【競馬予想Vol.255】第74回朝日杯フューチュリティS

今回のテーマ

※2014年に中山から阪神に移設。

東京芝マイルを勝った直後の馬は崩れない

過去8年、前走で東京芝マイルを勝った直後の馬は【4・1・2・0】、単回値330・複回値181と抜群の好相性を誇っている。

東京芝マイルでの内容は先行でも差しでも、レコードでも不良馬場でもここで勝ち負けになっている。阪神芝マイルと東京芝マイルの連動性は先週の阪神ジュベナイルフィリーズでも実証済み(1着リバティアイランド・アルテミスS2着、2着シンリョクカ・東京芝マイル1着)。


トラックバイアス分析・展開予想

今週は火曜に僅かな雨が降った後は概ね晴れ、水曜と木曜に散水を実施。土曜朝時点のクッション値は先週土曜と同じ9.8。土曜は朝から弱い雨が降って14時前に稍重になったが、トラックバイアスは相変わらず内が優勢。ただ内ピタの居残りよりは内寄りの差し向きで、先週よりは後ろからの馬でも通用する余地が出てきた。今回はマイルより短い距離での逃げ経験馬が多く、単なる前付けよりは差し向きの流れを想定。しかもレースの時間帯は4~6Mの強い西風が吹く予報で直線は向かい風になり、先行勢はそれだけでもしんどい。内を捌けるスキルが重宝する。


全頭分析

【-】キョウエイブリッサ

(+)前走初芝で速い時計に対応。ここは内で脚を溜めて一発狙い。
(-)自己条件ならまだしもマイルのGI。過度の期待は掛けられない。

【△】ドルチェモア

(+)サウジアラビアRCは大逃げ展開を捉えV。前々の立ち回り好感。
(-)前走は開幕週で当然の前有利。今回は前々の馬多く埋没懸念。

【-】オールパルフェ

(+)スタート上手く先頭で脚を溜められる。引き続き内前馬場継続。
(-)楽な競馬しかしていない。今回は他に逃げ好走馬多く展開微妙。

【-】ドンデンガエシ

(+)アスター賞は自ら先手奪って楽に押し切り。内枠ゲットは好感。
(-)前走は開幕週の絶好馬場の賜物。時計緩過ぎてアテにならない。

【△】バグラダス

(+)前走速い流れに余裕で付いていって抜け出す。時計は水準以上。
(-)前走ラストでティニアに接近許しての辛勝。ベストは1,400Mか。

【-】ミシェラドラータ

(+)ここ2戦は前残り展開で出番無し。愚直に構えて追い込み一発。
(-)函館の渋った馬場で勝ったのみ。スピードも力も全く足りない。

【-】オオバンブルマイ

(+)新馬・京王杯2歳Sと内を立ち回って連勝。馬群捌き経験も評価。
(-)近親は軒並みスプリンター。一息で押し切っての連勝で距離微妙。

【-】グラニット

(+)スタート速く前に行ける。前走は大逃げに持ち込んで見せ場十分。
(-)前走最高の展開に持ち込んで負け。今回は他に同型おり厳しい。

【-】ニシノベストワン

(+)前走スタート決めた上で内で脚溜めて突き抜け。決め手は上々。
(-)前走は4角で前の馬が外に膨れて内ガラ空き。時計平凡で期待薄。

【-】ウメムスビ

(+)カンナSは直線先抜けして余裕の押し切り。距離こなせれば通用。
(-)1,200Mしか経験していないのは不安。マイルで溜め効くか疑問。

【△】ティニア

(+)直線に向くまで待っての差しで連続好走。距離延びて良さそう。
(-)2戦共に少頭数で位置取り楽。初の多頭数で好位取れるかどうか。

【◎】ダノンタッチダウン

(+)馬体緩いながらもラスト強烈な追い込み。ポテンシャルはNo.1。
(-)2戦共に外差しの形。距離ロス甘受しても差し切れるかどうか。

【-】スズカダブル

(+)初勝利は東京マイルでゴール前抑える余裕あり。距離短縮好感。
(-)内前馬場の阪神で連敗は不満。今回は他が速く付いて回るだけ。

【○】レイベリング

(+)可動域広い豪快ストライドで3馬身半突き抜け。大物感たっぷり。
(-)今の阪神で外から差すのはしんどい。速い流れ未経験で半信半疑。

【-】フロムダスク

(+)京王杯2歳Sは強気に行って残しかける。やはり行き切れば侮れず。
(-)逃げ以外に対する適性を感じない。距離延長&相手強化で苦しい。

【-】コーパスクリスティ

(+)前走は直線半ばから追って突き抜け。まだ全力を出していない。
(-)2戦共スタート出負け。今回周り速くこの枠で行き遅れると辛い。

【▲】エンファサイズ

(+)今回と同舞台で直線内を通って突き抜け。2戦目で上積みに期待。
(-)前走は内ガラ空きで差してください展開。今回大外で苦戦免れず。


結論

阪神芝は引き続き内が優勢なのは間違いないが、昨日の最終レースでルージュグラース(14番人気)が最後方から外を回して突っ込んで4着に来たように外差しも効き始めてきている。今回はグラニットやフロムダスク、オールパルフェやドンデンガエシなど逃げて結果を出してきた馬が揃っていて差し決着になると判断。

ダノンタッチダウンはデイリー杯2歳Sのパドックで素人目にも馬体の緩さが目に付き、これで走れるのかと訝しんでいたところ、真後ろから突っ込んで2着。しかも内前絶対ジャスティス馬場、緩い展開に乗って勝ったオールパルフェと上がりで1秒1も優った。今回は前走よりも差し向きの流れになるのは確実で、突き抜けに期待したい。

レイベリングのデビュー戦は1,000M通過61秒4の上がりだけの競馬で、即GIで勝ち負けというのは常識的に考えてしんどい。しかし前脚を高く上げて高速回転するダイナミックな走りをする馬はそうそういない。差し展開ならダノンタッチダウンとセットで買いたい。ちなみにこのレースにおけるキャリア1戦馬は2015年に2,000Mの緩いデビュー戦を勝っただけのリオンディーズがデイリー杯2歳S勝ちを含む2戦2勝のエアスピネルを下して勝っている。

エンファサイズは内が伸びる馬場で内から伸びて突き抜け。綺麗に内が空いたところを抜けてきただけだが、走破時計1分34秒5はデビュー戦にしては上々で、道中上手く内に潜り込ませることができれば少なからずチャンスがある。

ドルチェモアは冒頭のテーマ的にドンピシャで、展開難化でも切るまでには至らない。ただサウジアラビアRCはグラニットの大逃げ展開を捉えるというレアケースで手放しに評価はできない。意味も無く連勝中の騎手を替えたのも気になる。

バグラダスの前走の勝ち時計は2週前の京王杯2歳Sをコンマ1秒上回る好時計で、ハイペース追走から追い出しを待って突き抜けた内容は評価すべき。新馬戦はダートの勝ち上がりで、前日に降った雨で傷んだ芝でも踏ん張りが利くと判断。

ティニアは前走バグラダスに負けたとはいえラストは差し迫っていて、距離が延びて良いのはこちらかもしれない。福永調教師の教育的騎乗で抑える競馬が板に付いているのも良い。ここ2戦は9頭立て、今回は17頭立ての外寄り枠で、序盤のポジショニングが生命線。

◎ダノンタッチダウン
○レイベリング
▲エンファサイズ
△ドルチェモア、バグラダス、ティニア
馬複◎流し(5点)、3連複◎1頭軸流し(10点)

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