【競馬予想Vol.275】第58回京都牝馬S

今回のテーマ

※2021年と2022年は阪神で代替施行。

距離短縮組優勢、距離延長組は大苦戦

過去10年、前走から距離短縮となる馬は【7・5・4・56】、単回値69・複回値72、同距離の馬は【3・4・4・33】、単回値98・複回値140、距離延長となる馬は【0・1・0・41】、単回値0・複回値11。

一昨年は1,000M通過57秒1、昨年は同56秒9のハイペースだったが、例年58秒後半から60秒台と流れが落ち着いており、スプリンターよりもマイラー寄りの馬が勝ち負けしやすい。前走から距離延長で連対した2017年2着ワンスインナムーンは1,200Mで連勝中だった。少なくとも前走で1,200Mを使って負けていた馬は出番無し。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は月曜にごく弱い雨、水曜に粉雪が舞ったが、降水量としては無視できるレベル。水曜と金曜に散水を実施。含水率は4コーナー10.7%、ゴール前9.6%、土曜朝時点のクッション値は9.5。

  • 開幕週の先週はやや内前優勢といった感じで、外前からの差しもそれなりに効いていた。時計も滅茶苦茶速いということもなく普通。バイアスは考慮外、実力がストレートに出る馬場。

  • ペース想定:やや速い(58秒台)

  • この距離のフルゲートにしては珍しく、何が何でも逃げるという馬が見当たらない。スタートと行き脚が抜群に速いウインシャーロットが押し出される形でハナ。この直後に付けたいウォーターナビレラとロータスランドが共に外枠で、内から何かに出られるとマークに行けず前が楽出来そう。4コーナーで前のほうに位置した馬で決まりそうな感じ。


全頭分析

【-】サブライムアンセム

(+)ターコイズSは控えに回ったのが仇。積極性発揮で勝ち負け可能。
(-)馬群の捌きは上手くない。前走から斤量3kg積まれるのもどうか。

【-】ディヴィーナ

(+)睦月Sは4角外回し過ぎて詰められず。前付け最短距離で見直す手。
(-)今回距離短縮で相手強化。ペースも上がり付いて行くだけが濃厚。

【-】フェルミスフィア

(+)ターコイズSは出負けして直線内突き僅差。着順ほど負けていない。
(-)行き脚緩く置かれがち。展開が向いても差し切りまではどうか。

【-】メイショウミモザ

(+)阪神牝馬Sで先行勝利あり。ダート経由のショック療法で一発狙い。
(-)スワンSも惨敗。前付けしても後ろから行っても冴えず厳しい。

【○】ララクリスティーヌ

(+)スワンSは勝ち馬の後を追い上げ2着。いかにもこの距離がベスト。
(-)昨夏以降は一段後ろからの競馬。前捌けず凡退パターンが怖い。

【-】ルピナスリード

(+)ファントムシーフの半姉。淀短距離Sは流れ速過ぎで度外視可能。
(-)阪神だと坂で脚が止まる。重賞のこの相手では善戦が精一杯。

【-】テンハッピーローズ

(+)1,400Mに拘ったローテ好感。前走は内突いた分の負けで悪くない。
(-)良くも悪くも時計通り。前に押し切られる展開だとしんどい。

【△】ヒメノカリス

(+)新春Sは直線大外通ってゴボウ抜き。ここ2戦で見せた末脚は本物。
(-)ハイペースが嵌った感否めず。基本後ろからでアテにならない。

【-】ボンボヤージ

(+)北九州記念でナムラクレア撃破。再度最短距離立ち回りで大物喰い。
(-)連対は全て直線平坦の1,200M戦。今回距離延長で直線急坂の阪神。

【-】シゲルピンクルビー

(+)昨年のこのレースは前付けで4着。重賞勝ちある舞台で上積み期待。
(-)直近4戦は全てスプリント戦。距離延長でラスト踏ん張り疑問。

【-】コムストックロード

(+)前走は久々かつ距離短縮で追走一手。適距離の今回上積み期待。
(-)葵S2着以降は頭打ち。追い上げる脚イマイチで変わり身期待薄。

【-】サトノアイ

(+)飛騨Sは最短距離を通って直線内突きの勝利。勝ち時計も上々。
(-)自己条件を突破した直後。フルゲートの中枠で前走の再現は疑問。

【◎】ウインシャーロット

(+)スタート上手く容易に前付け可能。前走見る限り1,400Mがベスト。
(-)早めの栗東入りなど工夫はみられるが関西圏での競馬は初めて。

【-】ミスニューヨーク

(+)ターコイズSは内前馬場を問題無く捲り勝ち。実力は抜けている。
(-)デビュー戦以来の1,400M戦。慣れないペースで脚溜まるかどうか。

【△】ルチェカリーナ

(+)阪神Cは出遅れながら4角外を回してコンマ2秒差。差脚に見所あり。
(-)阪神では前走含め差し損ねばかり。過度の期待は掛けられない。

【-】ウォーターナビレラ

(+)ここ3戦は距離の壁に泣く。桜花賞2着以来の適距離で巻き返す。
(-)桜花賞は内前決着で展開・馬場共に向く。実績断然とも言い難い。

【-】スカイグルーヴ

(+)昨年栗東留学して2着好走。今年も早めの栗東入りで好時計マーク。
(-)前走関東圏でもブービー負け。実戦で走らないのは気掛かり。

【▲】ロータスランド

(+)昨年の勝ち馬。ここ2戦本来の先行策で調子を取り戻しつつある。
(-)このところスパートしてからの脚が平凡。大外から追走強要懸念。


結論

ウインシャーロットにとって、直後を張られると厄介だったウォーターナビレラやロータスランドが外に行ってくれたのは追い風。自身はスタートと行き脚が抜群に速いのでマイペース単騎が濃厚。ターコイズSは1着ミスニューヨーク、3着フィアスプライドが差し込んでくる中を前で受け止めての2着。今回は距離短縮でこちらが上。関西圏での競馬は初めてだが、先月末から栗東入りするなど対策は万全。

ララクリスティーヌは朱鷺Sを半年振りで2着した後、スワンSで勝ったダイアトニックの後を追いかけていって2着。次走で阪神カップも制することになる「1,400Mマイスター」にコンマ2秒差。自身も次走で東京マイルを追い出しを待っての差しで完勝。今回も内を捌ければ勝ち負け。

ロータスランドは近走の着順だけ見ればサッパリだが、安田記念はGIでコンマ4秒差、スワンSは休み明けでコンマ3秒差、マイルCSもGIで前付けしてコンマ4秒差、阪神カップは前付けでコンマ4秒差。牝馬限定戦&前付けで復活の期待が持てる。但し前付けしたい馬にフルゲート18頭の大外枠はネック。

ルチェカリーナは阪神カップで出遅れて後方からレースを進め、終始外々を通って追い上げてダイアトニックにコンマ2秒差、ロータスランドにコンマ2秒先着。今回はペースが落ち着きそうで差し届くかが心配だが、相手は前走よりむしろ楽。中団前目に付けられれば大チャンス。

ヒメノカリスのここ2戦は嵌ったにしても鮮烈。特に前走は大外最後方からぶっ飛んできての差し切りだった。2着に負かしたサトノラムセスが次走3馬身差で楽勝しており、3勝クラスでもそこそこレベルが高かったと推測される。今回はウインシャーロットを巡る争いになるのが濃厚なので、直後を追走する組が色気を出せばゴール前で襲い掛かれる。

◎ウインシャーロット
○ララクリスティーヌ
▲ロータスランド
△ルチェカリーナ、ヒメノカリス
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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