【競馬予想Vol.128】第66回有馬記念
今年の有馬記念は見どころが盛り沢山。
・クロノジェネシス、キセキの引退レース
・エフフォーリアを筆頭とする3歳勢の伸長
・大逃げパンサラッサの参戦
・菊花賞馬タイトルホルダー、試練の大外枠
クロノジェネシスはここで改めて説明するまでもなく、同世代のグランアレグリア(桜花賞、マイルCS連覇、安田記念、スプリンターズS)、ラヴズオンリーユー(オークス、QE2世C、BCフィリー&メアターフ、香港C)と共に時代を築いた名牝。今回はグラスワンダーも出来なかったグランプリ4連勝の偉業に挑む。最終追い切りの後、斉藤調教師から予防線のようなコメントが出ているが、これをどう取るか。そして4年前の菊花賞勝ち以降未勝利ながら重賞戦線で善戦してきたキセキも今回がラストラン。どこかファンが多い愛されキャラ。
クロノジェネシスにとって脅威なのは3歳勢の伸長。エフフォーリアは天皇賞秋でコントレイルとグランアレグリアを撃破。東京向きなのは間違いないが、中山で行われた皐月賞も衝撃的な強さだった。その皐月賞で2着に負けたタイトルホルダーはエフフォーリア不在の菊花賞を逃げて圧勝。クラシックは善戦で終わったステラヴェローチェ、田辺騎手に乗り替わったセントライト記念で一発回答したアサマノイタズラと多彩なラインナップ。今年の3歳勢は昨日の阪神Cでもワンツーを決めるなど古馬相手の重賞勝ちが目立っており、例年より世代のレベルが高いのは間違いなさそう。
展開面で真っ先に取り上げなければならないのは福島記念をハイペースで突っ切ったパンサラッサの存在。思い起こせば初勝利も京都の不良馬場で後続に2秒5差をつけての大楽勝だった。今回も大逃げの形になりそうだが、福島記念のようなハイペースではなく、コーナー6つで息を入れながらの逃げに落ち着くとみている。奇襲は一回しか使えない。パンサラッサは福島記念でハイペース逃げという奇襲を既に使ってしまった。
枠順抽選会の一番のハイライトはタイトルホルダーが引いてしまった16番枠。なんせこの枠からは有馬記念で3着以内すら1頭も出ていない完全な死に枠。16番枠という時点で切り、という判断はある意味正しい。私もそう思っている。ただパンサラッサという明確な逃げ馬がいて、2番手以降が自重する流れなら大外枠からでも2番手に入りやすいのではとみている。
クロノジェネシスの取捨と3歳勢の買い方が的中への近道。しかしそれはみんなが考えるところ。灯台下暗し、みたいな観点は無いかと考えた時に出てくるのが「消しデータの逆利用」。過去10年、6歳以上馬は延べ34頭が出走して【0・0・1・33】、2018年3着シュヴァルグラン(牡6)を除いて圏外。うん、確かにキツイね。でも2008年に最低人気で2着に来たアドマイヤモナークと3着に来たエアシェイディって何歳でしたっけ?
パンサラッサは福島記念を除けば1,000M通過59~60秒の普通の逃げ。今回はコーナー6つで息が入るのでペース自体は速くならなそう。それでもパンサラッサの好きに任せて縦長の展開を想定。4コーナーで後続が追い上げる頃には内目に各馬が殺到する。後方の馬は外を回すか、そのまま内でジッとして内を割ってくるかの二択。今年の馬場状態は昨年とは逆に内が残る状況。外を回すと内の馬に追い付けないのではないか。パンサラッサにより近い、4コーナー内前がウイニングロード。
結論!
・勝つのはクロノジェネシスかエフフォーリアのどちらか。絞れない。
・相手候補は4コーナー内前のタイトルホルダー、ディープボンド。
・2~3着紐付けは内から差してきそうなペルシアンナイト、ステラヴェローチェ、アサマノイタズラ。
【△】ペルシアンナイト
昨年の有馬記念は終始内を進み、直線後方から外に出して上がり3ハロン2位の脚でコンマ6秒差。かつて皐月賞で内を突いての2着があり食い込み注意。
【-】パンサラッサ
ある意味今年の有馬記念の趨勢を決める馬。前走を除けばミドルペースの逃げ。今回コーナー6つで息は入れやすいが、展開利で凌げる相手ではない。
【-】モズベッロ
スタートが遅い、というか毎回出遅れる。昨年も出遅れて真後ろを付いて回るだけだった。前が流れそうな今回は若干マシだがそれでも足りない。
【-】メロディーレーン
古都Sはスローで前にいた者勝ち。内枠を引いた今回は前に出してくるだろうが、相手格段強化のここは普通に圏外。
【△】ディープボンド
前付けからの押し切りを得意とする馬だけに内枠は好感。上がりを要する馬場も苦にしない。内前のメリットを活かし、天皇賞春2着の底力に期待。
【-】ウインキートス
エリザベス女王杯は枠が外過ぎで参考外。中山では道中大きな不利を受けた日経賞を除けば概ね安定しているとはいえ、GI好走馬相手では荷が重い。
【◎】クロノジェネシス
捲り上げの脚はいかにも中山向き。ペースは流れた時のほうが強い勝ち方をする馬で、明確な逃げ馬がいるここは勝って現役生活を締め括る。
【-】ユーキャンスマイル
昨年は大外枠でレース前から終了。ただやることは毎回真後ろからの追い込み一本。捲り上げの脚はあるが、今回は外を回すと届かない。
【△】ステラヴェローチェ
菊花賞は神戸新聞杯の反動で本調子でない中、真後ろから捲って届かず。朝日杯FS(2着)、皐月賞(3着)のようなイン突きなら通用していい。
【○】エフフォーリア
これまでで最も着差を付けたのが皐月賞のコンマ5秒差。前々を立ち回って上がりも速い。鞍上が油断しても上位には来るのでは。
【-】アリストテレス
中山のアメリカJCC勝ちも相手は小粒。京都大賞典も手薄なメンバー相手の2着で、今年に入ってからの成長に乏しい。ここも単純に相手が強い。
【-】シャドウディーヴァ
ジャパンCは果敢に前付けにチャレンジしてコンマ9秒負けと意外と頑張った。ただ長距離が合っているとは言えず、ここでも馬力不足は否めない。
【-】アカイイト
エリザベス女王杯は突っ込んだ流れに身を任せ、外を捲って突き抜け。ここも同様に外を回す形になりそうなだけに評価は下がる。
【△】アサマノイタズラ
セントライト記念は大外後方からの突き抜けで再現性に乏しい。ただ菊花賞では最後方から内突きを試みていたし、外を回さなければ面白そう。
【-】キセキ
毎回出遅れて、途中で捲ってガス欠の繰り返し。東京よりは小回りの中山のほうがマシだが、その中山で4戦して全て圏外では手が出ない。
【▲】タイトルホルダー
大外枠は確かに痛いが、パンサラッサの2番手を取りに行くなら余分な脚を使うのは序盤だけ。以後マイペースなら展開利が見込める。
◎クロノジェネシス
○エフフォーリア
▲タイトルホルダー
△ディープボンド、ペルシアンナイト、ステラヴェローチェ、アサマノイタズラ
馬複◎or○軸流し(11点)、3連複◎or○1頭軸流し(25点)
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