【競馬予想Vol.157】第56回報知杯フィリーズレビュー

今回のテーマ

関東馬は大苦戦中

過去10年、美浦所属馬は【1・2・1・26】、単回値11・複回値46。特に直近6年は酷く、延べ20頭(うち5番人気以内馬5頭)が出走して1頭も掲示板にすら上がれていない。

2012年は関東馬のワンツーだったが、連対は2013年2着ナンシーシャイン、3着以内は2014年3着エスメラルディーナが最後。2018年は紅梅Sを含む3勝馬モルトアレグロ(1番人気)が10着、2020年もアヌラーダプラ(3番人気)が9着、ケープコッド(4番人気)が8着に沈んだ。

新馬・未勝利脱出直後の馬はしんどい

過去10年、新馬・未勝利戦を勝ったばかりの馬は【1・0・0・18】、単回値108・複回値49。2019年に12番人気のノーワンが勝利(プールヴィルと同着)した以外は圏外。昨年は新馬勝ちのキャリア1戦馬エルカスティージョが3番人気に推されたが5着に終わった。

新馬・未勝利勝ち直後の馬は全くダメということではないが、上位クラスを使っていた馬のほうが来るというシンプルな帰結。人気どころを買うのはハイリスクノーリターン。


トラックバイアス分析・展開予想

依然として速い時計が出る馬場状態。差しが効くようになってきているが、上位馬のコース取りは概ね内。外を回して後方一気では届かない。基本は内前、差すにしても馬群を捌きつつといった感じ。コンクパールがハナ、アドヴァイス、ナムラクレア、ラブリネスオーバー、テイエムスパーダらも前へ。行き脚の良い馬が揃っていて、展開妙味は差し。いかに距離ロス無く回って来れるかの勝負。


全頭分析

【△】アドヴァイス

(+)スタート早く前に行ける。紅梅Sも4コーナー内前から善戦。
(-)前走は距離に壁があるような負け方。最内枠でどこまでやれるか。

【◎】ナムラクレア

(+)阪神JFは距離考慮で控える競馬を実践。ここは内枠先行で安泰。
(-)連対を外した2回は18頭フルゲート。案外揉まれ弱い可能性あり。

【-】マイシンフォニー

(+)前走は初の良馬場で内から楽に抜け出す。前に行けるのは良い。
(-)距離短縮かつペースアップ。追走で一杯にならないか心配。

【△】サブライムアンセム

(+)6戦目で初勝利も繰り上がり。勝ち運は無いが終いの脚は確実。
(-)前の馬に抜けられてしまうと無力。やや他力本願なところあり。

【-】ラブリネスオーバー

(+)前走初芝でも楽に前付けして2着。バテずにラストまで脚使う。
(-)トップスピードはイマイチ。後ろから一気に来られると苦しい。

【○】アネゴハダ

(+)前走は好スタートから直線内を捌いて快勝。同じ競馬が出来れば。
(-)前走に続き中2週。追い切り動いているか使い詰めで余力心配。

【-】コンクパール

(+)前走芝スタートで行き脚付いて楽勝。前に行けるスピードはある。
(-)芝はデビュー当初に2戦してキレ負け。芝の時計勝負だと苦しい。

【-】テイエムスパーダ

(+)あざみ賞は4コーナーで外を回して楽勝。距離延長もこなしそう。
(-)今冬の小倉は力が要る馬場状態。速い時計が出る阪神では厳しい。

【-】ブッシュガーデン

(+)クローバー賞でラブリイユアアイズの2着。近走はダートで度外視。
(-)芝は昨夏以来。前走ダートでもアネゴハダに負けており苦しい。

【-】キミワクイーン

(+)阪神JFは直線内に入れ勝負に行っての負け。今回2戦2勝の適距離。
(-)前走相手強力にしてもラスト止まり過ぎ。急坂は合わない印象。

【△】ゼロドラゴン

(+)終い確実に追い上げる脚を評価。距離は延びたほうが良さそう。
(-)スタート今一つで後手を踏む。鞍上が後方ポツンをやると詰む。

【-】スリーパーダ

(+)小倉2歳Sでナムラクレアの2着。スピード上位は疑いの余地無し。
(-)華奢過ぎて前走直線でフラつく。能力認めてもここでは足りない。

【▲】サウンドクレア

(+)小倉でマイシンフォニーを捉えて勝利。今回距離短縮で一変期待。
(-)前走はスタートから外に行って自滅。まともに走らないのが問題。

【-】ウィリン

(+)紅梅Sは久々かつ距離延長で善戦。ハイペース追走は問題無し。
(-)前走は休み明けとはいえ完敗の内容。今回多頭数の外枠で厳しい。

【-】モチベーション

(+)前走直線内抜けで着差以上の完勝。前付けでレース運び上手い。
(-)半年振りの休み明けかつ大外枠。今回前に行けるかすら怪しい。


結論

唯一の重賞勝ち馬にして同コースのファンタジーSでも2着に入った◎ナムラクレアを信頼。高速で内前馬場のここで大敗は考えにくい。栗東坂路で4ハロン51秒台の好時計を連発しているように仕上げも抜かり無し。行き脚は良く、前走は距離を考慮して手控えただけ。ここは前付けして勝ち負け。

○アネゴハダは前走が同コースで内を捌いて楽勝という好内容。使い詰めなのが気になるが、栗東坂路の時計は水準以上に出ているし、1勝馬主体のこのメンバーなら勝ち負けして当然。ナムラクレアが手控えて差し損ねるようならチャンス。

▲サウンドクレアは小倉での初勝利が4コーナー大外ぶん回しで差し切るという強引な競馬。黄菊賞でジャスティンパレスにコンマ3秒差、こうやまき賞でソリタリオにコンマ3秒差。つばき賞は流れが緩過ぎてスタートから外に行ってしまった。母は2010年の覇者サウンドバリアー。母もエルフィンS9着から巻き返して勝った。距離短縮で激変に期待。

△アドヴァイスはハイペース追走経験を評価。今週の栗東坂路でラスト1ハロン11秒台をマーク。今年の阪神重賞は1枠に入った馬が穴を開けまくっているだけに、最短距離を通ればいいことありそう。△サブライムアンセムは4走前が差して届かず、2走前が先に抜け出したところを差されて負け。前走はラストで内から押されて負け(繰り上がり勝利)。内から差してこれそうという点で押さえ。△ゼロドラゴンは1,200M専門の馬ではなく、むしろ距離が延びたほうが差脚が活きそう。昨年オパールムーンで無気力騎乗をした横山親父というのが激しく不安だが、人気が無いので押さえ。

◎ナムラクレア
○アネゴハダ
▲サウンドクレア
△アドヴァイス、サブライムアンセム、ゼロドラゴン
馬複◎流し(5点)、3連複◎1頭軸流し(10点)

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