【競馬予想Vol.173】第82回皐月賞

今回のテーマ

非トライアル組の優勢続く

過去10年、トライアル(弥生賞、スプリングS、若葉S)を使った馬は【2・8・6・86】、単回値17・複回値56、トライアルを使わなかった馬は【8・2・4・57】、単回値110・複回値54。連対数は同じでも、勝ち馬の数は歴然とした差が付いている。

本番と同じ舞台で行われる弥生賞組がイマイチで、勝ち馬が【0・3・0・6】、単回値0・複回値88、2着馬は延べ8頭が出走して全滅と散々。スプリングS勝ち馬【1・0・2・6】、単回値41・複回値124、同2着馬【1・1・1・6】、単回値161・複回値86のほうが幾分マシ。外厩の活用により本当に強い馬はトライアルを使わない傾向が強くなりつつあり、結果としてそれが正解になっている。勝ち馬候補は非トライアル組から選びたい。


トラックバイアス分析・展開予想

開催最終週らしく外伸びにシフト。土曜後半の芝2レースはいずれも直線で外を通した馬が勝利。山藤賞はルメール騎手騎乗のローシャムパークが少頭数にも関わらず4コーナーで外を回していたが、あれは内の状態が良くないからこその意図的な騎乗。内ピタ先行は割引、外差しを狙いそうな馬にフォーカスを当てたい。逃げ候補のビーアストニッシド、デシエルトが共に外枠に収まり、これらが内を締めながらの先行争い。内枠に入った馬は位置を主張しないと後ろからの競馬になりそう。平均ペースで流れて、全馬一団からの叩き合い。基本は外差し。


全頭分析

【▲】ダノンベルーガ

(+)スパート後の加速力は世代随一。進路確保出来れば突き抜ける。
(-)東京で外差ししかしていない。多頭数で揉まれる競馬は未知数。

【-】アスクビクターモア

(+)弥生賞は多少掛かりながらも立ち回りでカバー。先行力は確か。
(-)フルゲートの競馬は未経験。他に行かれた場合の対応力不明。

【-】トーセンヴァンノ

(+)今年6戦目のタフ馬。内枠を引いた今回は経済コース立ち回り。
(-)年明け後はサッパリ通用していない。ここも付いて回るだけ。

【○】キラーアビリティ

(+)ホープフルSは前付けから直線先に抜けて完勝。内枠は好感。
(-)行き切れず囲まれると捌き不安。後ろから一気に来られると辛い。

【-】グランドライン

(+)ホープフルSは内ピタ逃げで見せ場作る。ハナ奪ってどこまで。
(-)内前有利のスプリングSが負け過ぎ。叩いて良化示しても厳しい。

【-】ジャスティンロック

(+)弥生賞は勝負どころで外回らされる不利あり。終いの脚は確か。
(-)前走以上に相手揃う。不利無しでも突き抜けまではしんどい。

【-】ボーンディスウェイ

(+)中山で立ち回り自在。弥生賞は強敵相手に差し構えて善戦。
(-)完璧に乗られたホープフルが5着。上積みあっても足りない。

【-】ダンテスヴュー

(+)きさらぎ賞は外差しに屈して惜敗。力の要る馬場なら通用する。
(-)前走でも位置取り切れず。後ろに置かれるようだとノーチャンス。

【△】サトノヘリオス

(+)スプリングSは前残り+前詰まりで差して3着。馬群割れれば妙味。
(-)詰めて使ったホープフルSが惨敗。叩いて良化より二走ボケ心配。

【-】ジャスティンパレス

(+)コースやペース不問で大崩れせず走る。基本前付けで安定評価。
(-)ホープフルSは他馬失速・後追いの2着。相手揃うここは微妙。

【△】オニャンコポン

(+)京成杯は差し向けて突き抜け。走る度に時計詰めているのは好感。
(-)前走は空き巣同然の雑魚メンバー。強敵相手にどこまでやれるか。

【△】ドウデュース

(+)弥生賞は4コーナーで進路狭まりながら2着。叩いてここが本番。
(-)外差しに向ければ十分通用も、鞍上の皐月賞成績が冴えず心配。

【-】ビーアストニッシド

(+)ハナ奪うと渋太い。走っても人気にならずここもステルス逃げ。
(-)共同通信杯は完敗の内容。この枠からだと前に行くだけで脚使う。

【-】ジオグリフ

(+)共同通信杯は勝ち馬より1kg背負う。札幌2歳Sの捲る脚を再評価。
(-)行き脚今一つなだけにこの外枠は微妙。詰め切れるかどうか。

【-】ラーグルフ

(+)弥生賞は4コーナーで前塞がる不利あり。今回人気大暴落で妙味。
(-)上手く内突いたホープフルSが3着。外を回すようだと魅力下がる。

【-】デシエルト

(+)若葉Sは初芝でも問題無く3馬身差快勝。行きっぷりの良さは脅威。
(-)前走は弱い相手に展開も恵まれる。今回の枠は外過ぎで詰み。

【-】マテンロウレオ

(+)弥生賞は基本前付けで出番無し。初ブリンカーで変わり身あれば。
(-)行き脚の緩さは中山で致命的。ラストでいい脚使っても後の祭り。

【◎】イクイノックス

(+)東京スポーツ杯2歳Sは大外一気の突き抜け。奥行きの深さ感じる。
(-)ぶっつけで初の中山。外の馬場を意識し過ぎて距離損を被りそう。


結論

実力伯仲の大混戦。ここはポテンシャルを信じて◎イクイノックスで攻めたい。東京スポーツ杯2歳Sは今となってはメンバーがショボいものの、後半1,000Mを57秒6でまとめての2馬身半突き抜けで文句無し。今回はスタート直後がゴチャつきそうなだけに、影響を受けずに余裕を持って被せに行ける大外枠は好都合。縦長にならない限り大外から突き抜ける。

○キラーアビリティはホープフルSで内前から突き抜けており、今の中山の馬場では再現性に乏しい。横山武史騎手が今年のGIで絶望的に乗れておらず、この内枠は捌きに苦労するかもしれない。小倉での初勝利は4コーナーで外を回して突き抜けているだけに、ここは下げて外差しに徹してもらいたい。

▲ダノンベルーガは追い出されてからの加速力性能が半端無く、狭い中山より広い東京向きの馬であることは間違いない。右後脚に大怪我の履歴があり、右回りコースで踏ん張りが効かないという懸念はあるが、左回りでも右後脚は使うし、あまり気にしなくても良いのでは。

△ドウデュースは使う必要が無かった弥生賞にわざわざ出てきて負け。4コーナーでゴチャついての2着なら気にする必要は無い。ここは慎重に外差しに向けるはず。但しディープインパクト以来13回騎乗して1回も連対が無い(3着は2回あり)武豊騎手の皐月賞における手腕は気になる。他に勝ったのは1993年ナリタタイシンと2000年エアシャカールで、26回騎乗して3回しか勝っていない。

△サトノヘリオスは内前だけで決まってしまったスプリングSで唯一差してきて3着。直線で前が壁にならなければもっと差は詰まっていた。ホープフルS13着はレコード勝ち後中1週の長距離輸送でノーカウント。ここは人気も無いし、ダメ元で内を突く競馬をやってもらいたい。

△オニャンコポンはホープフルSで期待したが4コーナーであえなく撃沈。ただ京成杯が外差し一気の強い勝ち方で、今の馬場傾向にマッチする。父エイシンフラッシュと同じローテと枠番、母父ヴィクトワールピサは父を皐月賞で下したライバルという面白い配合。横文字のカッコイイ系の名前ならもっと人気していたはず。

◎イクイノックス
○キラーアビリティ
▲ダノンベルーガ
△ドウデュース、サトノヘリオス、オニャンコポン
馬複◎○▲△ボックス(6点)、3連複F◎○▲-◎○▲-◎○▲△△△(10点)

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