【競馬予想Vol.187】第89回東京優駿

今回のテーマ

1番人気の単勝オッズが3倍以上の年は堅い?

フルゲートが18頭になった1992年以降、1番人気の単勝オッズが3倍以上となった年は8回あるが、その全ての年で1番人気が3着以内に入っている。
1993年ウイニングチケット(単勝3.6倍)1着
1995年タヤスツヨシ(単勝3.1倍)1着
1999年ナリタトップロード(単勝3.9倍)2着
2006年メイショウサムソン(単勝3.8倍)1着
2008年ディープスカイ(単勝3.6倍)1着
2011年オルフェーヴル(単勝3.0倍)1着
2016年ディーマジェスティ(単勝3.5倍)3着
2017年アドミラブル(単勝3.4倍)3着

上記をさらに考察していくと、1番人気の単勝オッズが3倍以上となった8回のうち、1993年・1999年・2016年・2017年の4回で上位人気3頭がワンツースリー(順不同)を決めている。1992年以降で上位人気3頭のワンツースリーになったのはこの4回しかなく、人気が割れているときこそ人気どころで決着するのではないかという推論が成り立つ。


トラックバイアス分析・展開予想

今週からCコース使用で、内の荒れた部分が結構カバーされて外伸びが吸収された印象。バイアス的にはフラットと判定。クッション値は金曜が8.2、土曜は9.0と天候と共に回復。先週の日曜は8.9、オークスは2分23秒9で決着。超高速ではないが芝は軽くて時計が出る馬場状態。皐月賞で行き損ねたデシエルトがハナ主張。アスクビクターモア、ビーアストニッシド、セイウンハーデス、ピースオブエイト辺りが前付け。外枠の人気どころは相対的に中団以降からの競馬になりそう。平均ペースで推移して馬群は密集、瞬発力でズドンが基本線も、内枠先行からの抜け出しに注意を払いたい。


全頭分析

【-】アスクワイルドモア

(+)京都新聞杯はスーパーレコードで突き抜け。終いの脚は堅実。
(-)前走4コーナーで強引に外へ持ち出し。内の捌きに不安残る。

【-】セイウンハーデス

(+)プリンシパルSは前付けから先抜け勝利。この枠なら妙味あり。
(-)毎日杯は外差しに向けたとはいえ物足りず。相手強化が課題。

【△】アスクビクターモア

(+)皐月賞は他が行かず逃げの手に出て善戦。番手の競馬で真価発揮。
(-)東京の2戦はいずれもキレ負け。後ろから一気に来られると辛い。

【-】マテンロウレオ

(+)きさらぎ賞は直線外差しで競り勝ち。持続力ある末脚は東京向き。
(-)皐月賞は行き脚皆無で後方ポツン。ここも授業参観で終わりそう。

【-】ピースオブエイト

(+)毎日杯は自らハナ奪ってアッサリ。内寄りの枠を引けたのは良い。
(-)前走は内前馬場の恩恵大。相手格段強化で多頭数のここは厳しい。

【-】プラダリア

(+)青葉賞は締まった流れを好位から差し切り。位置取り嵌れば通用。
(-)強い相手と手合わせ無し。2,400Mを連続で好走した後で余力心配。

【△】オニャンコポン

(+)京成杯は直線外に持ち出して差し切り。東京でも先行勝ちあり。
(-)皐月賞は外差しに向けて伸び負け。上位陣との逆転は難しそう。

【-】ビーアストニッシド

(+)差し優勢の共同通信杯でも粘って3着。ハナを奪うと実に渋太い。
(-)皐月賞は4コーナーで既に劣勢。競り合いに持ち込まれると辛い。

【-】ジャスティンパレス

(+)皐月賞は出負け響きラスト流す。中団より前に付けて巻き返し。
(-)元々ゲート出が甘く行き遅れ気味。ここも前に出てこれるか微妙。

【-】マテンロウオリオン

(+)2戦続けて大外ぶん回しの雑な競馬で僅差。まだ伸び代がある。
(-)マイルを使い続けた後の距離延長。同じ脚が使えるか半信半疑。

【-】ジャスティンロック

(+)皐月賞は伸びない内から追い上げ。能力的に通用しなくもない。
(-)ゲート出が遅く置かれるのがネック。いい脚使っても届かない。

【◎】ダノンベルーガ

(+)共同通信杯は瞬時に加速して差し切り。東京に戻る今回が本番。
(-)皐月賞は直線進路ポッカリから競り負け。脚が溜まらないと脆い。

【△】ドウデュース

(+)皐月賞は後方から大外を回して届かず。中団差しなら勝ち負け。
(-)過剰に控えたがる鞍上の乗り方が不安。ここも控えて届かず懸念。

【-】デシエルト

(+)皐月賞は外枠で躓いたのが響く。本来の積極策で粘り込み図る。
(-)勝った3戦はダートと力要る湿った芝。東京の軽い芝では厳しい。

【○】ジオグリフ

(+)前付けから押し切った皐月賞評価。完敗は外枠のマイル戦のみ。
(-)鞍上も懸念するドレフォン産駒の距離延長。こなせるかどうか。

【△】キラーアビリティ

(+)皐月賞は出遅れた上に内を通らされる。久々使った上積み期待。
(-)前付けするには遠い外枠。差しに回っても他が良いだけに微妙。

【-】ロードレゼル

(+)前付けで堅実駆け評価。腕っぷし強いレーン騎手も合いそう。
(-)完全勝ちパターンの前走負け不満。更に相手強くなり出番無し。

【△】イクイノックス

(+)久々使いの皐月賞でいきなり勝ち負け。瞬発力勝負は望むところ。
(-)またまた大外枠。コース替わりで外々を通らされるのはしんどい。


結論

◎ダノンベルーガの皐月賞は馬場云々ではなくれっきとした力負け。外を回して距離ロスがあったジオグリフ、イクイノックスに対してこちらはインベタ、直線に向いて前が完全に空いていたのに伸びなかった。ただ右後脚に不安を抱えていて、皐月賞を使うかどうか迷っていたほど(普通は出走するのが当然で、出走を迷うというのはイレギュラー)で、右回りで狭い中山であのパフォーマンスは必然的だったのかもしれない。この馬の武器であるロケットの如き爆発的な加速力は左回りで広い府中でこそとみて中心視する。

○ジオグリフは連対を外したのが外枠+ハイペースで付いて回るだけになった朝日杯FSのみで、これ以外は好位付けから脚を伸ばす競馬で連対。共同通信杯でダノンベルーガに負けたとはいえ、こちらは1kg余分に背負っていたし、馬場の内からの追い上げだった。操縦性抜群、東京における上がりの競馬に対する適性も高い。気になるのは皐月賞直後の勝利騎手インタビューでダービーに向けての距離について聞かれた時の反応(下記参照)。これを聞いた上でアタマで買うのはなかなかリスキー。

「(400M距離延長について)そこが一番大きな課題になると思います」
「距離が延びて更に良いねという印象はない」
「3歳春に関しては距離というのは少し誤魔化しが利くので・・・」
「2,400Mがピッタリという馬が他にあと何頭いるかというところ」

皐月賞の勝利騎手インタビュー(抜粋)

▲イクイノックスは皐月賞が叩き台という舐めた使い方でいきなり勝ちかけるところまで行った。東京スポーツ杯2歳Sのポテンシャルを信頼して久々でも皐月賞で◎を打ったが、それにしっかり応えた形。当然ダービーでも◎を打とうと考えていたが、よりによって大外枠を引いてしまった。先週は外伸びだったが、今週はフラット。平均ペースで前も固まりそうだし、この枠から外差し一辺倒だとちょっとしんどい。ルメール騎手はポジショニングの名手だが、スターズオンアースのイメージで乗ると飛ぶと思う。

△オニャンコポンは皐月賞で直線外差しに向けてドウデュースに並ぶ間もなく交わされていて力負け感が否めないが、百日草特別を勝った東京に替わるのはプラス。百日草特別は前半スローの上がり勝負を前で押し切っており、今回は有力どころが総じて外で自身は内めという枠の並びが良い。前に出せればかなり面白いと思う。僅か864万円で購買された安馬のサクセスストーリーを見てみたい。

△ドウデュースは鞍上の乗り方が激しく不安。武豊騎手は過去の成功体験を踏襲する傾向が強く、後方一気が大好物。皐月賞は究極の駄騎乗だった。今回は流石に中団前寄りを選択してくると思うが、枠が外なのでポジショニングを放棄して真後ろに下げる可能性も拭えない。この馬がスペシャルウィークかアドマイヤベガかタニノギムレットかディープインパクトかキズナなら突き抜けるのだろうが…。どうもアドマイヤムーンっぽい。

△アスクビクターモアは新馬戦でジオグリフにコンマ3秒負けた後、中山の未勝利戦で後半1,000M57秒7という高速上がりを前付けで押し切り。アイビーSでドウデュースに差し切られたが当時は8頭立てで相手も前付けだった。今回は人気どころが総じて外に入り、内のマークが軽い印象。皐月賞も押し出されての逃げでコンマ4秒負けなら上出来。今回は内前先行が盲点になりそうなだけに狙い目。

◎ダノンベルーガ
○ジオグリフ
▲イクイノックス
△オニャンコポン、ドウデュース、アスクビクターモア
△キラーアビリティ(間違って購入)
馬複◎流し(5点+1点)、3連複◎1頭軸流し(10点+5点)

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