【競馬予想Vol.208】第57回関屋記念

今回のテーマ

直線一気を過信するな

過去10年、このレースで上がり3ハロン最速をマークした馬は【1・3・1・6】、単回値68・複回値109と半数以上が圏外に敗れている。最後の直線が659Mと長くて差し・追い込みが決まり易い印象を受けるが、4コーナーで10番手以降に付けていた馬は2勝2着3回の5連対に留まる。

新潟外回りでは速い上がりを繰り出せそうな馬が買われやすいが、実際にはあまり来ていない(上がり最速の脚を繰り出しても届かないことが多い)。妙味は速い上がりの脚が無くても前に行ける馬。

母父ニアークティック系の馬に注目

過去10年、母父ニアークティック系の馬は【8・6・4・39】、単回値89・複回値78、母父ニアークティック系以外の馬は【2・4・6・96】、単回値16・複回値35。

母父ニアークティック系の馬は毎年連対していて、目下4連勝中。今年の該当馬はシュリ(母父Giant's Causeway)とダノンザキッド(母父Dansili)の2頭のみ。ちなみに母父ネイティヴダンサー系の馬は延べ19頭が出走して3着すらない。今年はイルーシヴパンサー(母父キングカメハメハ)やウインカーネリアン(母父マイネルラヴ)など8頭が出走しているが・・・。


トラックバイアス分析・展開予想

今週は降雨が無く、継続的な散水のみ。ただ土曜午後にまとまった量の雨が降ったことで馬場が柔化、日曜朝時点の含水率は4コーナー17.2%、ゴール前15.2%と重に近い稍重。クッション値は土曜朝と比べて1ポイント柔らかい8.6で、やや決め手が損なわれる状態。土曜の競馬を見る限りでは内も使えなくはないが、前過ぎず後ろ過ぎずの位置取りから馬場の中央が良く伸びている。真後ろから後方一気で届く馬場ではない。明確に行きそうなのはレッドライデンのみ、これに続きそうなのもリアアメリア、ダノンザキッド、ウインカーネリアンと数えるぐらいしかいない。平均ペースで一団推移、上がりで差が付かなさそうで、中団より前の決着を想定。


全頭分析

【-】イルーシヴパンサー

(+)安田記念は直線外の進路開かず。格下げ戦のここは仕切り直し。
(-)ここ2戦後ろから行き過ぎ。最内から外を回して間に合わず懸念。

【-】エアファンディタ

(+)決め手だけなら既に重賞級。後ろ過ぎなければ通用していい。
(-)スタートしてからが遅い。上がり速いが新潟だと差が付かない。

【-】ゴールデンシロップ

(+)マイルに矛先向けて3連勝。内枠活かして好位取れれば面白い。
(-)ここ3戦もスタート出負け。久々の今回タイミング合うか疑問。

【-】ザダル

(+)重賞2勝、新潟でもOP勝ちあり。左回りのハイペースで強さ発揮。
(-)湿った馬場ではイマイチ。前日の雨が残っているようだと苦しい。

【-】リアアメリア

(+)前走は大外から前付けして善戦。今回叩き2戦目&斤量減で有力。
(-)定期的にドカ遅れするのが難点。前付けしてもマイルでは忙しい。

【△】シュリ

(+)新潟マイルで逃げ切り勝ちあり。前走ぐらいの積極性に期待。
(-)重賞だと位置を取れず苦戦続き。馬場が緩いと行き脚も鈍くなる。

【-】スカイグルーヴ

(+)京王杯SCは構える競馬で僅差の2着。時計的にも十分通用する。
(-)昨秋マイル戦で惨敗。一息で押し切るタイプで距離延長は微妙。

【◎】ダノンザキッド

(+)差し決着の安田記念で前に行って僅差。前付けで即勝ち負け。
(-)前走も直線手前変わらず。格下げ戦でも勝ち切れるかどうか。

【-】エンデュミオン

(+)秋山騎手が騎乗した今年4戦は負けても僅差。無欲の差しに注意。
(-)前走持ち時計更新もここに入ると平凡。別定GIII挑戦は荷が重い。

【○】ワールドバローズ

(+)前走スタート直後と直線で前が塞がる。外枠の今回は見直す手。
(-)連対を外した3戦はいずれも重賞。ここも相手関係は楽ではない。

【△】ディヴィーナ

(+)ヴィクトリアMはスタート後前が壁。今回格下げ戦で前付け容易。
(-)重賞挑戦は前走のみ。ここ相手骨っぽく勝ち負けまではどうか。

【▲】ウインカーネリアン

(+)米子Sは直線ソラ使っても快勝。三浦騎手騎乗時【6・1・0・1】。
(-)今回は後続の格好の的。マークされても振り切れるかどうか。

【-】レッドライデン

(+)函館記念は馬場激重で積極策が仇。軽い芝でハナ奪って巻き返し。
(-)折り合い面に難あり。コーナー2つのここで折り合えるか不安。

【-】ピースワンパラディ

(+)マイルは7戦オール連対。速い時計も問題無く力量的も勝ち負け。
(-)1年半振りの実戦で息が持つか甚だ疑問。今回は無事完走が目標。


結論

ダノンザキッドは手前を替えないという致命的な弱点があり、安田記念も直線ずっと右手前のまま走り続け、伸びない内に入り込んで6着。ただ負けとはいえコンマ2秒差でイルーシヴパンサーには先着しているし、格落ち戦で前が手薄なここは逆手前のまま走っても勝てるのでは。

ワールドバローズの東京新聞杯は長距離輸送の中1週でノーカウント。京王杯スプリングCはスタート直後に両側から挟まれて後方からの競馬を強制され、直線も再三前を閉ざされてまともに追えなかったにも関わらずコンマ2秒差の4着。これが力負けと捉えられているのなら絶好の買い時。元々前に付けて勝ち負けしていた馬だし、前に出せればかなり面白い。

ウインカーネリアンは単純に展開が向くし、上がりもそこそこ速いので簡単には抜かれない。直後をマークされそうなのは気になるが、米子Sのように先頭に立ってからソラを使う位余裕のある馬で、仮に競り合いに持ち込まれても残しそうではある。

ディヴィーナはヴィクトリアマイルでスタート直後に前を締められ、3コーナーまでブレーキ踏みっぱなしでレースにならなかった。時計も速くてラストは失速。このレースを除けば左回りはオール連対、前走のハイペースとは一転して今回は前が手薄で前付けが容易。適度に湿った馬場もこの馬に味方しそう。

シュリは折り合い難で不完全燃焼の競馬が続いているが、昨年の谷川岳Sで馬場の中央を通っての逃げで制しているように前付けで大駆けがありそう。追い切りで動く馬とはいえ、栗東坂路で1週前に4F51秒0-1F11秒6、今週も4F52秒7-1F11秒9をマークしていて気配は絶好。夏は格より調子。

◎ダノンザキッド
○ワールドバローズ
▲ウインカーネリアン
△ディヴィーナ、シュリ
馬複5頭ボックス(10点)

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