【競馬予想Vol.178】第165回天皇賞・春

今回のテーマ

※京都競馬場改装工事中のため、昨年に引き続き今年も阪神芝3,200Mで施行。下記テーマは参考程度にご覧ください。

非父サンデーサイレンス系の産駒が大苦戦

過去10年、父ロイヤルチャージャー系(サンデーサイレンスなど)以外の種牡馬の産駒は【0・1・1・40】、単回値0・複回値46。2010年ジャガーメイル(父ジャングルポケット、ナスルーラ系)以降は11年連続でサンデーサイレンス直系の種牡馬の産駒が勝っている。

ここ8年は父サンデーサイレンス系の種牡馬の産駒がワンツースリーフィニッシュを決めている。特に父ネイティヴダンサー系(キングカメハメハなど)の種牡馬の産駒は延べ28頭が出走して全滅と極度の不振。ユーキャンスマイル(父キングカメハメハ)はここ3年人気を背負いながらいずれも凡退、2020年は菊花賞馬キセキ(父ルーラーシップ)が2番人気を背負いながら6着に終わった。


トラックバイアス分析・展開予想

前日にまとまった量の雨が降ったにも関わらず馬場の乾きが早く、午後には良馬場まで回復。開催最終週にも関わらず芝が丈夫で内が使える。流石にゴール前は傷みが酷いが、外差し一辺倒にはなっていない。しかし再度雨が降って内は走りにくい状態になりそうで、上がりを要するパワー型決着を想定。外枠からでもタイトルホルダー、ディープボンドが前へ。アイアンバローズ、テーオーロイヤルが内からこれらに抵抗。人気どころが前で主導権争いを演じそうなだけに、妙味はこの直後に構える差し馬。中団差しが出来そうな馬を狙いたい。


全頭分析

【-】アイアンバローズ

(+)直近2戦は積極策で善戦。最内枠を引いたここも果敢に行くのみ。
(-)前に行く分だけ終いは甘くなる。内の悪いところを通らされそう。

【-】ハーツイストワール

(+)早春Sは直線内から差し切り。ここも無欲の内突きで一角崩し。
(-)自己条件を勝ったばかりの格下。この相手を差せるとは思えない。

【-】ディバインフォース

(+)ステイヤーズSは外差しで快勝。道中脚が溜まれば決め手脅威。
(-)昨年は後方のまま何も出来ず。相手揃うここも付いて回るだけ。

【-】ユーキャンスマイル

(+)阪神大賞典は休み明けの影響か直線外に張る。叩いてここが本番。
(-)毎回後ろからの競馬。現状の脚では前が止まらないと届かない。

【○】マカオンドール

(+)阪神大賞典は出負けが響く。内枠から前に出していければ通用。
(-)スタート後の行き脚緩い。後方追い上げの競馬では前走の二の舞。

【-】メロディーレーン

(+)古都Sは前付けで完勝。中9週以上の間隔を空けた時は3連勝中。
(-)多頭数だと位置が取れない。華奢過ぎて体力的にもしんどい。

【-】テーオーロイヤル

(+)着差を広げての4連勝。ダイヤモンドSは後ろを見遣る余裕あり。
(-)相手強化の上に初の58kg。力が要る渋った馬場への適性も微妙。

【-】クレッシェンドラヴ

(+)日経賞は前付けで善戦。展開次第ではまだ通用する力がある。
(-)前走にしても勝ち負けには至らず。距離延長では脚持たない。

【△】ヒートオンビート

(+)ズブいが叩けば伸びる脚は長距離戦向き。目標は強いほど良い。
(-)詰める脚はあるが交わすところまでいかない。展開の助け必要。

【-】トーセンカンビーナ

(+)ダイヤモンドSで差脚健在アピール。前がもつれるようなら出番。
(-)スタート下手で毎回後ろからの競馬。ここで直線一気は非現実的。

【-】マイネルファンロン

(+)AJCCは外差し馬場に乗って2着激走。嵌った時の破壊力は随一。
(-)今回はTBに偏り見られず。後方を付いて回るだけで終わりそう。

【-】ハヤヤッコ

(+)久し振りに使った芝で上がり最速マーク。終いの脚に賭けるのみ。
(-)前走内枠+渋って荒れた芝が奏功しても5着まで。力が足りない。

【△】ロバートソンキー

(+)神戸新聞杯でディープボンドに先着。重い馬場で差し切りあり。
(-)まともに使えていないとはいえ自己条件で負けてGI挑戦は無謀。

【-】ヴァルコス

(+)ダイヤモンドSは進路を探しつつ4着。長距離でも終いの脚強力。
(-)丸2年連対無し。毎回善戦止まりで嵌っても突き抜けまでは疑問。

【△】タガノディアマンテ

(+)京都記念は内前で粘って2着。長距離戦で連対あり居残りに注意。
(-)ここは前に行く馬が強力で展開利薄い。追い比べになると厳しい。

【▲】タイトルホルダー

(+)阪神開催の菊花賞で圧巻逃げ切り。ここもマイペースで行くのみ。
(-)前走格下相手に大接戦。逃げ以外で連対が無いのも気になる。

【-】シルヴァーソニック

(+)3,000M以上で4戦していずれも3着の堅実派。相手なりに走る。
(-)並ばれてから差し返す脚が無い。構えても差し切りまでは困難。

【◎】ディープボンド

(+)国内に限ればGIを含む5連続連対中。太目を叩いて昨年の雪辱へ。
(-)前走久々とはいえ勝ち方に余裕無し。余計に脚使わされる大外枠。


結論

◎ディープボンドは昨年2着、有馬記念2着、阪神大賞典連覇で実績的に抜けた存在であることは否定しないが、今年の阪神大賞典の勝ち方に余裕が無かったのと、今回フルゲートの大外枠を引いてしまったことで盤石の存在では無くなった。それでもここは相手が弱いし、大崩れは考えにくい。重馬場だった昨年の阪神大賞典で圧勝しているし、雨が降ったのは相対的にプラス。

○マカオンドールは前走スタートで行き遅れた結果の差し損ねで度外視可。この馬で全4勝を挙げている松山騎手に手が戻るのはプラス。阪神も渋った馬場も苦にしない。行き脚がさほど無いのが気になる位。ある程度は出していってもらいたい。

▲タイトルホルダーはハナを奪った時は【4・2・0・0】、ハナを奪えなかった(控えた)時は4戦全敗。有馬記念は大外枠を引いてしまった上、内からパンサラッサに出られて2番手追走から5着止まり。内から何か出てきそうな今回は逃げられずも念頭に置いておきたい。これが杞憂に終わり、難なくハナを奪えるようなら渋った馬場を味方にスンナリ押し切りそう。

△ロバートソンキーはディープボンドに神戸新聞杯で先着、菊花賞はコンマ4秒差。未だ条件クラスにいるのはまともに使えていないためで、能力は既に重賞級。重たい馬場の差しは得意で、前過ぎず後ろ過ぎずの位置を取れれば面白い。

△ヒートオンビートはとにかくジリで、毎回加速が乗ったところでレースが終わっている。とりあえずバテないので距離が延びるのはプラスっぽいし、前がやり合いそうなここは純粋に展開が向く。渋った馬場は得意で、雨予報も歓迎。

※12時30分追記
馬場が渋って前が止まらないっぽいので、長距離実績のある先行馬△タガノディアマンテを追加。並ばれると脆いものの、前に行きさえすれば居残りに期待できる。枠は外だが、強い馬の近くで付いていけるのはむしろ好都合。

◎ディープボンド
○マカオンドール
▲ディープボンド
△ロバートソンキー、ヒートオンビート、タガノディアマンテ
馬複◎流し(5点)、3連複◎1頭軸流し(10点)
※馬券はノーベット。

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