【競馬予想Vol.28】第55回報知杯フィリーズレビュー

「4歳牝馬特別」から現名称に改められたのは2001年のこと。もう20年も経ったのか。最初は違和感しかなかったけど、もう普通に溶け込んでいる。ちなみにフローラSも元々は「4歳牝馬特別」だった。

このレースの前週に行われるチューリップ賞は本番と同じ距離に行われるのでメンバーも阪神ジュベナイルフィリーズ組を中心に強いのが集まるのだが、このレースは本番より200M短いので短距離路線組が集まりやすく、流れがスプリント寄りになる。その結果どうなるかというと…。

2021フィリーズレビュー過去10年上位3頭人気・単複配当一覧

荒れる。前日の中山牝馬Sも大概だったが、このレースも波乱傾向が強い。未勝利戦を勝ったばかりのノーワンとか、昇級戦で負けての休み明けだったナイントゥファイブとかどーやって買うんだ…。

2021フィリーズレビュー過去10年前走距離別成績

傾向として一つ明確に出ているのは「距離延長組は厳しい」ということ。過去10年では延べ33頭が出走して全滅、最後に3着以内に来たのは'06年1着ダイワパッションまで遡る。逆に距離短縮組が好調で、過去10年で7勝している。先ほどのノーワンやナイントゥファイブもマイル戦を経由していた。

レースの性格をざっくり掴んだところで、このレースも「馬券億り人のコース戦略」(真田理氏著)の知恵をお借りしよう。阪神芝1,400Mのコース戦略から突破口を見出すことにする。

【1】先行力・・・ゴール前に坂はあるものの、短距離戦でバックもホームも直線部分が少ないため基本的に先行有利
【2】内枠・・・先行有利を補完。差し馬もその多くがインをロスなく回ってくる。実際に過去10年で3枠より内に入った馬が7勝している
【3】小回り適性・・・内回りコース使用
【4】坂適性・・・あるに越したことはない
※【1】~【4】をいくつか満たした上で、近走で直線の長いコースで惜敗して人気を落としている馬が狙い目

上記を当てはめていくと次の通り。

【1】先行力 ※逃げ・先行で2勝以上
ゴールドチャリス(逃げ・先行で2勝、オープンで3着2回)※距離延長
ポールネイロン(逃げで2勝)
ヨカヨカ(逃げ・先行で3勝、阪神JFで先行してコンマ4秒差)
エイシンヒテン(逃げで2勝、クイーンCで逃げてコンマ2秒差)
【2】内枠 ※逃げ・先行は無条件選出。差しは内突き経験馬のみ選出
ゴールドチャリス(前走内突き勝利)※距離延長
エルカスティージョ(前走先行勝利)
アンブレラデート(新馬戦先行勝利、前走逃げて2着)
シゲルピンクルビー(新馬戦で直線内から外に持ち出して勝利)
【3】小回り適性 ※ローカル実績、内回り実績
(特に差異が無いため割愛)
【4】坂適性 ※阪神か中山で3着以内実績
ゴールドチャリス(阪神勝ち、中山OP3着)※距離延長
エルカスティージョ(阪神勝ち)
アンブレラデート(阪神1勝C2着)
シゲルピンクルビー(阪神勝ち)
ヨカヨカ(阪神勝ち)
ラヴケリー(阪神GIII3着、中山1勝C2着)※距離延長
エイシンヒテン(阪神1勝C勝ち)
オパールムーン(阪神GIII2着)
※【1】~【4】をいくつか満たして近走で直線の長いコースで負け
シゲルピンクルビー(阪神内回り勝ち⇒阪神外回りGI17着)
ポールネイロン(中京で連勝⇒阪神外回りGI18着)
ヨカヨカ(阪神内回りGIII5着⇒阪神外回りGI5着)
エイシンヒテン(阪神外回り1勝C勝ち⇒阪神外回りGI11着⇒東京GIII4着)
オパールムーン(阪神内回りGIII2着⇒阪神外回りGI6着)

人気でもヨカヨカとオパールムーンは来そうな感じ。エイシンヒテンもここ2走直線の長いコースでスピードを活かし切れていない。

前走逃げた馬だけで5頭、番手追走組も距離延長組・同距離組を筆頭に多数を占めるメンバー構成。大外スティクスが一番速いが、内のアンブレラデートがハナを取り切るか。テン3ハロンは例年並みの33秒5前後想定で展開的には差し優勢だが、とにかく速いので追走できるスピードは必須。

◎ヨカヨカはここ2戦坂で止まっているが、前走は距離延長の差し決着でコンマ4秒差に踏み止まったもので好評価。ファンタジーS時は距離延長かつ初の急坂で行き切れなかったが、今回は距離短縮で阪神コースは3回目。今回は前走装着していたクロス鼻革を外して行き脚全開で来る模様。

○オパールムーンは今回と同じコースで行われたファンタジーSで2着した後、外回りの阪神ジュベナイルフィリーズで6着。直線距離が延びたのに逆に着差が開いたということは単純に短距離志向の差し馬だったということ。但しこのレースは差すにしても外を回すと届かなくなるのが悩ましい。

▲アンブレラデートは前走テン3ハロン34秒1で軽快に飛ばし、直線逃げ切り濃厚というところで内からグレイイングリーンに突き抜けられて2着。しかし3着以降は2馬身半離しており、この馬も強い競馬をした。内枠の先行馬ということで買いで良さそう。

△エイシンヒテンは前走東京で完全差し決着の中を逃げてコンマ2秒差。阪神芝1,400Mにおける巻き返しパターンに完全に一致する。阪神ジュベナイルフィリーズで11着に負けた時と同じ枠というのが残念過ぎるのだが、上手く飛び出していければ2番手追走でも妙味がある。

△エルカスティージョは前走負かした相手が次走軒並み惨敗しているように相手に恵まれた感が強く、危険な人気馬の香りがするが、引いた枠が良過ぎるので買わざるを得ない。正直エイシンヒテンと代わってあげてほしい。内突きが出来る岩田康誠騎手とのコンビも絶妙で、馬が対応できるかどうか。

☆シゲルピンクルビーは新馬戦が直線で内から外に持ち出しての勝利。前走は距離延長かつGIでは通用しなくて当然でノーカウント。厳しい条件から自己条件に戻るのだから買わないわけにはいかない。今回は内から差して来れそうなのがこの馬ぐらいしか見当たらない。

◎ヨカヨカ
○オパールムーン
▲アンブレラデート
△エイシンヒテン、エルカスティージョ
☆シゲルピンクルビー
馬複◎流し(5点)、3連複◎or☆1頭軸流し(16点)

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