【競馬予想Vol.209】第57回テレビ西日本賞北九州記念

今回のテーマ

前走重賞勝ち馬は素直に買え

過去10年、前走で重賞を勝っていた馬は【2・5・0・2】、単回値152・複回値183。このうち2014年のツルマルレオン(10着)は前年のこのレース以来1年振りの実戦で、圏外に飛んだと言えるのは2020年のジョーカナチャン(7着)のみ。

重賞に限らず、前走勝ち馬は【4・8・2・21】、単回値96・複回値123と勢いがそのまま通用する傾向がみられる。重賞勝ち直後の馬がそのまま上位に来るというのも納得できる。

前走で後ろから行った人気薄に注意

過去10年、前走4コーナーで5番手以降から競馬をしていた馬は【7・4・5・83】、単回値120・複回値114。このレースで4コーナー6番手以降から差して勝った馬は6頭いるが、いずれも6番人気以下の伏兵馬だった。

小倉芝は開催が進むと馬場の内が傷んで外が優勢になりやすい。力があれば前付けでも押し切れなくはないが、力が足りなくても差しが効く余地は十分ある。


トラックバイアス分析・展開予想

今週は火曜から木曜にかけて連日20ミリを超えるしっかりとした雨が降った上、日曜未明に58ミリというドカ雨を記録。含水率は4コーナー15.1%、ゴール前13.5%まで一気に悪化。前日がそれぞれ8.6%、9.6%だっただけに、前日の馬場傾向は使えなくなっている可能性が高い。小倉は開催が進んで馬場が傷むとあっさり外差しにシフトするので、ここも外差し重視で考えておきたい。そもそも日本レコードで逃げ切ったテイエムスパーダにアイビスサマーダッシュでハナに立ったシンシティ、叩き2戦目のファストフォースが加わることで前は望まぬハイペースが濃厚で、差しが決まりやすい下地はある。前傾ラップに強い差し馬の台頭に注意。


全頭分析

【-】ボンボヤージ

(+)昨年は大外枠で出番無し。内を捌けるようなら一発あっても。
(-)オープン入り後は掲示板にすら載れず。軽ハンデ貰っても厳しい。

【-】アネゴハダ

(+)CBC賞は時計速過ぎて追い付けず。今回斤量据え置きで逆転視野。
(-)前走直線で逆に離されたのは不満。スピードの絶対値で見劣る。

【△】タイセイビジョン

(+)CBC賞は超絶高速前残り馬場で差して2着。実力上位は疑いなし。
(-)前が止まらず届かずの繰り返し。後ろから行って僅かに足りない。

【○】テイエムスパーダ

(+)CBC賞は行き切って大楽勝。今回ハンデ積まれたがまだ軽過ぎ。
(-)シンシティと競合必至。お互いやり合うようだとしんどくなる。

【-】レジェーロ

(+)アイビスSDで差して僅差4着と漸く復調示す。今回初ブリンカー。
(-)前走は枠順の恩恵大。CBC賞の負けっぷりからしてアテにならず。

【-】ザイツィンガー

(+)オープンクラスで差して接戦あり。前が止まるなら相対的に浮上。
(-)基本的に後ろを付いて回るだけ。この距離も良いとは言えない。

【-】シンシティ

(+)直線競馬で連続して善戦。ぶっ飛ばすだけならここでも互角。
(-)コーナーがある芝コースは初めて。前に行けても残せるか疑問。

【-】ビオグラフィー

(+)昨年から北九州短距離S勝ちを上積み。中央の枠引けたのは良い。
(-)昨年京王杯SC善戦後で通用せず。このメンバーに入ると速さ不足。

【-】モントライゼ

(+)小倉でメイケイエールの2着あり。状態まともなら余裕で通用。
(-)昨夏以降全くダメ。前走も途中から付いて行けずで話にならない。

【-】カレンロマチェンコ

(+)ダートながら逃げて3勝は評価。今回障害帰りで初ブリンカー。
(-)条件激変狙いも単純に相手が強く太刀打ち不能。付いて回るだけ。

【▲】チェアリングソング

(+)福島テレビOPは真後ろから大外を通って3着。終いの脚は強烈。
(-)この中に入ると持ち時計平凡。いい脚使っても物理的に届かない。

【-】メイショウチタン

(+)CBC賞は久々を考慮すれば大健闘。前に行けるなら通用していい。
(-)重賞では毎回4コーナーで一杯。力不足は明白で下積みが必要。

【-】ファストフォース

(+)昨年は番手追走で2着。一度使って上向くなら通用の余地がある。
(-)最近行きっぷりが悪いのが気になる。今回も周りが速く厳しい。

【-】ディヴィナシオン

(+)4戦連続上がり最速マーク。毎回僅差で斤量差活かせれば面白い。
(-)前走は少頭数で捌き楽。このメンバーだと後ろに置かれて終了。

【-】フレッチア

(+)常に前付け出来る脚はある。ダートカマシ&ホー騎手で激変も。
(-)オープンクラスのスプリント戦の実績に乏しく、ここでは厳しい。

【◎】ナムラクレア

(+)距離短縮で迎えた函館スプリントSを快勝。本コースで2戦2勝。
(-)18頭フルゲートの外枠。内の馬に主導権奪われそうなのがどうか。

【-】ジャンダルム

(+)スプリント戦に転戦して2勝。すんなり前付け出来た時は強い。
(-)昨年は出遅れて詰め切れず。今年も休み明けでスタートが心配。

【△】キャプテンドレイク

(+)下位クラスとはいえ本コースで連勝あり。函館からの転戦は好感。
(-)勝ちに行くだけの速さ不足。この枠からベスポジ取れるか微妙。


結論

ナムラクレアは距離に壁があるタイプの純粋スプリンター。今回は前走から3kg加算されるが、これでもまだ2歳時に課された斤量よりも軽く、ハンデになっていない。外枠も開幕週なら最悪だが、直前にドカ雨が降ったことで内はしんどくなりそうで、4角外前のウイニングロードを通って連勝が濃厚。

レッドスパーダもナムラクレアと同様に前走から3kg加算されても2歳時に課された斤量より3kgも軽い。ハンデキャッパーが前例主義に囚われて仕事をしていない以上押さえざるを得ない。不良馬場のフェニックス賞で最内からハナを奪ってナムラクレアの2着ならここでも問題無し。

チェアリングソングは前傾ラップのアクアマリンSを差し切り勝ち。そこで後に函館スプリントSで2着に入るジュビリーヘッド(3着)を負かしている。福島テレビオープンは大外の見えないところからラスト突っ込んできての3着で、小倉の外差し展開で要らんことをしてきそうな感じがする。

キャプテンドレイクは函館スプリントSで後ろから行ってナムラクレアにコンマ5秒差の5着。ナムラクレアが今回3kg積まれるのに対し、本馬は1kg減で斤量差は2kgに縮まる。持ち時計に限界がある馬だけに、直前のドカ雨は歓迎材料。小倉の桃帽は2戦2勝で、位置が取れるならかなり面白い。

タイセイビジョンはCBC賞で8kg差の斤量差があったアネゴハダを後ろから交わして2着。シレっと内に入れた上で最短距離を通っての追撃だったが間に合わなかった。前が速くなりそうなここも引き続き注目したいが、今回は内が伸びない可能性があり、同じ乗り方だとしんどいかもしれない。

◎ナムラクレア
○レッドスパーダ
▲チェアリングソング
△キャプテンドレイク、タイセイビジョン
馬複5頭ボックス(10点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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