスロー前残りで、後ろから行った時点でノーカウント。2,000Mは問題無いにしても、小回りコースでは忙しそう。

【▲】ジェットモーション
巴賞は直線で前が詰まって殆ど追えず、脚を余して負け。前過ぎず後ろ過ぎずの位置から差せる脚を持っているだけにここは巻き返しに期待。

【-】タイセイトレイル
昨年のメトロポリタンS(3着)、丹頂S(3着)はいずれも3コーナー過ぎからの捲り上げで機動力はある。小回りコース替わりを活かしたいところ。

【△】ドゥオーモ
昨年のこのレースは後方から内の狭いところを割って2着。函館で捲り勝ちもあり、コース取りさえ嵌れば突き抜ける脚がある。

【◎】トーセンスーリヤ
連覇を狙った新潟大賞典は直線横並びの消耗戦で僅かに競り負け。今回は前走より緩むのは確実で、早め抜け出しで後続の追撃を封じたいところ。

【-】サトノエルドール
巴賞は勝負どころからゴールにかけて完全フリー、ノープレッシャーで外から押し切り。人気落ちしているとはいえ、今回こんなに恵まれるか疑問。

【-】マイネルウィルトス
福島民報杯は昭和を思い起こさせるボコボコ馬場をスイスイ進んで圧勝。丹内騎手と手が合っているが、3か月振りでハンデ2kg加算のここで再現疑問。

【△】ディアマンミノル
目黒記念は後ろから行ったら負けの内前レースで度外視。決め手があり、こなす程度だが捲り上げ展開にも対応。小回りコースをこなせれば。

【-】アドマイヤジャスタ
昨年は中団から先に抜けて快勝。その後は位置を取れず、ここ2戦は重馬場で完全に不発。昨年手綱を採った吉田隼人騎手に手が戻って連覇に挑む。

【-】ワセダインブルー
今回のコースは昨年の五稜郭Sで捲って2着がある。ここ3戦は差脚不発だが洋芝とは好相性。ただ外を通らされそうで差し届くかは微妙。

【-】マイネルファンロン
一昨年2着したが昨年は先行出来ず14着と大敗。ノープレッシャーで行けた時に残る程度で、フルゲート外枠の今回は前に付けるだけで苦労しそう。

【-】バイオスパーク
このコースは3回走って全て3着以内。昨年のこのレースは内枠先行で3着に粘ったが今年は逆に15番枠。このところ前に行けていないのも気になる。

【-】レッドジェニアル
大阪城Sは8か月振りの実戦でコンマ6秒差なら及第点。進路さえ確保できれば突き抜ける脚はある。大外枠からどう乗るか、坂井騎手のお手並み拝見。

◎トーセンスーリヤ
○ワールドウインズ
▲ジェットモーション
△ドゥオーモ、ディアマンミノル
馬複5頭ボックス(10点)

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