【競馬予想Vol.152】第29回チューリップ賞

今回のテーマ

阪神ジュベナイルフィリーズ組が圧倒的に強い

過去10年、阪神ジュベナイルフィリーズを経由した馬は【8・2・6・10】、単回値141・複回値96。

前走で阪神ジュベナイルフィリーズを使った馬が他を圧倒しており、全頭ベタ買いでも単勝はプラス、複勝も100%近い回収率を見込める。しかし2013年は阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬ローブティサージュが9着に沈み、2016年は2着・3着馬を含む5頭が出走して全て圏外に消え、2020年は単勝1.4倍の断然人気に推されたレシステンシアが3着に敗れた。短距離馬も参戦してペースが速くなりやすい阪神ジュベナイルフィリーズと、権利獲りのため各馬出方を窺ってスローに陥りやすいチューリップ賞との「レース質の違い」にはくれぐれも注意したい。


トラックバイアス分析・展開予想

出所:JRA公式馬場情報(阪神競馬場)3月4日現在

開催が進んでも時計が速く、結果として内をロス無く立ち回った馬が優勢。今週は火曜に芝刈りを実施、同日にまとまった雨が降ったものの、その後は晴れて金曜に散水を実施。クッション値は日曜7時30分時点で9.8に対し、金曜9時半時点で10.1(やや硬め)。引き続き高速で内前有利の馬場状態が想定される。積極的に行きたい馬はおらず、内に入ったジャマンが先制するにしてもスロー濃厚。各馬離れず付いていっての直線上がり勝負。いかに包まれない位置を取れるかどうか。


全頭分析

【-】ピンハイ

(+)出遅れて後方、直線馬群を捌いて差し切り。レースセンスあり。
(-)負かした馬の勝ち上がりゼロ。このメンバー相手では厳しい。

【-】ジャマン

(+)エリカ賞は道中緩めず直線ガス欠。距離短縮&内枠で巻き返し。
(-)新馬戦は軽量の恩恵あり。固まって推移しそうなここはしんどい。

【△】サークルオブライフ

(+)異なる競馬場で時計を詰めつつ3連勝。実績的に勝ち負け当然。
(-)常に後方から、未勝利戦は出遅れ。スローで詰め損ない懸念。

【-】アンジェリーナ

(+)前走好スタートから道中溜めて突き抜け。良馬場【1・1・3・0】。
(-)年末から連闘を含めて使いまくり。馬体減少傾向も気になる。

【-】スプリットザシー

(+)新馬戦は馬群を捌いて突き抜け。今回長距離輸送無しで多少マシ。
(-)前走4コーナーで外に膨らむなど馬格が無さ過ぎてフラフラ走る。

【○】ナミュール

(+)阪神JFは出遅れが全て。馬場の悪い内から迫った脚力は高評価。
(-)3戦全て出遅れ。この枠だと包まれて捌きに手間取る可能性あり。

【-】ルピナスリード

(+)未勝利戦は外から良い脚を長く使う。前走4着も時計は詰める。
(-)スタート上手くない。頭も上がり気味で瞬発力勝負だと厳しい。

【-】サウンドビバーチェ

(+)勝ち上がりの未勝利戦、白菊賞と競り合いで連対。根性ある。
(-)前走最内からスタート決めて脚溜まる。今回そこまで恵まれない。

【△】ウォーターナビレラ

(+)ペース不問で前付け可能。阪神JFも先行勢で唯一居残って善戦。
(-)前走は直線楽な手応えからラスト差される。外回りはこなす程度。

【-】ラリュエル

(+)クイーンCは行き脚良く内を突いて善戦。今回新馬勝ちした阪神。
(-)2戦共内枠先行の競馬。今回中2週と余裕の無いローテも気掛かり。

【◎】ルージュスティリア

(+)適度に控えさせて直線極上の脚使う。スローなら通用の余地あり。
(-)一頓挫あったとはいえ半年以上の休み明け。相手も揃い過ぎる。

【-】シークルーズ

(+)新馬戦はスロー前付け、春菜賞は大外一気。レース振りに幅あり。
(-)阪神JFが負け過ぎ。前走にしてもハイペースで前が止まっただけ。

【-】ツッチーフェイス

(+)4コーナーで外からぶつけられながら直線競り合い制す。根性あり。
(-)新馬戦は重馬場のパワー決着。今回芝質軽い阪神でキレ負け懸念。

【▲】ステルナティーア

(+)阪神JFは道中前をカットされ終始後手。スローなら巻き返し効く。
(-)サウジアラビアRCで折り合い欠く。外で脚溜められるかどうか。

【-】オーソレミオ

(+)外枠からでも前に行ける。久々で2番手から抜け切った前走評価。
(-)新馬戦でウォーターナビレラに完敗。前走も小倉で相手弱過ぎ。


結論

快速馬不在、トライアル戦特有のスロー濃厚。瞬発力勝負なら◎ルージュスティリアの通用余地あり。行き脚は良く前付けも可能。新馬戦を勝った後、アルテミスSを使う予定が脚部不安で回避。復帰戦が自己条件ではなく桜花賞トライアルの中でも最も格上のここというのは藤原師の期待の現れ。外寄りの枠を引いたことで包まれるリスクも軽減。素質に賭ける。

○ナミュールは新馬戦で超スローを楽勝。しかし出遅れ率100%で、阪神ジュベナイルフィリーズは出遅れて上がり最速という次走過剰人気パターン。中間入念にゲート練習を重ねているが、それで今回出遅れないという保証は無い。阪神ジュベナイルフィリーズで◎を打った馬だし、強いのは言われなくても分かり切っている。出遅れた上で勝てるかどうかを見てみたい。

▲ステルナティーアも新馬戦の勝ち方を見ればスローなら巻き返しがありそう。阪神ジュベナイルフィリーズはスタート後間もなくラブリイユアアイズに外から進路を割り込まれて後退。直線も前が壁で殆ど追えていなかった。ただ致命的な不利を受けた訳ではなくシンプルに弱い可能性は排除できない。またサウジアラビアRCで掛かっていたように外枠で折り合いも心配。

△ウォーターナビレラは前付けで速い脚が使える。時計が出る内前優勢馬場が向くのはこの馬だが、有力どころで最も前に陣取りそうなだけに他馬の格好の的になる。阪神ジュベナイルフィリーズもあの手応えで勝てなかったのは直線が長い外回りコースで目標にされたため。アタマまでは苦しい。

△サークルオブライフは唯一負けたのが新潟での新馬戦。勝ったのがイクイノックスとはいえ緩い流れで1秒以上も離されたのは紛れもない事実。その後3戦は1,000M通過59秒台で差しが効いた。今回は自身より前に付けた馬も上がり33秒台を使ってきそうなだけに脚色同じで届かないとみる。

◎ルージュスティリア
○ナミュール
▲ステルナティーア
△ウォーターナビレラ、サークルオブライフ
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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