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【レース回顧Vol.187】第89回東京優駿

レース結果・収支

1着【△】ドウデュース(3番人気)
2着【▲】イクイノックス(2番人気)
3着【△】アスクビクターモア(7番人気)
4着【◎】ダノンベルーガ(1番人気)
・・・
6着【△】キラーアビリティ(8番人気)
7着【○】ジオグリフ(4番人気)
8着【△】オニャンコポン(6番人気)
・・・
馬複6点ハズレ 3連複15点ハズレ
レース収支:-2,100 累計回収/投資:66,700/69,000(96.7%)
※ノーベット収支:0 ノーベット累計収支:+2,980


率直な感想

1,000M通過58秒9?馬場が良いにしても速過ぎでは・・・。時計が速過ぎて後ろからでは差せないパターンかと思ったが外から強いのが2頭差してきた。ドウデュースとイクイノックス。アスクビクターモアの居残りは想定通り。ダノンベルーガは内差しに向けて届かず。ジオグリフはきっちり止まった。やはり距離か。


テーマの振り返り

1番人気の単勝オッズが3倍以上の年は堅い?→ハズレ

上記をさらに考察していくと、1番人気の単勝オッズが3倍以上となった8回のうち、1993年・1999年・2016年・2017年の4回で上位人気3頭がワンツースリー(順不同)を決めている。1992年以降で上位人気3頭のワンツースリーになったのはこの4回しかなく、人気が割れているときこそ人気どころで決着するのではないかという推論が成り立つ。

3番人気ドウデュースが勝利、2番人気イクイノックスが2着。1番人気ダノンベルーガは4着敗退、3着に7番人気アスクビクターモアが来て紐荒れという結果になった。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

今週からCコース使用で、内の荒れた部分が結構カバーされて外伸びが吸収された印象。バイアス的にはフラットと判定。クッション値は金曜が8.2、土曜は9.0と天候と共に回復。先週の日曜は8.9、オークスは2分23秒9で決着。超高速ではないが芝は軽くて時計が出る馬場状態。皐月賞で行き損ねたデシエルトがハナ主張。アスクビクターモア、ビーアストニッシド、セイウンハーデス、ピースオブエイト辺りが前付け。外枠の人気どころは相対的に中団以降からの競馬になりそう。平均ペースで推移して馬群は密集、瞬発力でズドンが基本線も、内枠先行からの抜け出しに注意を払いたい。

レース指標

LAP:12.5-10.8-11.8-12.0-11.8-11.7-12.3-12.0-11.8-11.5-11.7-12.0
勝ち時計:2.21.9(良) テン3F:35.1 上がり3F:35.2

デシエルトがきっちりハナを主張して緩めず快走。アスクビクターモアが単独2番手に入り、隊列は次第に縦長に。ダノンベルーガはジオグリフと並んで中団、ドウデュースはその後ろ、イクイノックスはそこから更に後ろを追走。直線に向いてアスクビクターモアが馬なりで先頭に立つ。外からはダノンベルーガ、ジオグリフ、ドウデュースが追い上げる。ドウデュースの脚色が良く、ぐんぐん前との差を詰めていく。更にその後ろからイクイノックスも急追。ドウデュースとイクイノックスがアスクビクターモアを交わして抜け出し、ドウデュースがイクイノックスに抜かせずゴール。トラックバイアスは若干外寄り。アスクビクターモアが残ったのは有力どころが総じて外という状況における内枠先行の利。


好走・凡退馬寸評、補足

1着【△】ドウデュース

スタート後、ダノンベルーガ(青矢印)の後ろを取りに行くドウデュース(赤矢印)。
ここまで来てようやくマーク解除。
内に行くダノンベルーガ(青矢印)から離れ、外へ持ち出すドウデュース(赤矢印)。

スタートを決めた上ですぐ隣のダノンベルーガの後ろを取る形で後方待機。武豊騎手がここまで一頭の馬をマークするのは珍しく、道中も付かず離れずダノンベルーガの後ろを付いていった。4コーナーまでピッタリ付いていって、直線に向くところで外に振って追い上げ態勢。手応えが良過ぎて暫くは馬なり、ラスト350M付近で最初の鞭が入り、その後も鞭が入る度にグングン加速。ああ、これはダービーを勝つ脚だ。皐月賞の負け方がベタ過ぎて逆に勘ぐってしまった。ごめんなさいとしか言えない。

2着【▲】イクイノックス

ドウデュース(青矢印)より後ろを単独で進むイクイノックス(赤矢印)。
外側(白丸)が固まっていて、内を通って前との差を詰めるイクイノックス(赤矢印)。

スタート・行き脚共今一つで、内に寄せ切った時点で後方から3番手という厳しい位置取り。デシエルトが緩めず逃げたことで道中のリカバリーが不可能になり、離れた後方を進むしかなかった。3コーナーでもまだ後ろにいて、追い上げるにしても外は回せない状況で荒れた内を通って追い上げ、直線に向いた当初も前が壁。結局ドウデュースの後ろを通って外に持ち出し、ゴールにかけて少しづつ差を詰めていったが届かなかった。些細なロスが積み重なっての惜敗。この雪辱は秋に晴らすしかない。

3着【△】アスクビクターモア

アスクビクターモア(赤矢印)はここからフワーッと外に流れてしまう。
馬場の良い所に持ち出した?それとも気が抜けた?走法からして後者か。

スタートを決めて前に出てきて、デシエルトに先を譲って離れた2番手を追走。流れが速くて折り合いが付き、持ったままの状態で直線へ。デシエルトを交わして先頭に立った後、不意に外へ膨らむなどソラを使った感じになり、後ろから迫ってきたドウデュースらに対抗することはできなかった。今回は人気どころが総じて外ということで内枠先行が穴を開けると考えたが、それはその通りとなった。

4着【◎】ダノンベルーガ

ジオグリフ(青矢印)に外を張られるダノンベルーガ(赤矢印)。
ドウデュース(緑矢印)にもしっかりマークされる。
直線に向いて早速前が壁になるダノンベルーガ(赤矢印)。
ジオグリフ(青矢印)は進路を確保。イクイノックス(緑矢印)は外に持ち出す途中。

スタートを出たものの慎重な立ち回りで、ジオグリフを先に行かせるような感じで中団待機。道中はジオグリフが終始外を張られ、直後もドウデュースにマークされる苦しい競馬。ジオグリフの壁は直線に向く寸前まで存在し、直線でジオグリフが進路確保のために外に行っても自らはロードレゼルが壁。ただ直後にジャスティンパレスが内にヨレてロードレゼルを排除してくれたことで前にスペースが出現しすかさずスパート。しかしあの爆発的な加速力は鳴りを潜め、内に入り込んでの追い込みも及ばなかった。スローで弾ける競馬は得意でも、ハイペースの地力勝負では見劣った。なお、パドックで右後脚の運びがぎこちなく、輪乗りでも発汗したりとレース前から「危ない兆候」は見え隠れしていた。

6着【△】キラーアビリティ

ドウデュース(青矢印)、イクイノックス(緑矢印)に
完全に置かれるキラーアビリティ(赤矢印)。瞬発力性能の差は歴然。

今回もぎこちないスタートだったが皐月賞よりは遥かにマシ。前に行けなくもない感じだったが折り合い重視で馬群の後ろに入れての追走。3コーナーで内からイクイノックスに抜かれて後方3番手まで下がりながら4コーナーからスムーズに外に持ち出して直線へ。しかし同じく外に持ち出したドウデュースとイクイノックスの加速には付いていけなかった。スタートイマイチでこの枠順だとこの乗り方しかなかった。

7着【○】ジオグリフ

首を横に向けて落ち着かないジオグリフ(赤矢印)。懸念の折り合い難が表面化。

行き脚が付いて内に寄せて好位を確保したものの、ポジションを留め置くところで馬が首を上げて嫌がっていた。道中もずっとソワソワして折り合いはイマイチ。幸いにも流れが速くて勝手に前に行くことは無かったが、お世辞にもスムーズな追走とは言えない状態。とりあえず当面の強敵であるダノンベルーガに蓋をして身動きが取れない状況にしておいて、直線で先に外に持ち出してスパートという理想的な競馬は出来た。しかしやはりラストで脚が鈍って後退。皐月賞の勝利騎手インタビューで福永騎手が距離不安に触れていた通りの結果になった。秋は毎日王冠から天皇賞秋を目指すプランか。

8着【△】オニャンコポン

直線で前が塞がって追えないオニャンコポン(赤矢印)。
みんな勝ちたいから必死だもん。簡単に前は開かない。

ゲートで僅かにタイミングが合わず出遅れ。道中はダノンベルーガの内を追走。3コーナーから4コーナーにかけてラチ沿いを進んで距離を稼ぎ、直線も内を捌いて、というところだったが見事に詰まって追えず。最終的にジオグリフの外まで持ち出していったがその頃には勝負が決していた。ダービー初騎乗の若武者・菅原明良騎手にとっては厳しいレースになってしまった。レース前の映像で武豊騎手、福永騎手と共に菅原明良騎手も出てきたが、この先輩方もダービーを勝つまでに相当苦労した。諦めず何度もトライしてもらいたい。

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