【競馬予想Vol.204】第22回アイビスサマーダッシュ

今回のテーマ

外枠優勢だが外ばかり買うな

過去10年、4枠より内に入った馬は【2・3・2・65】、単回値8・複回値48、5枠より外に入った馬は【8・7・8・65】、単回値82・複回値63。前者で3着以内に入った7頭のうち、2021年3着バカラクイーン(14番人気)を除く6頭は4番人気以内に推されていた。

知り尽くされた事実だが、やはり馬場が綺麗でラチを頼り易い外枠が優勢。ここ10年は6枠より外が必ず連対しているが、6枠より外同士のワンツーは意外にも3回しかない。内枠の馬をいかに絡めるかがポイント。

前走でハナを奪っていた馬を狙え

過去10年、このレースで先頭に立った馬は【3・6・0・7】、単回値73・複回値101で現在6年連続連対中、2019年は先頭に立った馬同士でワンツー。前走でハナを奪っていた馬は【4・4・1・14】、単回値61・複回値82で、このうち前走で今回と同じコースで先頭に立った馬は【2・2・0・1】、単回値194・複回値150。

1,000Mを走り切るだけのレースで、駆け引きも何もない。ただ単に速く走った者勝ちで、序盤からぶっ飛ばしても普通に勝ち負けになる。従って「逃げ馬から買う」という単純思考は的を射ている。


トラックバイアス分析・展開予想

昨日から夏の新潟開催スタート。中間は月曜に弱い雨が降った以外はカンカン照りで、馬場は超高速。クッション値は日曜朝時点で9.0だが、土曜の新馬戦でリバティアイランドが上がり3ハロン31秒4をマーク、メイン・関越Sが直近5年の夏開催芝1,800M最速の1分44秒8で決着したように体感ではもっと硬め。とにかく速く走れる能力を重視。遅い馬は要らない。


全頭分析

【○】ライオンボス

(+)本レース3年連続連対。直線競馬における高速決着はお手の物。
(-)よりによって最内枠。自らの競馬に徹してどこまでやれるか。

【-】トウショウピスト

(+)3年前に上がり最速をマークして4着。無欲の突っ込みに注意。
(-)最後に連対したのは5年近く前。往年の力には期待できない。

【-】オールアットワンス

(+)昨年は終盤早め抜け出しで快勝。時計通り走れるなら今年も有力。
(-)韋駄天Sは内枠から内へ寄せ切れず完敗。今回もまた内枠で不安。

【-】スティクス

(+)勝った4戦はいずれも逃げ切り。とにかく行き脚全開で活路開く。
(-)4コーナーで苦しくなったCBC賞の内容不満。重賞では力不足。

【-】ロードベイリーフ

(+)韋駄天Sは馬群の後ろから差して2着。西村騎手再騎乗で再現期待。
(-)基本的に後ろからの馬。時計が速くなると物理的に届かない。

【-】マリアズハート

(+)菊沢騎手とのコンビで直線競馬2戦2勝。馬群の捌きも上手い。
(-)同コースで勝った2戦はいずれも16番枠。今回は内枠で半信半疑。

【-】キタイ

(+)結果はどうあれここ2戦ハナ奪う。大幅距離短縮で一発に期待。
(-)オープンクラスで二桁着順連発。速さ以前に力が全く足りない。

【△】マウンテンムスメ

(+)前付けして連勝でオープン入り。前に行き切れるなら侮れない。
(-)時計要す馬場で実績積む。開幕直後の軽い芝が合うかどうか。

【-】パーティナシティ

(+)ダートだが新潟で3戦連続連対中。久々も栗東坂路好時計マーク。
(-)オープンクラスでサッパリ。そもそも速さの裏付けが全く無い。

【-】ジュニパーベリー

(+)稍重の稲妻Sで54秒8をマーク。時計通り走れば普通に通用する。
(-)韋駄天Sは他に行かれて完敗。この枠だと左右から挟まれて劣勢。

【▲】アヌラーダプラ

(+)ハイペース追走は問題無し。美浦Dコースでラスト1F10秒台連発。
(-)ほぼ1年振りの実戦かつ日本初参戦のホー騎手。未知な部分多い。

【-】トキメキ

(+)昨年追い込むも内ラチ馬に届かず4着。OP入り直後の勢いに期待。
(-)駿風Sの時計平凡。昨年も勝ち馬から離されており時計短縮微妙。

【-】ヴェントヴォーチェ

(+)春雷Sは前付けで加速ラップ踏む完勝。同コースでも勝利あり。
(-)押して前に行けなかった前走内容が気になる。立て直しは疑問。

【-】オヌシナニモノ

(+)ダートが主戦場も前付け出来ている。芝2戦目で行き切れれば。
(-)韋駄天Sはラスト失速しての完敗。芝ではスピード不足を露呈。

【-】クリスティ

(+)阪神牝馬Sでハナ奪ってコンマ5秒差。今回初ブリンカー。
(-)好走は専ら湿った馬場。速い馬だらけのここは速攻で置かれそう。

【△】ビリーバー

(+)直千競馬の追い込み馬。韋駄天Sは前を捌き切れず消化不良。
(-)馬群の後ろに構えるのでとにかく詰まりやすい。進路確保が課題。

【◎】シンシティ

(+)韋駄天Sは内からハナ奪って僅差。今回外枠引けたのは大きい。
(-)芝は前走1回走っただけ。今回斤量加算で相手も揃い厳しい。

【-】レジェーロ

(+)直近の3連対は二桁人気。前には行けるので大外枠が嵌るかも。
(-)内前優勢のCBC賞で内から前付けして完敗。精神的な問題か。


結論

シンシティは明らかに力が足りないし、鞍上の富田騎手の手腕も不安だが、定石の外枠を引けたこと、直線競馬で先頭に立った直後であること、栗東坂路で1週前4F50秒4-1F12秒1、今週も終い重点で速い上がりをマークして調子が良さそうなことを勘案して中心視する。

ライオンボスは時計実績がダントツで、率直に言って速い。今年は例年以上に超高速かつ内が伸びる馬場で、最内枠を引けたのはむしろ良かったかもしれない。昨年のバカラクイーンが最内からでも勝負になることを証明してくれたし、3年連続連対中の本馬なら普通に勝負になるはず。

アヌラーダプラは調教の動きだけならイチ押し。先週日曜、今週水曜と美浦Dコースでラスト1F10秒台を馬なりでマーク。体幹がブレず、真っ直ぐ走っていたのが印象的。ほぼ1年振りのレースで即重賞を使うというのは余程自信がある証。前付け出来れば勝ち負け。

ビリーバーは隣がハナ候補のシンシティというのが良い。序盤は抑えて、終盤に末脚を爆発させるタイプで、一昨年はそれで3着に突っ込んできた。直線競馬は外に馬が密集しやすく、割れずに終わることのほうが圧倒的に多い。ならば速い馬の後ろに付けて出し抜く方が手っ取り早い。

マウンテンムスメは直近10走中8走でハナ、他2走も2番手で行き脚は抜群。この間に直線競馬で先頭を2回経験。今回騎乗するM.デムーロ騎手は2015年・2016年のベルカントで連覇、2018年のラブカンプーで2着に入ったことがあるように「直線前付けの心得」がある。

◎シンシティ
○ライオンボス
▲アヌラーダプラ
△ビリーバー、マウンテンムスメ
馬複5頭ボックス(10点)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?