【競馬予想Vol.329】第55回函館2歳S



今回のテーマ

前走ハナを奪っていた人気馬は疑え

過去10年、前走芝でハナを奪っていた馬は【3・3・3・36】、単回値39・複回値117。このうち3番人気以内に推されていた馬は【1・1・1・7】。ちなみに前走芝で2番手以降に付けていた馬は【7・6・6・51】、単回値114・複回値109。

逃げ切り勝ちの馬は人気を集めて飛びやすい。2020年はハナを奪って独走、5馬身離してレコード勝ちしていたモンファボリ(1番人気・単勝1.5倍)が13着、2021年はハナを奪って4馬身差勝ち、1分7秒9のレコード勝ちしていたポメランチェ(1番人気・単勝2.2倍)が7着、昨年もハナを奪って2馬身勝ちのスプレモフレイバー(1番人気・単勝3.5倍)が8着に沈んだ。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は日曜と月曜に散水、月曜に芝刈りを実施。火曜と水曜にそれぞれ10ミリほどの降雨を記録。その後持ち直したものの、土曜未明から強めの雨の予報で馬場はかなり緩くなりそう。含水率は4コーナー17.3%、ゴール前17.3%、土曜朝時点のクッション値は7.2。雨は降り続いており、更に緩くなる想定。

  • 函館は第1回からの連続開催で今週が最終週。第1回開催から数えて前4週はAコース、残り2週はBコースを使用している。先週はBコース替わり当週で内が使える状態だった。しかし土曜未明からの雨で一気に外差しに触れるかもしれない。バイアスは直前まで見極めたいところ。

  • ペース想定:やや速い(テン3ハロン34秒台前半)

  • テンからぶっ飛ばす鉄砲玉のような逃げ馬は見当たらない。内枠にスカイキャンバス、ロータスワンドという人気の逃げ馬が収まり、これらにバスターコールらが絡んでいきそうだがペースは例年より遅めを想定。馬場も比較的綺麗な状態であることを考慮すると、内ピタ先行が優勢ではないかと推測する。


全頭分析

【-】スカイキャンバス

(+)テン争い制してハナ、内ピタで回ってきて直線後続離して楽勝。
(-)開幕週初日で行った者勝ち。今回は最終週&同型多数&距離延長。

【△】ロータスワンド

(+)スタート決めてほぼ馬なりで押し切る。姉兄はこのレースの覇者。
(-)外枠で全く揉まれなかったのも奏功。今回はそこまで楽出来ない。

【-】チークタイム

(+)序盤から競り合い、直線も叩き合いから抜け出す。渋太い馬。
(-)序盤かなり押しながらハナに立てず。スピードは足りていない。

【-】タヤスロンドン

(+)他に行かせた上で4角外から被せて楽勝。ラストは抑える余裕。
(-)5頭立てでうち1頭は論外。実質的に競馬をしておらず真価不明。

【▲】ナスティウェザー

(+)締まって速くなった砂で上がりの競馬を制す。芝に転じて吉か。
(-)幾ら何でも序盤緩過ぎ。芝の勝ち上がり馬相手の今回は厳しい。

【△】バスターコール

(+)終始適度に競り合いながらの完勝。1,000M通過57秒8は速い。
(-)小回りコースも洋芝も共に未経験。後手に回った際の対処も不明。

【-】クールベイビー

(+)行き脚絶好から控えに回って楽に差し切る。好位付けセンス高い。
(-)流れ緩く追走楽は否めず。頭数増&快速馬集結の今回は評価微妙。

【-】カレンナオトメ

(+)4角大外ぶん回し、直線フラつきながら3着。可憐どころか破天荒。
(-)スタート緩く速攻で置かれる。前走と同じ競馬なら今回出番無し。

【-】ナナオ

(+)控える競馬を2度経験。前走は4角先頭から直線後続離して完勝。
(-)牝馬限定で流れ緩く半信半疑。小柄な馬で中1週続きも気掛かり。

【-】アガシ

(+)前走は3角手前からのロングスパートで勝利。息の長い脚を使う。
(-)スタート今一つで行き脚も緩め。最終週とはいえ時計短縮も課題。

【-】コルルディ

(+)テン速い流れを先導、先頭キープのまま押し切る。行き脚は良い。
(-)ラスト詰められての辛勝。控える競馬も出来なさそうで苦しい。

【◎】レガテアドール

(+)前走は内を立ち回り直線寄ってきた馬を捌いて快勝。ドリブラー。
(-)2戦共テンで置かれ気味。後方から外回らされても届くかどうか。

【○】ベルパッション

(+)スタート出負け気味、直線入口まで前が壁ながら追って弾ける。
(-)ペースはさほど速くなく相手が弱かった感。ペースアップ課題。

【-】ルージュレベッカ

(+)スタートから果敢にハナ奪取、手応えを余すことなく押し切る。
(-)少頭数でレースが落ち着いた上相手も激弱。ここではしんどい。

【-】ゼルトザーム

(+)直線外からほぼ持ったままで差し切る。レースセンスを感じる。
(-)スタートもっさり気味。芝に替わるここで置かれると厳しい。


結論

レガテアドールはデビュー戦を見なかったことにできるほど前走が充実の内容。テン3ハロン33秒6の激流を好位集団の中で追走して、直線内に入れて2馬身抜け出し。函館2歳Sも例年この位のテンの入りになるので、むしろこれより少し緩いぐらい想定のここも楽々突き抜けるのでは。

ベルパッションのラストの伸びは函館デビュー戦で近年見ないレベルの反応。まさに瞬時の加速。デビュー戦をライブで見て、即座に次走函館2歳Sを勝つと確信した。ただ誤算なのはこの馬場。瞬発力型の馬にこの馬場は良いとはいえない。またペースが上がってもあの脚が使えるかは走ってみないと分からない。週半ばの想定より人気しているので厳しめにジャッジする。

ナスティウェザーは相手が緩過ぎて先頭で脚を溜める競馬になり、直線で差を広げての楽勝。単にガーッと行って残しただけではないというのはラスト3ハロンが加速ラップになっていることからしても明らか。今回は周りが速いので追走の競馬になると思う。溜める競馬は「前走やっている」ので問題無し。

ロータスワンドはスタートが速く行き脚もあるので、他が執拗に競りかけてこないという前提ならこの内枠は良い。ハナに立ってテン3ハロン34秒台前半ぐらいで行けるなら勝算がある。控えて良さそうな感じはしないので、何かに行かれると沈むと思う。

バスターコールは表記上「1-1」の逃げ切り勝ちだが、道中ずっと2番手の馬に張り付かれていてしんどい競馬だった。ラスト1ハロンをカットして1,200M換算すると1分9秒8で、机上の計算ならこの馬が最も速い。洋芝に替わってどうかだけ。

◎レガテアドール
○ベルパッション
▲ナスティウェザー
△ロータスワンド、バスターコール
馬複5頭ボックス(10点)

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