【競馬予想Vol.280】第97回中山記念

今回のテーマ

勝利へのカギは4角4番手以内

過去10年の勝ち馬10頭は全て4コーナーで4番手以内に位置していた。2013年・2015年・2018年~2021年の6回は4コーナーで4番手以内に位置していた馬によるワンツーフィニッシュ、2013年・2015年・2020年・2021年の4回は3着までを独占した。

先行有利の傾向が明確。年明けの1回中山開催は仮柵を設置したCコース使用で、2回中山開催は前年年末開催以来のAコースを使用する関係で内前が残り易い。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は金曜にごく弱い雨が降った以外は概ね好天、水曜は散水を実施。含水率は4コーナー12.1%、ゴール前10.4%、土曜朝時点のクッション値は9.9と良好な状態。

  • 前開催から1か月しか開いていないが、コースは前々開催以来のAコースを使用。土曜の芝5レースは概ね内前優勢、外差しで来たのは11R幕張S(4歳以上3勝C/芝1,600M)のフィールシンパシー(2着)ぐらい。

  • ペース想定:平均(59~60秒台)

  • ドーブネ、トーラスジェミニ、ショウナンマグマと逃げ候補は揃っているがどれも快速ではなく、何が行くにしてもレースを主導するだけ。ソーヴァリアントがこれらを見ながら好位を確保。ダノンザキッドもこの枠ならスタートが決まれば前か。淡々と進んで抜きどころが無く、例年通りの内前押し切りを想定。


全頭分析

【△】ダノンザキッド

(+)外枠から出遅れた昨年は参考外。前々の立ち回りなら勝ち負け。
(-)ホープフルS以降10戦して未勝利。前走も突き放されての2着。

【-】ソロフレーズ

(+)盛岡の芝で3勝挙げて中央再転入。中山芝で差し切り勝ちあり。
(-)地方転出前の時点で頭打ち。中央との格差は如何ともし難い。

【△】イルーシヴパンサー

(+)京都金杯は内突きで新境地拓く。ここも小回り利けば通用。
(-)開幕週のここで後ろから行くメリット薄い。前走の再現微妙。

【-】ドーブネ

(+)白富士Sは勝った馬が異常。すんなり前付け出来ているのは好感。
(-)今回は前走以上に強敵揃い。TBと展開だけではどうしようもない。

【-】シュネルマイスター

(+)昨年5戦して未勝利も全てGI。今回普通に走れば何でもない相手。
(-)香港マイルは馬に走る気感じられず。今回後ろから届くのか疑問。

【◎】ソーヴァリアント

(+)チャレンジCは高速時計を前付けで楽勝。機動力あり勝ち負け。
(-)早め先頭から押し切るタイプ。今回同型多く後方待機勢も強力。

【-】ナイママ

(+)同コースのディセンバーSでコンマ3秒差。前で残して活路見出す。
(-)オープン特別ですら勝ち負けにならず。ここは相手が強過ぎる。

【-】トーラスジェミニ

(+)中山でハナ奪って4勝。大敗続きでノーマーク逃げなら大波乱。
(-)昨年はハナ奪えずシンガリ負け。ここも同型いる上に相手も強い。

【-】ショウナンマグマ

(+)同コース2戦2勝、1,800M4戦4連対。ここは先手奪って残すのみ。
(-)前走思ったほど行けず惨敗。今回前に行けても相手が強過ぎる。

【-】モズベッロ

(+)重賞勝ち、GIや中山重賞でも2着あり。捲る脚が嵌れば侮れない。
(-)1年超の休み明け。まともな状態でも良馬場では付いて回るだけ。

【▲】ヒシイグアス

(+)一昨年の覇者で中山実績豊富。GIでも勝ち負け級で力上位は明白。
(-)宝塚記念好走の反動で休養長くなる。久々苦にしないが半信半疑。

【○】スタニングローズ

(+)エリザベス女王杯は芝重過ぎで参考外。2戦2勝の中山で反撃。
(-)今回は牡馬一線級との戦い。同型も揃っており楽はできない。

【-】ラーグルフ

(+)甲斐路Sはハイペース差し。中山金杯は直線早めに抜け出し完勝。
(-)前走相手弱く時計的にも冴えず。今回のメンバーではしんどい。

【-】リューベック

(+)但馬Sは上がりの競馬を前々で押し切る。早めの立ち回り好感。
(-)今回重賞で同型の数・質共に強化。流れ落ち着いてもしんどい。


結論

ソーヴァリアントは前付けから先抜けの脚がいかにも中山向き。一昨年のチャレンジCはスローの上がり勝負で圧勝、昨年のチャレンジCはレッドベルオーブの暴走を番手追走から楽勝とペース不問。中山で3連敗しているが展開のアヤや心房細動で度外視できるレベル。初の1,800Mもマイナスする点が見当たらない。ここは通過点。

スタニングローズは昨年前付けで4勝の戦績を高く評価。今回は外枠を引いたが、テンが緩そうなので労せず番手に入れそう。紫苑Sも12頭立ての大外だった。今回は一線級牡馬との対戦になるが、今回もそれほど速くなりそうにないので何の問題もない。中山記念は前付けで残しそうな馬を買っておけば間違いない。

ヒシイグアスはここ4戦がGIで、一昨年のこのレース以来の格落ち戦。宝塚記念後に美浦に帰る途中で熱中症になり生死を彷徨ったらしいが、半年以上も間隔が空けば考慮に入れる必要無し。中山適性の高さは今更論ずるまでもない。今回はソーヴァリアント、スタニングローズの動きを見ながら4コーナーから差し向けるレースになる。

ダノンザキッドは安田記念で前付けして勝ったと思いきや手前が替わらず失速。毎日王冠も前付けしたものの、ワンツーの2頭にキレ負け。いずれも着差はコンマ2秒で、前付けのパフォーマンス自体はハイレベル。昨年のこのレースは外枠からスタート失敗、パンサラッサが速過ぎて付いて回っただけ。最内枠を引いた今回は内キープの差し込みに期待したい。

イルーシヴパンサーは4コーナーで大外をぶん回して追い込むだけの馬かと思いきや、京都金杯は内で脚を溜めて弾ける競馬で快勝。内枠に入るとよく出遅れる鞍上(M.デムーロ騎手)が気になるが、引き続き内で脚を溜めての突き抜けに注意したい。スタートが決まれば、距離延長でペースが緩みそうなここは前付けしてくるかもしれない。

◎ソーヴァリアント
○スタニングローズ
▲ヒシイグアス
△ダノンザキッド、イルーシヴパンサー
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)、3連単F◎→○⇔▲△△(6点)

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