【競馬予想Vol.210】第58回札幌記念

今回のテーマ

※函館で行われた2013年、海外からの転戦馬を除く。

前走後ろから行った馬に注目

過去10年、前走で4コーナー5番手以降から競馬をしていた馬は【9・5・5・57】、単回値107・複回値80。前走4コーナー4番手以内で競馬をしていた馬は【0・2・3・36】、単回値0・複回値19と勝ち馬ゼロ。

平坦小回りだけに前に行く馬がフォーカスされがちだが、実際には前走行けずにここで前付けし直した馬、若しくは4コーナーを捲って直線強襲といった馬が勝ち負けし易い。

デカい馬にご用心

過去10年、馬体重500kg以上の馬は【1・6・3・25】、単回値13・複回値66と期待値的にはイマイチだが、毎年1頭以上は3着以内に入っている。

洋芝ということでパワー型が介入する余地がある。ちなみに勝ち馬9頭の馬体重レンジは460~499kg。


トラックバイアス分析・展開予想

今週は火曜に74ミリというかなりまとまった量の雨が降り、その後も晴れたのは金曜のみ。日曜朝時点の含水率は4コーナー14.0%、ゴール前13.5%と数字的にはそれほどではないが、土曜の芝のレースを見る限りでは馬場がやたらと重い。前有利というより、馬場が軟らか過ぎて追い上げが効かない状態。後ろから追い上げるにしても直線に向いてからでは物理的に届かず、4コーナーで外前を取れる脚が必須。速さよりパワー、後ろより前が基本線。その上で展開を考察すると、パンサラッサを筆頭にジャックドール、ソダシと前に行く馬が人気の中心。前が人気なら妙味は捲れる後ろからの馬。


全頭分析

【-】マカヒキ

(+)4年前の本レースは捲り上げて僅差2着。小回り適性は問題無し。
(-)基本的に後ろを付いて回るだけ。ハイペースだと追走だけで一杯。

【-】アイスバブル

(+)昨年ハイペースの函館記念で差して2着。上がり要す展開で出番。
(-)昨年の本レースは7着止まり。差し込む脚はあるが力が足りない。

【△】パンサラッサ

(+)宝塚記念は休み明け&時計速過ぎ。今回距離短縮かつ小回り好感。
(-)前走の行き脚が悪かったのが気になる。暑さがダメな可能性あり。

【-→△】ジャックドール

(+)大阪杯は詰めて使ったのが敗因か。金鯱賞の時計通り走れば楽勝。
(-)平坦ラップの逃げ馬。他に飛ばしていく馬がいる今回は合わない。

【-】サトノクロニクル

(+)巴賞は直線窮屈になりながら3着。前走ノーカウントで見直す手。
(-)4年以上連対にも至っていない。定量GIIでGI馬相手では厳しい。

【○】グローリーヴェイズ

(+)昨年のオールカマーで大外をぶん回して3着。早め進出なら勝機。
(-)ジリジリと追い上げるタイプ。直線距離短いここで届くかどうか。

【△→-】ハヤヤッコ

(+)函館記念で激重馬場の消耗戦を勝ち切る。他がバテる展開に強い。
(-)元はダート馬。逃げ馬の質が上がるここで前を交わせるかどうか。

【-】フィオリキアリ

(+)五稜郭Sは直線に向いてから差し届く。一瞬のキレで一角崩しも。
(-)持ち時計は冴えない。ハイペース濃厚のここは付いて回るだけか。

【-】ウインマリリン

(+)宝塚記念は時計速過ぎ。一度使って行き脚増せば押し切りも視野。
(-)内前が残る馬場と展開頼み。ここも追走強要が濃厚でしんどい。

【-】ソダシ

(+)昨年は先に動いてラヴズオンリーユー以下を完封。洋芝3戦全勝。
(-)ベストは高速マイル。距離延長ローテと軟らか馬場は懸念材料。

【-】ユニコーンライオン

(+)前走は公開調教。重賞好走時の坂井騎手とのコンビで復権狙う。
(-)昨年の好走時は軒並み展開に恵まれる。自力追走だと足りない。

【-】アラタ

(+)前々走は押し出されハナ、前走は激重馬場。好位追走で見直す手。
(-)金鯱賞が完全に力負けの内容。相手強化のここで復調は期待薄。

【▲】レッドガラン

(+)今年に入って重賞2勝。新潟大賞典はハイペース前付けで勝利。
(-)今回はGI級が相手。この枠だと希望のポジション取れるか微妙。

【-】ユーバーレーベン

(+)4角捲りの器用な脚あり。前がやり合うようなら便乗差しが有効。
(-)捲り切れず根負けし易いのが気になる。久々の競馬もイマイチ。

【-】ケイデンスコール

(+)昨年のマイラーズCはハイペース突き抜け。能力は申し分無し。
(-)このところ途中でやる気失くす。距離云々よりも精神的な問題。

【◎】アンティシペイト

(+)テン速く上がり要した福島民報杯を圧勝。ここも大外捲り一撃。
(-)終始外を回らされそうなのが厄介。捲り切れないとしんどい。


結論

アンティシペイトの前々走・福島民報杯はテン3ハロン33秒2に対して上がり3ハロン37秒0を要した消耗戦でコンマ8秒突き抜け。一度スイッチが入ると勝手に前に行ってしまう乗り難しい馬だが、ここ2走はハイペースが上手く嵌っている印象。昨夏のオホーツクSは大外ぶん回しで快勝と舞台設定も悪くない。今回は相手が強いが、金星を挙げる余地は十分ある。

グローリーヴェイズは3年前の日経新春杯で3秒6差の前傾ラップで差し切り勝ちがあり、一昨年のジャパンCで2秒5差の前傾ラップで先に動いてアーモンドアイとコンマ3秒差。ここなら内前居残りのオールカマーで後方から強引に捲って3着の自在性を活かせる。但しどちらかと言えばジリな部類で、直線269Mで間に合うか、軟らか馬場でも伸びてこれるかが焦点。

レッドガランは中山金杯、新潟大賞典と今年に入って芝2,000Mの重賞を2勝。特に新潟大賞典は前に行った馬が沈んでいく中で57.5kgを背負って前付けして勝利。今回は枠順的に差しに回ることになりそうだが、逆にそれが良い方向に作用するのでは。軟らか馬場の適性は何とも言えないが、デカ馬ということでこなす方に賭けたい。

パンサラッサは大逃げを打って後ろが詰めて来る前に押し切る競馬が得意。追い上げが効かない馬場で位置取りの利を活かすパターンで勝ち負けできるかが焦点。宝塚記念もこのパターンだったが、距離が若干長かったのとスタート直後の躓きが痛かった。今回は距離短縮かつ直線平坦、馬場が重たくて追い上げが効かない馬場と条件は上向く。

ハヤヤッコは土曜の軟らか馬場を見る限りではここでも通用する余地がある。あの馬場は一日晴れただけでは回復しなさそう。函館記念はテン3ハロン35秒3に対して上がり3ハロン38秒3を要した超の付く消耗戦で、前付けで唯一残した。今回も前傾ラップが濃厚で、他が伸びない中で相対的に残してきそう。

※馬場が良まで回復したのを受け、ハヤヤッコを切ってジャックドールを入れる。パンサラッサに競合せず2番手追走、パンサラッサがタレた場合に繰り上がりごっつぁんがありそう。(8/21 13:40変更)

◎アンティシペイト
○グローリーヴェイズ
▲レッドガラン
△パンサラッサ、ハヤヤッコジャックドール
馬複5頭ボックス(10点)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?