【競馬予想Vol.145】第56回共同通信杯

今回のテーマ

これまでの実績より将来性に注目

過去10年、前走重賞で3着以内に入っていた馬は【3・3・4・10】、単回値47・複回値63。斤量加算馬(57kg)は【2・2・1・7】、単回値52・複回値36。重賞勝ちのある1番人気馬が出走機会5回連続敗退中、1勝クラスを経由した馬が4年連続勝利中。

このレースは少頭数にも関わらず紛れが多い。その最たる原因は重賞好走馬の半数以上が圏外に飛ぶなど期待通りに走らないことと、ここが重賞初出走という格下が走ることにある。昨年も重賞を走ったことがなかった3頭がワンツースリーフィニッシュを決め、2・3着馬も次走で重賞を勝った。「過去にあの重賞で好走していたから」は買い材料として薄い。

前付けから速い上がりを繰り出しそうな馬を狙え

過去10年、前走で4コーナー6番手以内に付けていた馬は【8・6・5・41】、単回値109・複回値110。このうち前走で上がり3ハロン2位以内だった馬は【6・4・2・12】、単回値170・複回値107、出走機会5連勝中(いずれも3番人気以下)。ちなみに前走で4コーナー7番手以降に付けていた馬は【2・4・5・37】、単回値18・複回値53。

このレースは例年各馬の出方が慎重で、道中スローからの直線ヨーイドンになる傾向が強く、結果として道中の位置取りと瞬発力がモノを言いやすい。後ろから突き刺そうにも、前に付けた馬に似たような脚を使われると物理的に届かない。


トラックバイアス分析・展開予想

週末にかけての降雪の影響は無かったようで、前日の雲雀S(4歳以上3勝C・芝1,400M)は1分21秒1、クイーンC(3歳牝GIII・芝1,600M)は1分34秒1と水準以上の時計で決着。内も外も同等に伸びる馬場でバイアスはフラット。前走マイルで逃げられず消化不良の走りを強いられたビーアストニッシドが先制、ジュンブロッサムとレッドモンレーヴが追走。折り合い不安のダノンスコーピオンは内に入れて中団、アサヒ、ジオグリフ、ダノンベルーガは馬なりで後方から。展開的には前がフリーだが各馬離れず一団で推移して、直線は例年通りの末脚比べ。


全頭分析

【-】サンストックトン

(+)京成杯は後方から外を通って不発。未勝利脱出の舞台で仕切り直し。
(-)未勝利勝ちもジリジリとした伸び。今回の相手ではしんどいか。

【△】アサヒ

(+)東京スポーツ杯2歳Sも途中まで持ったまま。直線長いコース合う。
(-)東京で負けた2戦は完全にキレ負け。トップスピードは今一つ。

【△】アバンチュリエ

(+)3戦全て上がり最速。ジュニアCは前残り決着を外から詰める。
(-)3戦全て出遅れのスタート下手。ここも差して届かず懸念。

【-】エイシンシュトルム

(+)中央転入。美浦坂路での動きは水準以上で馬場渋ればワンチャン?
(-)芝未出走で判断不能とはいえ、先週までの高速馬場では出番無し。

【○】ジオグリフ

(+)朝日杯FSは外枠かつ速い流れに乗れず。新馬快勝の舞台で巻き返し。
(-)前走は行き脚の無さも影響。ここでも置かれるようだと苦しい。

【▲】アケルナルスター

(+)ホープフルSでも内から上がり最速で突っ込む。府中で末脚全開。
(-)行き脚皆無で毎回真後ろからの競馬。後ろ過ぎると届かない。

【-】レッドモンレーヴ

(+)前走行き脚良く好位付けから完勝。派手さは無いがレース上手。
(-)デビュー戦・前走共にドスロー。東京の軽い馬場も合うかどうか。

【-】ビーアストニッシド

(+)シンザン記念は後手踏まされ不完全燃焼。改めて前に出て勝負。
(-)競り合いになると不安。離し気味に行けないと残すのは難しいか。

【-】ジュンブロッサム

(+)行き脚良く楽に前付け。前走大逃げの展開をしっかり差し切る。
(-)デビュー戦は前付けの内から伸び悩む。加速力で見劣る。

【◎】ダノンベルーガ

(+)直線で鞭が入った瞬間にロケットの如く加速。凄まじい瞬発力。
(-)前付けに対応できるか微妙。構えるようだと差し損ねが心配。

【-】ダノンスコーピオン

(+)萩Sでキラーアビリティに競り勝ち。前付けならアッサリも。
(-)折り合い難あり。前走からペースダウンに対応できるかどうか。


結論

実績より素質、そして上がりの脚。ここは新馬勝ち直後の◎ダノンベルーガの素質と決め手に期待したい。デビュー戦の直線、鞭が入った瞬間に超加速。まさにロケットブースト。あの加速度はアンライバルド@皐月賞、ドゥラメンテ@皐月賞を彷彿とさせる。かなりヤバいお馬さんの予感がするので先物買いする。

○ジオグリフの前走は外枠+ハイペースで追走一杯だったし、直線に向いたところで前を走っていたオタルエバーが外に張った影響を受けてスパートが遅れる不利があった。新馬戦でアサヒを楽々下した瞬発力はいかにも東京向き。ハイからスロー、マイルから200Mの距離延長はいずれも好材料。

▲アケルナルスターは東京での初勝利が前残り展開を最後方近くからブチ抜くという物理法則無視の勝利。中山は明らかに不向きで、ホープフルSに出てきた時点でここ(東京替わり)で買おうと考えていた。案の定、上がり3ハロン最速の脚を繰り出して負け。ホープフルS組はマテンロウレオ(6着→きさらぎ賞勝ち)、オニャンコポン(11着→京成杯勝ち)と次走巻き返しが目立つ。

△アサヒは東京スポーツ杯2歳S2着と3戦3連対の同コース実績を買われている。実際大崩れは無さそうだが、デビュー戦でジオグリフに完敗しているし、東京スポーツ杯2歳Sも自身の後ろからやってきたイクイノックスに簡単に捻られてしまった。前々という馬でもないし、今回は上がり勝負でトップスピードの無さを露呈しそう。

△アバンチュリエはスタートが下手で毎回後ろからの競馬になるのがネックだが、ここまでの3戦全て上がり最速。ベゴニア賞はラストで勝ち馬(レッドラディエンス)が外に張ってスピードダウンのロスがあった。東京マイルのデビュー戦でソリタリオ(シンザン記念2着)を問答無用で突き刺しているし、この人気なら押さえておきたい。

◎ダノンベルーガ
○ジオグリフ
▲アケルナルスター
△アサヒ、アバンチュリエ
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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