【競馬予想Vol.228】第70回アイルランドトロフィー府中牝馬S

今回のテーマ

夏競馬を使った馬が中心

過去10年、ローカル6場を経由した馬は【9・7・7・56】、単回値160・複回値89。中央4場を経由した馬は【1・2・3・51】、単回値11・複回値23。

ローカル6場を経由するということは、すなわち直近で夏競馬を使っていたということ。夏休みを満喫した馬よりも、夏を使ってきた馬のもう一丁に期待したい。

前走上がり3ハロン最速馬に注目

過去10年、前走で上がり3ハロン最速をマークしていた馬は【4・2・1・13】、単回値148・複回値35で、該当馬は7年連続で3着以内に来ている。

2017年から2020年にかけて4連勝、昨年は8番人気マルターズディオサが3着に入った。後方待機馬が毎年のように台頭しており、直近で見せた決め手がそのまま通用する傾向がみられる。


トラックバイアス分析・展開予想

関東地方はスッキリしない空模様で、木曜・金曜と弱い雨が降って土曜朝時点のクッション値は8.8。超高速は回避されそうだが重くもなく軽い芝という認識。トラックバイアスはフラット。内枠に入ったローザノワールの逃げに同じく内枠のアンドヴァラナウト、ソダシが追随。ライティアも前へ。ホウオウピースフル、クリノプレミアム、イズジョーノキセキなど、直近で先行していた馬が軒並み内に入ったことで前は固まって推移。ローザノワールは田中騎手が前走緩め過ぎたことを後悔していたので、今回は1,000M通過60秒を割る程度のやや速めの逃げを打つとみる。溜めて弾けるというよりも、淀みない流れで差せる脚に注目。


全頭分析

【▲】アンドヴァラナウト

(+)前走は超高速決着の外枠で何も出来ず。今回内枠で相手も手頃。
(-)長距離輸送がダメな可能性あり。愛知杯のポカもあり過信禁物。

【◎】ソダシ

(+)札幌記念は力の要る馬場で追い上げ利かず。軽い馬場で出直し。
(-)ベストは時計が出るマイル戦。流れが緩くなると他と差は無い。

【-】ローザノワール

(+)クイーンSはスロー逃げが嵌りかける。ペース配分で再度居残る。
(-)前走は強力な内前バイアスの恩恵大。軽い馬場でキレ負け懸念。

【-】ホウオウピースフル

(+)今回と同距離の巴賞を差し切る。再度差し構えで一矢報いるか。
(-)前走積極策も直線キレ負け。ここに入ると持ち時計が心許ない。

【-】クリノプレミアム

(+)前走は前付けで外回して善戦。今回の距離も3戦3連対で悪くない。
(-)叩き2戦目で軒並み成績落とす。VM負け過ぎで東京コースも不安。

【-】イズジョーノキセキ

(+)垂水Sは前付けで差し切る。道中溜められれば直線速い脚を使う。
(-)決め手強力だがやや加速にモタつく。ここで即通用するかは疑問。

【△】ラヴユーライヴ

(+)前走は前残りを後方からよく詰める。揉まれなければ侮れない。
(-)好走は概ね少頭数時に集中。前走ほど馬群バラけるかも微妙。

【-】ライティア

(+)前走はスローの上がり勝負を押し切る。前付けの機動力評価。
(-)自己条件を脱するまで5戦要す。距離もベストより1ハロン長い。

【○】アブレイズ

(+)メイSで外から綺麗に差し切りあり。VMも上がり最速マーク。
(-)昨年も夏休み後のここで13着と凡退。全幅の信頼は置き辛い。

【-】サトノセシル

(+)クイーンSは4角で外を捲って僅差。ルメール騎手配備で万全。
(-)前走は洋芝適性の高さの賜物。東京でも悪くないが詰め甘い。

【△】リアアメリア

(+)今年2戦は枠や展開に恵まれず消化不良。ここは力出せる舞台。
(-)昨年は17着と惨敗。スタートが不安定でレースプラン狂い易い。

【-】クールキャット

(+)関越Sで復調の兆し見える4着。早めに上がっていけるなら通用。
(-)出遅れの常習犯。折角折り合っていい脚使っても届かずばかり。

【-】ゴルトベルク

(+)今回のコースは2戦2勝。力が要る洋芝よりは軽い芝の方が良い。
(-)前走は大外枠だったとはいえ付いて回るだけ。力不足は否めず。

【-】シャドウディーヴァ

(+)昨年は後方から問答無用で突き抜け。嵌った時の破壊力は随一。
(-)基本的に後ろから行って届かず。今年は昨年とは違って休み明け。

【-】アカイイト

(+)昨年7着も次走GI勝ち。前走距離不足で1ハロン延びるのは良い。
(-)位置取りが後ろ過ぎる。自らポジション取って差せるかどうか。


結論

ソダシは超高速のヴィクトリアマイルを勝った後で距離延長、かつ力の要る馬場だった札幌記念で好走できるはずもなく、予定調和の負け。今回は距離短縮で軽い芝の東京、相手も軒並みショボく、内を通って普通に回ってくるだけで勝ち負け。但し流れが緩くなってしまうと、超高速を押し切るというソダシの特性が失われるのでアドバンテージは薄まる。

アブレイズは超高速のヴィクトリアマイルで上がり3ハロン最速をマークしてぶっつけ。テーマ的に買えるのともう一つ、追い切りの時計がエグい。1週前の栗東坂路で4F49秒8-1F12秒1、今週も4F51秒8-1F12秒4。これだけ動くともはや休み明けではない。今回騎乗の大野騎手は同コースのメイSを勝った時の騎手。

アンドヴァラナウトは前走外枠を引いた時点で負け。時計が速過ぎて付いて回るだけになっていた。その点、今回は最内枠。阪神牝馬Sで内枠を引いて2着しているし、前に行けるなら巻き返して当然。隣がソダシで、これを目標にして進めそうなのも良い。距離が1ハロン延びて、超高速でなければソダシに食い下がれそうではある。

リアアメリアは昨年のこのレースで17着に敗れているが、出遅れた上に初めて装着したブリンカーを気にして全く競馬になっていなかった。今年初戦のマーメイドSはトップハンデを課された上に内前ジャスティス馬場で大外枠から先行して4着、関屋記念はスタートイマイチから行った者勝ちの展開で諦めの6着。今回は外差しが上手く作用しそう。スタートだけが不安。

ラヴユーライヴは愛知杯とマーメイドSがフルゲートの外枠、クイーンSは内前天国と敗因がある程度明確。ケフェウスSは揉まれないところを通って直線外からよく伸びた。ここ2戦上がり3ハロン最速で、差し脚が活性化された状態で臨めるのは良い。初めて使う東京コースが嵌れば。

◎ソダシ
○アブレイズ
▲アンドヴァラナウト
△リアアメリア、ラヴユーライヴ
馬複5頭ボックス(10点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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