【競馬予想Vol.279】第67回阪急杯

今回のテーマ

阪神カップ連対馬がよくコケる

過去10年、阪神カップを経由した馬は【2・4・2・22】、単回値38・複回値90だが、連対馬に限ると【0・1・0・6】、単回値0・複回値22と大苦戦。

阪神カップと同じコースで、格下げ戦になるにも関わらず成績を落とすケースが続出。単勝オッズ1倍台の断然人気を集めても普通に飛んでいる(2015年コパノリチャード6着、2017年シュウジ8着)。唯一連対した2020年2着フィアーノロマーノも3位入線からの繰り上がり(ダイアトニック2位入線後3着降着)だった。ちなみに阪神カップを経由してここで3着以内に入った8頭の阪神カップの着順は15着・10着・4着・3着・7着・4着・2着・7着。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週はずっとスッキリしない空模様で週半ばの散水は無く、金曜に8.5ミリの降雨を記録。含水率は4コーナー11.5%、ゴール前10.4%、土曜朝時点のクッション値は9.3、稍重でスタート。

  • 馬場状態は良好な状態をキープしており、バイアスは引き続き内前。土曜12Rの4歳以上2勝クラス(芝1,400M)は内前の2頭のワンツーで勝ち時計は1分20秒7とそこそこ速かった。外からの差し込みは相当しんどい。

  • ペース想定:やや速い(57秒台、テン3ハロン34秒台前半)

  • メイショウチタンが内から仕掛けない限りホウオウアマゾンが外から行き脚を利かせてハナ。アグリが馬なりで付いていって2番手。他に続きそうなのがメイショウチタン、ショウナンアレス、リレーションシップ辺りで、ペースは速まりそうだが前が手薄。実力上位のグレナディアガーズは前を掃除するような捲りは使わないので、ある程度前が残りそうな感じがする。


全頭分析

【-】メイショウベンガル

(+)未勝利戦と1勝クラスは大楽勝。障害帰り初戦、環境激変で一発。
(-)オープンクラス入り後は頭打ち。芝重賞ではどう乗っても無理。

【-】メイショウチタン

(+)オーロCでウインシャーロットとクビ差。単騎先頭なら侮れない。
(-)オーロCは軽ハンデ。阪神Cは見せ場無しの大敗で力不足は明白。

【-】サトノラムセス

(+)トリトンSは直線に向いてから外に出して楽勝。勝ち時計も優秀。
(-)中2週で今年3戦目。前走負かした相手も弱く重賞ではしんどい。

【-】ホープフルサイン

(+)淀短距離Sは内から楽な手応えで突き抜け。同様の乗り方で通用。
(-)前走は枠と相手に恵まれる。基本後ろから行って届かずばかり。

【▲】ダディーズビビッド

(+)前走は久々かつ太目残りで反応イマイチ。得意距離のここ勝負。
(-)昨年のオーシャンSは4角で外に膨らむ。右回りではぎこちない。

【-】ロードベイリーフ

(+)北九州短距離Sは馬場の悪い内から伸びかける。良馬場で見直し。
(-)主戦場は新潟直千と小回り1,200M戦。この距離で強気になれない。

【○】グレナディアガーズ

(+)阪神ではGI勝ちに阪神C2年連続連対。能力の高さに疑いなし。
(-)このところ後ろから行くレース目立つ。直線捌けずの展開が怖い。

【-】ショウナンアレス

(+)武庫川Sは久々の距離延長&湿った馬場。毎回相手なりに走る。
(-)前付け出来るが詰める脚が無い。連闘で格上挑戦は敷居が高い。

【-】メイショウケイメイ

(+)北九州短距離Sは最低人気でコンマ3秒差。捨て身の追い込み一発。
(-)最後の連対は4年前の紅梅S。二桁着順続く現状では手が出せない。

【-】リレーションシップ

(+)一昨年のスワンS7着、昨年の阪急杯4着。1,400Mはそこそこ走る。
(-)前付け出来るが後続に一気に来られると辛い。ここも相手が強い。

【◎】アグリ

(+)六甲アイランドSで大幅時計短縮。行き脚強めで楽に位置取れる。
(-)前走ラスト流したとはいえ後続に差を詰められる。相手強化課題。

【△】ミッキーブリランテ

(+)一昨年レコード決着の2着。前々走の阪神Cもコンマ2秒差と接戦。
(-)このところ後手追走気味。ムラ駆け傾向でいつ走るか分からない。

【-】ラルナブリラーレ

(+)道中脚溜めて直線鋭い脚使う。位置取りに融通利くなら面白い。
(-)直線大外から追い込むスタイル。前に止まってもらえないと辛い。

【-】グレイイングリーン

(+)昨年は完全内前決着で外を回して5着。コース取り次第で通用。
(-)今回の出走馬に一通り負け。オープンクラスでは力が足りない。

【-】ホウオウアマゾン

(+)根岸Sはダートで進んでいかず度外視。ハナ奪えば残る力ある。
(-)3歳時のアーリントンC以降未勝利。展開嵌っても勝ち切れない。

【△】ルプリュフォール

(+)阪神Cは出遅れ最後方、直線内で脚余す。スワンSの内容見直す手。
(-)真後ろから行くだけに不利やロス受けやすい。直線の捌き課題。


結論

アグリは六甲アイランドSで前走から時計を1秒6も詰めて快勝。勝ち時計1分20秒3は翌週の阪神カップとコンマ1秒遅いだけの好時計。しかも2着から8着までは道中後ろにいた馬で、先行して残したのはこの馬のみ。負かした馬は弱いが、テン3ハロン33秒7、1,000M通過56秒4で番手を追走しながら前で押し切ったのは重賞級と判断。今回は有力どころに差し馬が多く展開も向く。

グレナディアガーズは同コースの阪神カップ勝ちがあり、昨年の阪神カップも18頭フルゲートの大外枠から1,400Mマイスター・ダイアトニックとハナ差。圧倒的に強いが、一昨年の京成杯オータムハンデから脚質転換してからはずっと後ろからの競馬に徹している。今回は外から締める展開で捌きが難しく、騎手もテン乗り。前に完璧に運ばれた場合に取りこぼしそう。

ダディーズビビッドは昨年のオーシャンS(4着)のレース後に浜中騎手が「コーナリングで膨らんだ」ことを敗因として挙げていたが、確かに4コーナーで外に張るような走り方をしていた。オーシャンSは後のGI馬2頭とコンマ2秒差、セントウルSはレコード決着で自身も1分6秒8をマーク。右回りが課題だが、内枠を活かして外に壁を作って回ってくれば勝ち負け。

ルプリュフォールは阪神カップで道中最後方追走から直線で内を突くしかなく、十分に脚が溜まっていながら進路が無くてアクセル空ぶかしのままゴール。全く追えなかったのにコンマ6秒差、上がり3ハロンは全体2位。分かり易過ぎて過剰人気気味だが、パフォーマンスだけみればここは巻き返し必至。後方ポツンでも何でもいい。好きなように乗ってくれ、横山典弘。

ミッキーブリランテの前走は直線で内を通った馬のワンツースリーフォー決着で、自身は大外枠から何も出来ず。一昨年のこのレースでレシステンシアのレコード逃げに食い下がって2着、昨年は内を立ち回った2頭がワンツーを決めた馬場で外を通ってコンマ6秒差。阪神カップもグレナディアガーズとコンマ2秒差。内に入って、せこく乗って穴提供。

◎アグリ
○グレナディアガーズ
▲ダディーズビビッド
△ルプリュフォール、ミッキーブリランテ
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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